7頭のホルスタイン種乳牛を用いて, 分娩予定20日前から分娩後90日まで, 血清中遊離アミノ酸濃度を観察した. Val, Lue, Ile, Trp, Ala, Tyr, Pro, Asn, Asp, Ornの各アミノ酸は, 産前から低下し, 産後は有意に増加した (タイプ (1)). Gly, Serは, 産前から上昇した (タイプ (2)). Met, Phe, Lys, Arg, Thr, Gluは, 産前から低下したが, 産後は有意な変化はなかった (タイプ (3)). His, Glnは, 分娩翌日から分娩後90日まで引き続き低下した (タイプ (4)). このように分娩前後の各血清中アミノ酸濃度の推移は4つのタイプに分類された. これらの変動は, 糖新生における代謝中間体, 乾物摂取量, 体組織の代謝によって左右されると考えられ, 分娩前後の血清中遊離アミノ酸の測定は, 栄養状態を判定する上で有用な情報と思われた.
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