日本獣医師会雑誌
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40 巻, 7 号
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  • 牛の異常産とアルボウイルスについて
    三浦 康男, 後藤 義之, 甲野 雄次
    1987 年 40 巻 7 号 p. 473-480
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 阿武 雅夫, 白水 完治
    1987 年 40 巻 7 号 p. 481-484
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    トリクラベンダゾールを肝蛭自然感染牛に経口投薬して駆虫効果を検討した.
    12mg/kg投薬では, 全例投薬後8週までの全観察期間中虫卵は検出されず, また血中γ-GTPおよびGLDHの低下がみられ, 良好の駆虫効果が確認された.6mg/kg以下でも有効性を認めたが, 投薬量が不十分と判定された.
    12~3mg/kgの投薬によって, 副作用は認められなかった.
  • 菊池 保裕, 小松 加奈, 五味 敏昭, 木村 明彦, 土屋 宏正, 橋本 長, 原 茂
    1987 年 40 巻 7 号 p. 485-490
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    イヌの内科疾患に対する針灸治療の有効性を検討するために, 塩化第二水銀を投与して腎障害を作製し, 経穴理論と皮電点分布を参考にし, 「腎兪」, 「膀胱兪」, 「天枢」, 「委中」の4穴を選択して, 電気針療法を試みた.
    電気針療法を行った6例を針治療群とし, 他の6例は非治療群 (対照群) とした。針治療群では4例において上昇していたBUN, GOTの値は急速に回復し, また, 腎組織所見において著明な細胞浸潤像がみられ, 症状の改善が認められた.しかし, 非治療群では, 無尿, 嘔吐, 下痢などの症状が改善されず, 全例が実験期間中に死亡した.
    以上の結果から, 腎障害に対する電気針療法は, 腎組織を修復し, 腎機能を回復させることが考えられ, 臨床上, 治療効果が期待でき, さらに, 各種内科疾患に対しても有効な治療法となることが考えられた.
  • 滝山 昭, 多川 政弘, 黒川 和雄
    1987 年 40 巻 7 号 p. 491-493
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ミルベマイシソD (MD) 1mg/kgを1回経口投与して, 経時的に採血または臓器の採取を行い, 末梢血液中におけるDirofilaria immitisのmicrofilaria (以下mf) 数の推移と, 血漿, 脳, 脊髄液, 筋肉, 肺, 腎臓, 肝臓および脂肪組織におけるMD濃度の推移との関連を調べた.
    その結果, 血中濃度のピークは投与1時間後に現われ, その後急速に減少し, 120時間後には測定限界 (0.5ng/ml) 以下となることがわかった.末梢血液中のmf数はMDの血中濃度によく相関して減少し, 投与後120時間にわたる観察期間中に完全に陰転するにはいたらなかったものの, 著明に減少した.
    また, 血漿および各種臓器内における濃度は血漿≒脳<筋肉<肺<腎臓<肝臓<脂肪組織であり, 各組織における濃度のピークは6時間値に一致してみられた.脂肪組織におけるピーク時の濃度は1,490.9ng/gであり, 他組織 (95.7~377.8) に比べてかなり高濃度であり, また, 投与後240時間 (10日) を経過してはじめて検出限界 (5.0ng/g) 以下に低下し, 他組織に比べて長く組織内に残留することが明らかになった.このことは, MDはとくに脂肪親和性が高いことを示唆するものであろう.他方, 脊髄液中のMD濃度はピーク時においても1.3ng/mlという極めて低濃度であり, 脊髄液中への移行は少ないものと考えられた.
  • 野村 紘一, 政岡 和彦, 島田 保昭
    1987 年 40 巻 7 号 p. 494-497
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    自然症例から分離培養した大腸菌を, 子宮頸管を結紮した子宮内に接種することによって作製した犬子宮蓄膿症33例について子宮内の膿の性状を観察したところ, 次のような結果が得られた.
    1) 膿量はほとんど計量できないくらい微量のものから, 最高560mlの範囲のものまであった. 全例の平均膿量は56.89±107.3ml (Mean±SD) であったが, このうち, 10ml以上のものが25例 (75.8%) をしめ最も多かった.
    2) 発情休止期の膿量は81.45±167.4mlで, 他群のものより膿量の多いものが多かった.また, この時期では経過期間が長くなると膿量が増す傾向がうかがわれた.
    3) 膿の色調は, 黄緑色系が23例 (69.7%) で最も多く, それらは発情前期から発情休止期に属するものが多かった.また, 赤褐色系は分娩後のものに多かった.
    4) 膿の粘稠度は, ポタージュスープ様 (粘稠度+) のものが19例 (57.6%) で最も多く, けんる状より高い粘稠度 (++以上) を示すものには発情休止期のものが多かった.
  • 平田 和則, 三谷 賢治, 片岡 康, 中澤 宗生, 柏崎 守
    1987 年 40 巻 7 号 p. 498-502
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の正常乳由来ブドウ球菌142株について, KLOOSとSCHLEIFERの分類により同定を行うとともに, アピスタフシステムによる同定成績と比較した.そのうち, 138株について10種類の薬剤に対する感受性を寒天平板希釈法により検討した.
    1) 供試142株は, S. aureus 17株 (12.0%), S. simulans 49株 (34.5%), S. xylosus 30株 (21.1%), S. saprophyticus 13株 (9.2%), S. cohnii 12株 (8.5%), およびS. hominis 10株 (7.0%) に同定された.なお, 11株 (7.7%) は同定不能だった.
    2) アピスタフシステムによる同定の成績と常法によるそれとの一致率は, S. aureusで100%, S. simulansで89.8%およびS. xylosusで60%であり, 全体に対する一致率は55.6%であった.
    3) 供試138株の薬剤感受性では, ペニシリン系薬剤 (PC・G, AB・PCおよびCX), KM, CZおよびST合剤に対してすべて感受性を示した.いっぽう, OTCおよびSMに対しては16株 (11.6%), CTCでは8株 (5.8%), またFMで1株 (0.7%) が耐性であった.
  • 本間 穂積, 石田 秀史, 中林 大, 鶴巻 藤太郎, 神野 一夫, 鍋谷 政広
    1987 年 40 巻 7 号 p. 507-512
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1970年から1985年の間に, 新潟県内で68例の牛白血病の発生がみられ, これら症例について臨床および病理学的検討を行い, 以下の成績が得られた.
    発生68例中, 検索対象牛は43例で, その内訳は成牛型31例, 胸腺型7例, 子牛型3例, 皮膚型1例, および脾腫所見を特徴とした例 (脾型) が1例であった.
    臨床所見では, 各型ともに一般症状の悪化がみられた.成牛型では直腸検査により骨盤腔内に腫瘤が高率に触知された.胸腺型では胸前部の腫脹が, 子牛型では体表リンパ節の両側性腫脹がみられた.皮膚型では皮膚の著名な腫瘤形成が認められ, 脾型では特徴的な所見を欠いていた.
    病理所見では, 成牛型は消化器系, 泌尿器系, 生殖器系臓器およびその付属リンパ節ならびに周囲結合織に腫瘤形成を伴う腫瘍病変が高率にみられた.胸腺型では胸腺, 肝臓, 脾臓, 骨髄およびリンパ節などに腫瘍性病変が認められた.また, 子牛型においても同様な変化が認められたが, 胸腺に腫瘍性病変はみられなかった.皮膚型では, 皮膚の腫瘍性変化以外, 他の臓器に変化は認められなかった.脾型では, 脾臓および胸腔の一部リンパ節に腫瘍性病変がみられた.
    BLV抗体は, 成牛型の検索例全例および脾型に陽性が認められた.
  • 中村 孝次, 盛田 淳三, 花松 憲光, 苫米地 正康, 佐々木 誠, 斎藤 俊逸, 新屋敷 信八郎, 内海 喜八郎, 相馬 寛生, 鳥谷部 ...
    1987 年 40 巻 7 号 p. 513-518
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1985年12月23日から1986年1月27日にかけて, 青森県東津軽郡平内町の5軒のめん羊専用飼育農家において, サフォーク種の分娩めん羊30腹37頭中, 21腹26頭に異常産子や死産が発生した.すなわち, 異常産子6頭にほぼ共通して, 四肢関節・球節部の彎曲や屈曲, 脊柱のS字状彎曲, 大脳内水頭症, 大脳のグリア結節, 躯幹筋線維の変性と蛇行等の所見が認められ, アカバネウイルスの感染を疑い, 同居成雌めん羊21頭と異常産子4頭について血清学的検査を実施したところ, アカバネウイルス中和抗体が, 成雌めん羊21頭中19頭に8~256倍, 初乳摂取産子3頭では16~32倍, 未摂取産子1頭では64倍の範囲で認められた.以上の結果から, めん羊に発生した異常産子や死産はアカバネ病であることが判明した.
    疫学調査では, 青森県においては1984年までにアカバネ病の発生はなかったが, 県下の牛で1985年9月下旬以降, 県内各地で抗体陽転が認められたことから, 今回, アカバネ病の発生があっためん羊群へのウイルス侵入時期は, 1985年9月ごろと推定された.また, 発生めん羊群は, 7月下旬から8月下旬に交配されていることから, 胎子日齢が20~50日前後に感染したものと推定された.
    なお, 9月上旬以降交配された成雌めん羊46頭には異常産の発生はなかった.
  • 平澤 博一, 佐藤 良彦, 両角 吉三, 両角 徹雄, 中川 適夫, 太田 俊明, 田中 けい子, 長田 宣夫, 高田 俊也
    1987 年 40 巻 7 号 p. 519-522
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    K市郊外の肥育豚農家が, 1985年11月11日に市外の2農家から約60日齢の豚をそれぞれ13頭 (A群), 15頭 (B群) 導入した.11月14日ごろよりA群の13頭が発熱と神経症状を呈し, 18日までに7頭が急死した.重症の2頭を鑑定殺したところ, 細菌学的検査で主要臓器からHaemophilus pamsuisが純粋に分離され, 病理組織学的には化膿性線維素性髄膜炎が認められた.
    以上の成績から, 本症例は化膿性線維素性髄膜炎を主徴としたH.parasuis感染症と診断した.
  • 東 久, 栗田 吾郎, 佐々木 久子, 桧山 充, 渡邊 昭宣, 代田 欣二, 宇根 ユミ, 野村 靖夫
    1987 年 40 巻 7 号 p. 523-525
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    才, 雌, ホルスタイン種の牛に認められた大動脈小体腫瘍は, 心基底部に位置し, 線維性の被膜に包まれていた.大きさは20×15×7cmで, 色調は褐色がかった白色であった.転移病巣は前縦隔リンパ節に認められた.組織学的には, 腫瘍を構成する細胞は紡錘形および多角形で, 結合織線維により不規則小葉状に分画されていた.腫瘍細胞は円形ないし楕円形の核をもち, 細胞形質は弱エオジン好性であった.電顕的には, 腫瘍細胞内に限界膜に包まれた顆粒が認められた.
  • X線撮影装置とその附属用品
    菅沼 常徳
    1987 年 40 巻 7 号 p. 527-533
    発行日: 1987/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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