日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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75 巻, 10 号
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 畑 大二郎, 岡田 純子, 堀川 朝広, 小川 みづほ, 森谷 毅, 久保田 耕史
    原稿種別: 短報
    2022 年 75 巻 10 号 p. e186-e190
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/14
    ジャーナル フリー

    羊のと畜検査における尿毒症と黄疸の数値的裏付けとして,眼房水が血液の代替検体になり得るか調査した.と畜場に搬入されたサフォーク種(Ovis aries)61頭の血漿と眼房水を用いて,各生化学値(尿素窒素,クレアチニン,総ビリルビン)の測定後に相関分析と回帰分析を行った.すべての項目で測定値は血漿の方が眼房水よりも高かった(P<0.05).尿素窒素では,去勢群と雌群で共に高い相関係数と決定係数が認められた.クレアチニンでは,去勢群で高い相関係数と決定係数が認められた.総ビリルビンでは,相関関係が認められなかった.以上のことから,採血困難時には,眼房水を用いて羊の尿毒症を推定評価できるが,雌では精度の高いクレアチニン推定値を得にくいと考えられた.また,眼房水を用いての黄疸評価はできないと考えられた.

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