日本獣医師会雑誌
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38 巻, 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 牛を中心とした現状と将来展望 (その2)
    川村 清市
    1985 年 38 巻 10 号 p. 625-631
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 野村 紘一, 是枝 哲世, 中西 等
    1985 年 38 巻 10 号 p. 631-636
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    われわれは最近, 2年4カ月齢の雄の雑種犬における鼻腔内に発生した円形細胞肉腫例に遭遇した. これに対し, 腫瘍塊の外科的摘除とX線照射療法の併用を試みたところ, 経過がすこぶる良好で, 術後1年以上も経た今日まで, 腫瘍の再発の兆しは見られない.
    患犬は約3カ月前から持続している頑固な鼻出血と顔面の変形を主訴に来院した. 鼻漏の細胞診および腫瘍塊の生検材料の病理組織検査により円形細胞肉腫と診断された.
    腫瘍塊は右鼻腔を占拠し, 鼻骨をはじめ, 鼻甲介から鼻中隔や上顎骨さらに前頭洞をも侵襲していた. これらについて, 鼻梁正中切開法による外科的摘除を行ったが, 前頭洞や上顎骨内に深く浸潤した腫瘍組織の一部は完全には廓清できなかった. そこで, その後, X線照射療法を実施した. 照射には, 治療用深部X線装置 (KXC-19-2型, 0.3m/m Cu+0.5m/m Alフィルター使用) を用い, 1回500rad (50rad10分間照射) を1週2回, 4週間, 合計8回4,000radの分割照射を行った.その結果, 腫瘍の再発や繁殖障害も認められず, 患犬は元気に生存している.
  • 青柳 敬人, 岩住 安晃, 和地 秀一, 福井 豊, 小野 斉, 堀江 功一
    1985 年 38 巻 10 号 p. 641-645
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    17頭のホルスタイン種乳牛にProgesterone releasing intravaginal device (PRID) を応用して, 分娩後無発情牛の発情誘起効果, 性周期不規則牛の過剰排卵処置による卵回収成績に及ぼす影響, 2回連続の過剰排卵処置による卵回収成績に及ぼす影響について各々検討を行った.
    1) 分娩後64~143日間の無発情牛4頭に対しPRIDを12日間膣内に挿入し, 除去24時間前にPGF25mgを筋肉内投与した. 除去後48時間で3頭にスタンディング発情を認め, うち2例は除去後56時間目の1回の人工授精で受胎した.
    2) 性周期不規則牛8頭に対し, PRIDを12日間膣内に挿入し, 除去48時間前より性腺刺激ホルモン製剤とPGF を用いて過剰排卵処置を行った. 1頭あたりの平均回収卵数は4.4個, 平均正常卵数は2.9個, 正常卵率は65.6%であった.
    3) 過剰排卵処置による卵回収を24~28日間隔で2回連続, 5頭に対して行い, 2回目の処置時にPRIDを応用した. 初回の正常卵/回収卵は平均で3.8/5.8であったが, 2回目のそれは1.2/2.6であった.
    以上の結果より, PRIDは無発情牛ならびに性周期不規則牛に対して, 発情誘起およびその受胎性に効果があることが示唆された.
  • 臼井 良一, 長谷川 生夫, 田中 享一
    1985 年 38 巻 10 号 p. 645-649
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳房炎を臨床検査およびCMT検査により潜在性, 慢性, 急性および壊疽性乳房炎に分類し, その乳清総蛋白量をそれぞれ測定した結果, 乳房炎の程度にともない乳清総蛋白量が増加した. 潜在性, 慢性, 急性および壊疽性乳房炎の乳清総蛋白量はそれぞれ0.81, 0.90, 2.65および5.09g/dlであり, 潜在性および慢性乳房炎の95%信頼区間が少し重なるほかはまったく重ならず, それぞれの乳房炎をはっきり区分できた. そこで, 乳清総蛋白量の簡易測定法を次に示す2種類開発した.
    1) BPB試験管法 (仮称): 0.2M, pH4.0の酢酸緩衝液0.5mlに乳汁0.5mlを混和し遠心 (2,000rpm) 後, 中間層を採取し酢酸緩衝液で10~20倍に希釈する. この液1mlをBPB試液 (0.2M, pH3.0のクエン酸緩衝液にBPBを0.005%の割合にとかしたもの) 4mlに加えブランクを対照として610mμで吸光度を測定する.
    2) BPB濾紙法 (仮称): 乳清0.5mlに0.2M, pH4.0の酢酸緩衝液0.5mlを混和する. この液5μlをマイクロピペットで濾紙 [1%クエン酸溶液にBPBを0.1%の割合にとかし, これに東洋濾紙 (No.6) をひたし風乾したもの] に滴下し標準色調表 (市販のBSAで0.6%, 0.8%, 0.9%, 2.6%および5.1%に調整し, サンプルと同様に操作したもの) の色調および黄色のリングを比較し診断する.
  • 前田 博之, 森 千恵子, 山田 英清, 伊藤 滋子, 湯浅 亮, 横田 博
    1985 年 38 巻 10 号 p. 649-655
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1) 血液において, 筋運動に起因する各種逸脱酵素および乳酸は, PSEやDFDの異常肉を発現した早期温体硬直屠体全亜群および実験屠体I・II群においてきわめて高い値を示した. LDHアイソザイムにおいてPSE豚ではLDH-5分画 (筋肉由来), DFD豚ではLDH-2・3 (肝臓由来) および5分画の増加が認められた.遊離脂肪酸 (NEFA) およびATPの分解に起因する無機リンはPSE豚・DFD豚でともに増加していた.
    2) 筋肉において, 解糖の亢進の程度を表わすグリコーゲン減少率は硬直屠体と実験屠体で大であった. 死後解糖の亢進を量的に表わす屠殺後90分の筋肉内乳酸量, および生前のグリコーゲン貯蔵量を表わす屠殺後10分の筋肉内グリコーゲン量はDFD肉で低く, PSE肉では高かった.屠殺後10分の筋肉内ATP量は, PSE肉で低く, DFD肉でやや低かった. ATP分解パターンは, PSE肉 (実験II群と硬直B・C亜群) およびDFD肉 (実験I群と硬直A亜群) において正常肉とは異なっていた. AMPからIMPへの分解 (至適pH6.4のAMP脱アミノ酵素が作用) を示唆するR値はPSE肉で高かった.
  • 真鍋 伸男, 浪越 靖政, 青木 仁久, 建部 淑人, 西原 克雄, 百溪 英一, 吉野 知男
    1985 年 38 巻 10 号 p. 655-660
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    北海道渡島管内の一地域に, 肉用牛の結核病およびヨーネ病が集団発生した. 患畜は2~11才の褐毛和種で, 1980~1982年の間に, 結核病として50頭, ヨーネ病として19頭が殺処分された. 結核病患畜の病理解剖学的検査に際して, 50頭中16頭にヨーネ病を疑わせる軽微ないし著しい腸管の肥厚が認められた. いっぽう, ヨーネ病患畜19頭中3頭には, 肉眼的に結核病巣が認められた. 細菌学的には, 結核患畜50例中47例からMycobacterium bovisが, ヨーネ病患畜19例中13例からMycobacterium paratuberculosisが分離された. これら混合感染牛のうち4例について病理組織学的検査を行った結果, 両病変の存在を確認した.
  • 原田 良昭, 内田 幸治, 古谷 徳次郎, 高山 公一
    1985 年 38 巻 10 号 p. 663-667
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    種鶏群におけるMycoplasma gallisepticum (MG) の感染阻止と生産性維持を目的としてオキシテトラサイクリン (OTC) およびドキシサイクリン (DOTC) の投与法を, できるだけ自然条件に近づけた状態で検討した.
    1) OTC 250PPm以上の濃度で連続投与した群では, 症状・病変およびMG抗体は陰性でMGも回収されず, 感染阻止に有効と判断された. 2) OTC 500ppm短期 (5日間) 投与群では, いずれも症状・病変を示す例がみられ, かつMG回収率も高く, 感染阻止効果がないと判定された.
    3) OTC125ppm連続投与およびDOTC 50ppm短期 (5日間) 投与を組み合わせた投与群においては, OTC単独125ppm投与群にくらべ, MG抗体価およびMG回収率の低下することが認められた. いっぽう, OTC 250ppm連続投与およびDOTC 50ppm短期 (5日間) 投与の組み合わせ投与群では, 症状および病変はみられず, MG抗体陰性でMGも回収されなかった.
    以上の実験結果から, OTCのみの250ppm連続投与あるいはOTC 250ppm連続投与に, DOTC 50ppm短期投与を組み合わせることによって, MG感染を阻止し, 鶏群をMG freeに保持することが可能と考えられた.
  • 田中 幹郎, 中間 實徳, 宇塚 雄次, 阿武 雅夫, 後藤 直彰, 緒方 隆
    1985 年 38 巻 10 号 p. 667-670
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の肺の形成不全が5カ月齢の雌の黒毛和種に認められた. 本症例は突然食欲が廃絶し, 急性鼓脹症を発したが, その治療にはまったく反応しなかった.右肺領域においては気管支肺胞音はまったく聴取できず, また胃カテーテルの挿入時に胸部食道に抵抗感があった. 試験的開腹術により, 胸腔内に大人頭大の腫瘤様物を横隔膜を経て触知した. 剖検により, 右肺の前葉前・後部に嚢胞が認められ, 右胸腔はこの膨満した気嚢で満たされていた. 病理組織学的検査の結果, この奇形肺は気嚢壁, 気嚢内小区画壁, 気嚢周辺部に形成された肺組織からなり, 気嚢壁が細気管支壁類似の構造を示していたことから, 細気管支の段階で分化の止まった肺胞形成不全と診断された.
  • 8. 抗炎症薬の薬理 (その2)
    柴田 浩
    1985 年 38 巻 10 号 p. 670-675
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 家畜衛生研修会 (病性鑑定病理部門) における事例を例として
    久保 正法
    1985 年 38 巻 10 号 p. 675-677
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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