日本獣医師会雑誌
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37 巻, 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 杉江 佶
    1984 年37 巻8 号 p. 493-497
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 萩尾 光美, 大塚 宏光, 小川 博之, 熊谷 丑二
    1984 年37 巻8 号 p. 497-501
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬糸状虫の存在診断のために必要な断層心エコー図の描出方法 (犬の体位, スキャン部位・方向, および画像パターン) について概説した. 犬糸状虫は断層心エコー図上, 高エコーレベルの点状, まれに線状のエコーとして右心血管内に明瞭に描出された. また, リニアスキャンとセクタスキャンの両断層装置を使用し, 犬糸状虫の描出能について比較した結果, 肺動脈領域の虫体描出については, セクタスキャンの方が優れていると考えられた.
  • 早川 徹, 酒井 健夫, 長尾 壮七, 小倉 喜八郎, 矢部 光広, 三好 志郎, 三浦 道三郎, 渡辺 文男
    1984 年37 巻8 号 p. 502-506
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛のケトン症17例および産後起立不能症12例の初診時に, 塩酸チアミン加50%ブドウ糖注射液を頸静脈内に注射して, 負荷直後のインスリン分泌動態から病型分類を試みた.
    ケトン症の例では, 負荷直後のインスリン分泌応答が正常なもの (I型), 負荷直前のインスリン分泌が高かったもの (II型), 負荷直後のインスリン分泌応答が低かったもの (III型) にご分類できた. さらにごI型を, 治療経過の良好なもの (I-1型) と治療に期間を要したもの (I-2型) に分類できた.
    産後起立不能症の例では, 負荷直後のインスリン分泌応答が正常で, 乳熱型症状を呈したもの (I型), 負荷直後のインスリン分泌応答が低く, ダウナー型症状を呈したもの (II型) に分類できた. さらにII型を, 負荷直後のインスリン分泌が低いもの (II-1型) と負荷直後のインスリン値が負荷前にくらべて減少するもの (II-2型) に分類できた.
  • 一条 茂, 高鳥 浩介, 田中 一郎, 稲田 一郎
    1984 年37 巻8 号 p. 506-509
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Trichophyton verrucosum感染牛 (2才, 雌, ホルスタイン種) の飼育に当たった3名の成人 (男性2名, 女性1名) と, 本感染牛と同じ舎内で飼育されていた1才の子馬と子羊の各1例が, 同一真菌に感染した.
    牛白癬菌の人への感染は感染牛との直接接触によるもので, 馬とめん羊への感染は, 飼育人もし, は飼育環境を介しての間接的なものによると推察された.
  • 野中 富士男, 松尾 和夫, 山田 進二
    1984 年37 巻8 号 p. 510-515
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    わが国で分離された産卵低下症候群-1976 (EDs-76) ウイルスKE-80, ME-80, JPA-1およびH-162株の鶏およびアヒル由来細胞ならびに発育卵における増殖性および病原性について検討し, 次のような成績が得られた.
    1) 供試株間における培養細胞および発育卵での増殖性ならびに病原性に差は認められなかった.
    2) 供試株は鶏胚線維芽 (CE), 鶏胚肝 (CEL), 鶏腎 (CK), アヒル胚線維芽 (DE), アヒル胚肝 (DEL) およびアヒル腎 (DK) 細胞でCPEをともない増殖したが. CEL, DELおよびDK細胞で最も良, 増殖した.
    3) CEL, DELおよびDK細胞におけるウイルスの増殖は接種後1日目に認められ, 3日目に最高となり, 7日目まで持続した. HA素は1日目から産生され, 最高に達したのは4~5日目であった.
    4) 供試株は発育鶏およびアヒル卵の尿腔内および卵黄嚢内接種で増殖したが, アヒル卵内でよりよく増殖した.
    5) 供試株は発育鶏およびアヒル卵に病原性を示し, 病変形成と胚の死亡が観察されたが, アヒル卵の方が顕著であった.
    6) 以上の所見から日本で分離されたEDS-76ウイルスは鶏よりアヒル由来の細胞および発育卵で良く増殖し, アヒル胚に強い病原性を示し, アヒル由来ウイルスの可能性が示唆された.
  • 佐野 弘, 梶尾 規一, 小柳 謙司, 山本 明, 溝口 徹, 大村 康治, 水口 博之
    1984 年37 巻8 号 p. 515-518
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年3月, 発熱や嘔吐を主徴とする幼豚の死亡例が発生し, 全身臓器からAotinobacillus suisが純培養的に分離された. これら幼豚2頭を病理学的に検査した. 肉眼的に肝の小白斑, 肺の水腫, 腎の点状出血およびリンパ節辺縁の赤色化が見られた. 病理組織学的検査では, 全身諸臓器の静脈に菌栓塞が認められた. 菌塊を中心にフィブリンの析出および単核円形細胞の浸潤が見られ, さらに菌栓塞の付着部位の血管壁は変性・壊死を呈し, 内膜炎を発生していた.その他, 間質性肺炎, 肝の巣状壊死および髄膜炎などが見られた.
    分離菌株を用いて実験感染を行ったところ, 静脈および筋肉内接種した各1頭の幼豚は接種後15時間以内に死亡し, 組織学的には野外例のそれに類似な菌栓塞病変が認められた.
  • 小林 章二, 伊藤 裕和, 加藤 泰之, 加藤 五光
    1984 年37 巻8 号 p. 518-521
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    リンパ腫症発症ウズラのヘパリン処理血液を, 5羽の17日齢ウズラの腹腔内に接種することにより, 全例の羽毛根部にマレック病 (MD) 特異抗原が検出され, そのうち3例にリンパ腫病変が発現し, 1例の血清にはMD特異抗体も検出された. また, 羽包上皮細胞の核内封入体も全例に認められた. 接種群と同居させたウズラからもMD特異抗原が検出され, 羽包上皮細胞に核内封入体を認めたが, リンパ腫病変は見られなかった. このことから, ウズラのリンパ腫とMDVの関係について考察した.
  • 野田 一臣, 福井 徳麿
    1984 年37 巻8 号 p. 522-525
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1983年3月, 鳥取県下の1養豚場で生後約40日齢の同腹豚2頭が神経症状を呈し, 大脳, 延髄, 関節などからR群レンサ球菌を分離した.
  • 5. 抗寄生虫薬の基礎知識 (その4)
    荒川 皓
    1984 年37 巻8 号 p. 526-528
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 児玉 洋, MOHAMED MOUSTAFA, 石黒 信良, 見上 彪, 伊沢 久夫
    1984 年37 巻8 号 p. 537-543
    発行日: 1984/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    魚類のビブリオ病を起こす3株の強毒ビブリオの培養上清濾液の溶血活性, 蛋白分解酵素活性ならびにニジマスおよびマウス致死活性を調べ, 発病病理の一端の解明を試みた.DEAE-セルロースおよびセファデックスG200クロマトグラフィーを用い, Vibrio anguillarum NCMB 571株およびVibrio sp. N7802株培養上清濾液より分離した材料は, ニジマスとマウスに対し致死活性を示した. NCMB571株培養上清濾液を接種したマスノスケ胚由来株化細胞CHSE-214に細胞変性効果が見られた. V. anguillarum NCMB6株およびNCMB 571株由来材料は, 魚類を含む11種の動物由来赤血球を溶血した. NCMB 571株が産生する溶血素は易熱性であるが, 致死活性物質は熱に対しより抵抗性を示した. また, これらの株はアルカリ域で活性を示す蛋白分解酵素を産生した. これに対して, N 7802株は溶血素ならびに蛋白分解酵素をほとんど産生しなかった. これらの結果は, 魚類由来ビブリオが産生する毒性物質, 溶血素あるいは蛋白分解酵素などの菌体外産物がビブリオ病の病理発生に関与しているごとを示唆する. N 7802株が産生する致死活性物質は溶血素あるいは蛋白分解酵素とは異なると考えられた.
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