健康なホルスタイン種の牛を3カ月齢未満例, 3-14ヵ月齢例, 1才以上例の3群に分け, 各群の臓器, 血液およびルーメン液の総B
1濃度と, そのリン酸エステル化率について測定した.
総B
1濃度はいずれの群も心筋, 腎臓, 膵臓, 肝臓および脾臓に高濃度であり, 筋肉においては成牛は幼若牛より低濃度の傾向が認められた.
幼若子牛では大脳のB
1濃度は肝臓内のB
1貯蔵量に, ひいては摂取B
1量に大きく左右される傾向があるものと考えられていた.とくに離乳後の幼若子牛は正常でもルーメン内B1が不足がちであり, その原因はB1摂取量ならびにルーメン内B1合成の低下と関係が深いものと思われた.これらの点から月齢によるB1欠乏症に対する発生誘因が存在することが推測された
リン酸エステル化率は心筋, 横隔膜筋, 骨格筋でとくに高く, また, 血液およびルーメン液でも高値を示したが, いずれの臓器, 血液およびルーメン液にも年齢による差は認められなかった.
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