日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
38 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 江島 博康, 黒川 和雄
    1985 年 38 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 早崎 峯夫, 大石 勇
    1985 年 38 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    塩酸レバミゾールの犬糸状虫寄生予防効果を実験感染犬と自然感染犬を用いて試験した.
    1) 実験感染試験: 犬糸状虫実験感染犬に本剤の2.5mg/kg/日を感染から30日間連続経口投与した. 実験感染後143日に剖検した結果, 終寄生場所 (右心室・肺動脈) に虫体はまったく認められなかった. 対照群の終寄生場所への移行率は平均40.9%であった.
    2) 野外試験: 実験犬は犬糸状虫自然感染に曝し, さらに感染を確実にするために実験感染を追加して試験した. 投薬群はさらに2群に分け, 本剤の2.5mg/kg/日を, 9頭は6月から11月までの6カ月間連日投与し, 3頭は同一期間を隔日に投与した. 実験感染後151・152日に全例剖検した結果, 投薬群では犬糸状虫の寄生を認めず, 確実な寄生予防効果が認められる. 対照群では15-66匹が検出され, 平均移行率は727%であった.
    犬糸状虫ミクロフィラリア保有寄生犬に本剤を用いた場合, ジエチルカルバマジン剤を用いたときにみられるショック様反応 (発現率約17%) など異常反応が発現するか否かについて, 同保有寄生犬53頭を用いて検討したが, 異常所見はまったく認められなかった. 同様に, 実験感染実験および野外試験においても異常所見は認められなかった.
  • 一条 茂, 田中 一郎, 高鳥 浩介, 長岡 正喜
    1985 年 38 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛白癬の治療に対するBPMC乳剤の塗布効果を確認する目的で, 塗布前後における臨床所見, 病巣部からの菌の分離成績, ならびに生検した皮膚の病理組織所見について検討し以下の成績を得た.
    1) BPMC塗布前の所見では, すべての皮膚病変部からTrichophyton verrucosumが分離され, 皮膚の組織所見では表皮の角化層における角化亢進, 胚芽層の過形成と水腫, 毛根鞘の過形成と角化亢進および毛包内における菌の増殖など本病特有の病変が認められた.
    2) BPMC乳剤を皮膚病変部に1週間に1回の割合で塗布を続けた結果, 3-4週間後には病変部からの菌の分離は陰性となり, これに並行して皮膚の組織も正常化する傾向を示した.
    3) 以上の成績から, BPMC乳剤の塗布は, 臨床所見, 真菌学的所見, ならびに皮膚の病理組織所見の上から, 白癬病変に対し著明な治癒効果を示すことが確認された.
  • 千田 広文, 宮本 守人, 山下 秀之, 野田 雅博, 片山 高雄
    1985 年 38 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    一農家の乳牛19頭について経時的に血液と糞便を採取し, 年間および肝蛭駆虫薬投与後における肝蛭虫卵の検出状況, 沈降抗体価および臨床生化学検査成績の推移を調査し, 次のような結果を得た.
    1) 肝蛭虫卵陽性率は, 駆虫薬投与後著しく低下し, 駆虫薬投与後3-5カ月には次第に上昇した.
    2) 駆虫薬投与後の沈降抗体価 (幾何平均値) の推移は, 2回の駆虫薬投与 (10, 4月) 後でそれぞれ異なっており, 駆虫薬投与後の幼若虫の存在と関係があることが推察された. 個々の牛における沈降抗体価の変動幅や上昇する時期は, 個体別に異なっており, 一様な変化は認められなかった.
    3) 駆虫薬を10月に投与し, その後投与しなかった牛は, 肝蛭虫卵が検出され, それにともなって, α-およびβ-グロブリンの増加, アルブミン, A/G比の低下が観察された. また, 個体別の成績で抗体価の上昇があった前後にはグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ (GOT), α-グロブリンおよび総コレステロールの有意な上昇が認められた.
  • 正木 宏幸, 徳丸 雅一, 宇佐美 博幸, 岩崎 久夫
    1985 年 38 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    発熱性物質と細菌による荒川の水質汚染を調査した. 上流より下流にかけて10ケ所の河川水を採水し, 発熱性物質調査として, 発熱性物質試験, リムルステストおよび合成基質法を行った. また, 細菌検査として, 一般細菌, 低温細菌, 大腸菌群およびグラム陰性菌を計測した.
    1) 一般細菌数, 低温細菌数, 大腸菌群数およびグラム陰性菌数はいずれも下流に進むにしたがって, しだいに増加する傾向を示した (一般細菌数0-25,000個/ml, 低温細菌数10-40,000個/ml, 大腸菌群数0-410個/ml, グラム陰性菌数0-17,000個/ml).
    2) 発熱性物質試験による発熱性物質は下流に進むにしたがって, しだいに増加する傾向を示した.
    3) リムルステストによるエンドトキシンは下流に進むにしたがって, しだいに増加する傾向を示した.
    いっぽう, 合成基質法によるエンドトキシン定量は最低値が6ng/mlで, 最高値426ng/mlであった.
    ) 発熱性物質試験の陽性結果とリムルステストの陽性結果はともに平行になる傾向を示した.
  • 印牧 信行, 清水 達丈, 近藤 伸, 内藤 博之, 杉浦 邦紀
    1985 年 38 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    育成雄子牛における血清セルロプラスミン (Cp) の加齢変動を追求し, また血清Cpの血清銅, 血清鉄, 血清総蛋白ならびにヘモグロビンとの関連について検討した. 供試血清および全血は, 1カ月齢, 3カ月齢, 6カ月齢および12カ月齢の雄子牛各10頭より採取した. また, 出生日より32日齢まで雄子山羊2頭について血清Cpの変動を観察した. 血清Cp定量法については, oxidase法を用いた. その結果, 雄子牛では, 血清Cpは加齢にともない漸増し, また血清銅, 血清鉄, 血清総蛋白およびヘモグロビンとの間に, 危険率1%で相関が認められた. また, 子山羊では血清Cpは緩慢ながら漸増傾向を示した.
  • 佐藤 孝二, J. S. MASANGKAI
    1985 年 38 巻 1 号 p. 38-40
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年から1983年にかけて, 名古屋市内4ケ所, 犬山市内1ケ所で, 捕獲したドバト計270例中40例に, Tetrameres fissispinaの寄生を認めた. 寄生部位は, 腺胃に限定され, 赤色の典型的な嚢腫が認められた. 嚢腫は, ♀ の虫体で形成される.
    ドバトの成長と平行して, 嚢腫の数が増え, 腺胃あたり嚢腫50個以上の寄生は, 6カ月齢以上の成鳥に限られた. 寄生率は, ドバトの定住している地区により異なり, 8%から33%の寄生率を示した. 総平均は, 15%であり, 東京その他で捕獲されたドバトにおける寄生率よりも高かった. 寄生率に関する地域・地区による差について考察した.
  • 佐藤 良彦, 平沢 博一, 長田 宣夫, 望月 明義, 太田 俊明, 両角 吉三, 古畑 敏夫, 高田 俊也, 早川 源水
    1985 年 38 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1983年11月, 松本市の肥育牛飼養農家に, 北海道から12カ月齢前後の黒毛和種34頭を導入した.
    導入後16日間に6頭が死亡した. 3頭は呼吸器症状を呈し, 4-5日の経過で死亡し, 他の3頭はとくに症状を示さないで急死した.
    呼吸器症状を呈して死亡した1頭を剖検したところ, 高度の肺炎がみられ, 病理組織学的には線維素性壊死性肺炎像を呈していた. 細菌学的検査では, 死亡牛の肺からPasteurella multocidaが分離され, さらに呼吸器症状を呈していた同居牛の鼻汁からも同菌が分離された. ウイルス学的検査では, 死亡牛の肺および, 発症牛の鼻汁からParainfluenza virus type3が分離された.
    以上の成績から, 本症はP.multocidaParainfluenza virus type3の混合感染による呼吸器病と診断した.
  • 6. 消毒薬の薬理作用とその使い方 (その1)
    松本 治康
    1985 年 38 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 野鳥における伝染性膵臓壊死症ウイルスおよび伝染性造血器壊死症ウイルスの存在の可能性, および鳥類と哺乳類の両ウイルスに対する感受性
    伊澤 久夫, 石黒 信良, 児玉 洋, 小沼 操, 見上 彪
    1985 年 38 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1977年から1980年までの4カ年に北海道で採取した野生水禽 (主としてカモ類) およびカラスならびにトビの血清と, 伝染性膵臓壊死症ウイルス (infectious pancreatic necrosis virus;IPNV) ならびに伝染性造血器壊死症ウイルス (infectious hematopoietic necrosis virus;IHNV) とを免疫拡散 (immunodiffusion;ID) 試験によって反応させたところ, 野生水禽血清において特異的とみられる沈降線が出現した. 沈降線の出現率は, 5株のIPNVのいずれかに対して58.1%, またIHNVに対して3.2%であった. ID陽性血清は5株のIPNVを中和したが, 力価はきわめて低いものであった. これら血清は伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスをまったく中和しなかった. 魚肉を給与されたミンクの血清には, IPNVおよびIHNVに対するID抗体を認めなかった.
    IPNVあるいはIHNVを接種した発育アイガモ卵からはウイルスは回収されなかった. また, 両ウイルスを接種したマウス, ヌードマウスおよびウサギはみるべき臨床変化を示さず, 血液, 各種ぬぐい液および諸臓器からウイルスは回収されなかった.また, 両ウイルスを接種した哺乳類由来の各種株化細胞に細胞変性効果は発現しなかった.
  • 波岡 茂郎, 山本 孝史, 小川 孝, 両角 徹雄, 足立 吉数
    1985 年 38 巻 1 号 p. 58-63
    発行日: 1985/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top