日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
74 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 増田 恒幸, 朱 夏希, 黒田 萌黄, 岡田 綾子, 大下 雄三, 増田 康充, 関口 敏
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 7 号 p. 423-426
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
    2017年から牛伝染性リンパ腫(EBL)対策を開始した農場では牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に対する抗体陽性率が3年間の間に11.8%から2.4%まで減少した.当該農場におけるEBL発症抵抗性ウシ主要組織適合抗原クラスⅡDRB3 対立遺伝子であるDRB3*0902 保有率は15.4%であり,調査した県内の乳用牛全体と比較して有意に高かった.2018年から実施した抗体陽性牛と陰性牛の配置換えに加え,高いDRB3*0902 保有率により農場内のBLVの水平感染を防止でき,陽性牛の優先的な更新により抗体陽性率の減少につながったと考えられた.
  • 北村 夕子, 浅井 鉄夫
    原稿種別: 短報
    2021 年 74 巻 7 号 p. 427-431
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
    岐阜県3養蜂場で捕獲された節足動物の蜂病ウイルス保有状況をPCR及びシークエンス法により調査した.その結果,スズメバチ類(n=23)からイスラエル急性麻痺ウイルス(IAPV,87%)及びチヂレバネウイルス(DWV,57%),バッタ類(n=5)からIAPV(40%)が検出された.分子系統解析の結果,これらの節足動物から検出されたウイルス遺伝子は,飼育ミツバチから検出されたものとクラスターを形成した.本研究より,スズメバチ類は蜂病ウイルスを高率に保有し,これらウイルスの伝播に関与する可能性が示唆された.
小動物臨床関連部門
  • 青木 大, 三品 美夏, 川野 紗穂, 渡邊 俊文
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 7 号 p. 433-438
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
    犬の移行上皮癌に対して膀胱全摘出術を実施した64症例について,品種,性別,病理検査結果,治療方法,並びに予後調査を行った.本調査では発症年齢は10.7±2.2歳,雌雄差は雌40症例(62.5%),雄24症例(37.5%)と従来の報告に類似したものであった.品種は雑種,シェットランド・シープドック,ビーグルが好発品種であることが示唆された.予後については膀胱全摘出術64症例の生存期間は5~3,089日,生存期間中央値は205日であった.生存期間についての調査比較では,膀胱壁への浸潤度による差において,粘膜固有層,筋層,並びに漿膜までの浸潤の3群間において有意差を認めた.今回の回顧的調査から,犬の移行上皮癌に対しての膀胱全摘出術は半年以上の生存が期待でき,治療において有用な治療方法の一つになることが示唆された.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
feedback
Top