日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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39 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 小川 益男
    1986 年 39 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 達郎, 金子 晋, 明石 良信, 下徳辺 昭郎
    1986 年 39 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    感冒様症状を示した軽種馬 (7~22ヵ月齢11頭) に, 獣医師の診察・指示を受けずにタイロシン製剤 (タイロシンプレミックスM22, 武田薬品工業KK) を飼料に混入して与えたところ (11頭のうち5頭は2回投与, 他は1回投与), 1~2日後に食欲不振となり, 2~3日後に激しい下痢を発症し, 若齢馬の4頭が発死した.
    さらに, 成馬3頭にこの残飼を給与したところ, 下痢症状が発現した.
    斃死した3頭について病性鑑定のため家畜保健衛生所において解剖された.解剖の際に共通してみられた所見は, 副腎皮質の充出血, 脾臓濾胞の不明瞭, 心筋の点状出血, 盲腸壁の充血であり, そのうち1頭には肺の班状出血, 脾の梗塞様出血が認められた.
    組織所見上からは, 各臓器の中小動脈の中膜, 内膜, 内弾性板の変性, 浮腫が認められ, 内膜面には結晶様物の沈着が認められた.腸管においては粘膜上皮の変性, 粘膜下織の水腫などがみられたが, 結腸の偽膜性炎症は認められなかった.
    斃死馬 (1頭) の実質臓器, 消化管内容物について, 好気性, 嫌気性培養を行ったが, 病原性を有する細菌は検出されなかった.また, 回復馬の組血清を用いてインフルエンザの抗体を測定したが, 抗体の有意な変化は認められなかった.
    その他, 管理者, 診療にたずさわった獣医師からの聴き取り調査および疫学調査成績からは, タイロシン投与以外の下痢, 発死に至る原因は見出されなかった.
    以上のことから, タイロシン製剤投与による急性下痢と判断されたが, その発現は文献的にテトラサイクリン投与時の下痢と類似していた.
    今後はさらに一層, 自家治療の危険性について啓蒙・指導する必要があると考える.
  • 三阪 和徳, 笠井 出美, 長嶋 和範, 堅木 敬夫, 森田 研美, 藤倉 勉, 最上 義典, 三阪 力
    1986 年 39 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Venae Cavae Syndr 0meに続発した肺水腫の治療に対し, 経皮的胆管ドレナージを輪状気管靱帯より気管支内に挿入し, 酸素を供給する方法を考察し, その効果と安全性を検討した.
    その結果, 従来から行われている治療法と比較しきわめて良好な成績が得られ, また安全性が高いことがわかった.
  • 高桑 一雄
    1986 年 39 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の徐脈は迷走神経性消化不良の特徴的症候とされ, その原因が迷走神経の不可逆的損傷にあるといわれている.徐脈の実態を解明するために11, 082頭のホルスタイン種乳牛の臨床例を調査した.病類ごとの分析に用いた症例は手術または剖検で確認したものに止めた.その結果, 徐脈は特定の疾病に特徴的ではないが, 前胃弛緩症および第四胃便秘にはかなり特徴的に認められた.徐脈と死廃の関係では第四胃便秘, 積の腸カタルおよび盲腸気脹では斃死と直結した.徐脈の原因を迷走神経の不可逆的損傷とのみ結びつけることは困難で, おそらくほかの成因あるいは複合する要因があると思われた.
  • 後藤 新平, 池田 達雄, 西村 盛夫, 大山 順一郎
    1986 年 39 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年6月, 岐阜県内の1酪農家において, 産後1ヵ月経過した6才の搾乳牛1頭に, Haemophilus somnus (H.somnus) 感染症の発生があり, 後弓反張の異常姿勢で意識不明瞭のまま廃用となった.
    脳脊髄液検査では液圧を亢進し, 外観は帯黄赤色で混濁.細胞数, 総蛋白量, 糖量, カルシウム量の増加がみられた.
    血液検査では, 好中球の増加と核の左方移動が認められた.
    病理組織所見では, 脳に出血性髄膜脳炎, 血栓形成, 血管の変性および血管周囲の壊死像がみられ, 脊髄に硬膜・クモ膜下の出血がみられた.
    細菌分離では, 脳・脊髄からH.somuusが分離され, 分離菌株は, アミノベンジルペニシリンおよびオキシテトラサイクリンに対して高い感受性を示した.H.somnus抗体価は, 1, 280倍と高い値を示した.
  • 清宮 幸男, 岩崎 正幸, 金野 慎一郎, 中島 靖之, 菊池 文也, 加藤 英悦, 大池 裕治, 帷子 剛資
    1986 年 39 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1984年6月頃から8月にかけて牛の “ハイエナ病” の発生が, 約1,000頭のホルスタイン種を飼育する岩手県の一農場においてほぼ同月齢の子牛82頭中40頭にみられた. 臨床所見は6ヵ月齢頃より観察され, 後躯に顕著な発育遅延および歩行異常を示していた. 14例について病理および血情学的検査を実施した. 剖検により大腿骨および脛骨の短縮が観察され, 多数例の大腿骨は骨頭の扁平化および骨頭と頸の捻転を伴っていた. 4例の検索ながら上腕骨の短縮および骨頭の扁平化も認められた. 大腿骨, 脛骨および上腕骨の骨端軟骨板は部分的な消失あるいは変形を示した. 同様の病変は2例の検索ながら脊椎骨にもみられた. 骨格筋では後肢筋の発育遅延が顕著であった. 組織学的に四肢長骨および脊椎骨の骨端軟骨板は静止軟骨帯の肥厚, 増殖帯における軟骨細胞の減数および消失ならびに石灰化帯の骨化帯側および骨化帯に骨芽細胞および破骨細胞の増数を示した. 小円形細胞による囲管性細胞浸潤が7例の中枢神経系に, 小円形細胞浸潤が2例の下垂体神経葉および6例の心臓に観察された. 血清学的に5例が牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルス中和抗体を保有していた.
  • 水越 紀子, 桐沢 力雄, 小沼 操, 川上 善三
    1986 年 39 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬パルボウイルス (CPV) 実験感染犬および野外自然感染犬の糞よりCPVを検出する目的で, 逆受身赤血球凝集 (RPHA) 反応の応用を検討した.アフィニティークロマトグラフィーにより精 製した抗CPV家兎血清を感作したグルタルアルデヒド, タンニン酸処理羊赤血球を用いて本反応を実施し, 以下の結果を得た.
    1) 実験感染例では臨床症状の発現とともに, 発症犬の糞中のRPHA価および赤血球凝集 (HA) 価は並行して上昇した. これらの糞からは, 猫肺株化細胞 (FLF-3) 接種によりCPVが分離された.
    2) 野外例でのHA価1: 32以上の糞は, すべてRPHA価も陽性であった.
    3) 対照として, CPV陰性家兎血清を感作した羊赤血球を用いたRPHA法を実施することにより本法の特異性が確認された.
    以上のことからRPHA法はCPV感染を簡易に診断できる特異性の高い方法であることが示唆された.
  • 血液検査の機器
    吉田 仁夫
    1986 年 39 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 本間 惣太, 播谷 亮, 成田 實, 森脇 正, 佐藤 真澄, 谷口 稔明, 門田 耕一, 石野 清之, 末吉 益雄, 富沢 勝, 勝屋 茂 ...
    1986 年 39 巻 1 号 p. 48-57
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/06/17
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