某哺育牧場に発生した子牛の肺炎について検討したところ, 主な成績は下記のとおりである.
1. 本病は1976年10月下旬に, 導入してから5ないし20日間を経過した20から40日齢の子牛約40頭に発生し, 11月中旬までに12頭が艶死した.
2.発症牛1例の剖検を行なったところ, 肺胸膜と胸膜のわずかなゆ着がみられ, 肺では左右の尖葉, 心葉, 中間葉のほとんどと横隔葉の一部に褐色の肝変化病巣がみとめられ, さらに尖葉, 中間葉に粟粒大の化膿巣が散発していた.
3.肺の病変部より,
P. haemolyticaが10
5個/g,
P. multocidaが10
4個/9, Ureaplasmaが10
4CCU/g, Mycoplasmaが10
3CCU/gの菌量でそれぞれ分離された.
4.分離
P.kaemolyticaは, アラビノース, キシロース, ラクトース, マンノース, サリシン, トレハロースを分解し, 4℃保存で35日間以上生存し, ペニシリソに耐性を示した.
5.分離
P.haemolyticaは, チオフェエコール, クロールテトラサイクリン, テトラサイクリン, ク鷲ラムフユニコール, ロリスチン, ジハイドロオキシメチルフラトリジン, ポリミキシソBにきわめて感受性であった.
終わりにあたり多大のご協力を賜わった. 千葉県東部家畜保健衛生所の諸氏に深く謝意を表します. また貴重なご助言を賜わった農林省家畜衛生試験場北海道支場の橋本和典室長および乾純夫室長に厚くお礼申しあげます.
抄録全体を表示