日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
55 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 芝野 健一, 川村 清市, 袴田 律子
    2002 年 55 巻 10 号 p. 647-651
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    7頭のホルスタイン種乳牛を用いて, 分娩予定20日前から分娩後90日まで, 血清中遊離アミノ酸濃度を観察した. Val, Lue, Ile, Trp, Ala, Tyr, Pro, Asn, Asp, Ornの各アミノ酸は, 産前から低下し, 産後は有意に増加した (タイプ (1)). Gly, Serは, 産前から上昇した (タイプ (2)). Met, Phe, Lys, Arg, Thr, Gluは, 産前から低下したが, 産後は有意な変化はなかった (タイプ (3)). His, Glnは, 分娩翌日から分娩後90日まで引き続き低下した (タイプ (4)). このように分娩前後の各血清中アミノ酸濃度の推移は4つのタイプに分類された. これらの変動は, 糖新生における代謝中間体, 乾物摂取量, 体組織の代謝によって左右されると考えられ, 分娩前後の血清中遊離アミノ酸の測定は, 栄養状態を判定する上で有用な情報と思われた.
  • 関 慶久, 吉間 昌行, 今井 邦俊
    2002 年 55 巻 10 号 p. 652-657
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    RT-PCRによるパラフイン標本からの牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) 遺伝子検出法を検討した. RNA抽出前の細胞溶解法 (前処理) を検討したところ, プロテイナーゼK (PK) とドデシル硫酸ナトリウム (SDS) を組み合わせた前処理法がRNA抽出効率において最も優れ, RT-PCRのBVDV遺伝子の検出感度は, SDS単独処理の1,000倍, 前処理未実施の100~1,000倍であった. 一方, PK単独処理では増幅が得られなかった. 今回検討した3種類のプライマー組の中でVilcekら [17] の報告したプライマー組 (324と326) の検出率が最も高かったが, PCRのサイクル数を35回から45回に増やした場合や2nd PCRの実施によりRT-PCRの検出感度は向上した. 以上の成績から, パラフィン標本からのBVDV遺伝子検出には, PKとSDSで処理後RNAを抽出し, Vilcekらのプライマー組を用いて45サイクルのRT-PCRを行う方法が実用的と思われた.
  • 本川 正人, 清宮 幸男, 八重樫 岳司, 恒光 裕
    2002 年 55 巻 10 号 p. 658-660
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    岩手県におけるイバラキウイルスの浸潤状況を明らかにする目的で, 中和試験による血清学的調査を実施した. 同県中央地域のA農場において1999年7月には36頭中12頭, 2001年6月には49頭中10頭の牛血清から中和抗体が検出された. 1999~2001年に得られた県内44市町村230農場1, 519頭中, 同県中央地域の3町村5農場10頭が抗体を保有していた. いずれの抗体保有牛も1998年9月10日以前に出生していた. A農場で1999年と2001年の両年に同一牛から血清が得られた26頭中16頭に抗体陽転は認められなかった. 他の10頭は両年とも抗体陽性であり, それらの幾何平均抗体価は1999年には45.3であり, 2001年には7.1であった. 以上の成績より, 1999年7月以前に岩手県の牛に本ウイルスが感染したことが示唆され, 東北地方への本ウイルスの浸潤が初めて確認された.
  • 飯塚 綾子, 岡 あかね, 赤沼 保, 有田 章一, 樋口 明宏, 佐々木 真也, 青野 逸志, 塩谷 治彦, 林 正紘, 小木曽 正和, ...
    2002 年 55 巻 10 号 p. 661-672
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 福井 大祐, 村田 浩一, 坂東 元, 小菅 正夫, 山口 雅紀
    2002 年 55 巻 10 号 p. 673-678
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    輸入されたロシア産野生キンメフクロウ (Aegolius funereus) の成鳥3羽に3種の血液原虫 (Haemoproteus sp., Leucocytozoon sp., Trypanosoma sp.) の混合感染を認めた. 室内検疫施設から野外飼育施設へ移動した後, 元気・飛翔力低下などの臨床症状を呈した. 1例は死亡したが, 2例でスルファドキシン・ピリメタミン合剤による治療を行ったところ, 症状の回復が認められた. 投薬効果はHaemoproteus sp. とLeucocytozoon sp. の両者に対して認められたが, 後者は投薬終了後も残存し, またTrypanosoma sp. には無効であった. 野生動物保護管理の面から, 輸入鳥類保有の血液原虫は移入病原体として検疫上十分に留意する必要がある.
  • 山岡 新生, 橋本 志津, 古川 修治, 三枝 早苗, 山村 穂積
    2002 年 55 巻 10 号 p. 679-682
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    発咳, そして左前肢挙上を主訴として17歳, 雄のシーズー犬が来院した. 患犬は僧帽弁閉鎖不全症の病歴があった. X線検査では左肺前葉部に単一で孤立性の不透過性集塊陰影像, 超音波検査では実質性の腫瘤が描出された. 同所見より肺腫瘍と判断し, 左肺前葉摘出と 肺門リンパ節の郭清手術を行った. この腫瘍は病理組織学的に, 肺腺癌と診断された. また, 組織学的にリンパ節への転移が認められた. この腫瘍は形態や発生部位から原発性肺腺癌と考えられた. 本症例に対してはカルボプラチンおよび硫酸ビンブラスチンを併用した化学療法を実施した. 初回の投与後に軽度の白血球減少が認められたため, 投与予定を7日延期した. その後はプロトコールに従って投与した. 術後3カ月目から進行性の後躯麻痺が出現し, MRI検査により, 第12胸椎椎体部に腫瘍の転移を疑わせる所見が得られた. プレドニゾロンの投与により後躯麻痺は一時的に改善が見られ, ふらつきながらも歩行が可能となった. 呼吸器症状などの悪化はなく経過は良好であったが, 体力の低下により術後6ヵ月半で死亡した. 高齢でステージもかなり進行した肺腺癌の症例に対し, 積極的に治療を行った結果QOLを十分に改善したものと推測された. また, 併用化学療法の有効性が示唆された.
  • 木村 明吉, 前原 誠一郎, 杉山 晶彦, 出井 孝幸, 島田 敏之, 千葉 みゆき, 小山 雅彦, 大舘 ひとみ, 牧野 美紀, 中田 聡 ...
    2002 年 55 巻 10 号 p. 683-688
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 伊地知 俊一
    2002 年 55 巻 10 号 p. 690-693
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • BSE対策を例にとって
    門平 睦代
    2002 年 55 巻 10 号 p. 694-698
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top