大分県日田市の2戸の一貫経営養豚場において, 1981年12月から1982年5月にかけて, 新生子豚の剖検例に腎結石が認められた.
1) 新生子豚はM養豚場では, 黄白色水様下痢, 脱水, H養豚場では, 削痩を主徴として, ほとんどのものが1週齢以内に死亡した.
2) 腎結石はM養豚場では14腹27頭中6腹11頭, H養豚場では3腹3頭全例に認められた.結石は黄色微細顆粒状で腎錐体, 腎杯に多量みられ, 腎孟, 膀胱に認められる例もあった.
3) 腎の集合管内には, HE染色で好塩基性から好酸性の物質および変性細胞の脱落がみられた.
4) 結石陽性豚11頭中4頭から
Escmichia coli, 2頭から
Esch Mrichia coliおよび
Streptococcuszooepidemicusが分離された.6頭からのウイルス分離は陰性であった.
5) 3頭の血清中の尿素, 尿酸, クレアチニン, カルシウム, マグネシウム, 無機リンは高い値であった.
6) 6頭の結石は, 尿酸塩の性状に一致した.
抄録全体を表示