牛へのビタミンE (V.E), ビタミンA (V.A) の適切な投与法を知るため, 子牛と乳牛 (分娩4-12日前) にV.A: V.Eを200: 1とした配合のV.AD
3Eを経口投与し, 血清と赤血球のトコフェロール (Toc) 値, 血清V.A値, および初乳と新生子牛血清のTocとV.Aの変化を検討した.
子牛へのV.E投与は, 1,000IU (約121U/kg) 投与では血清と赤血球Tco値は軽微に増加し, 2, 5001U (約25IU/kg) 投与では投与後8-72時間にわたるToc値の有意な増加を示した.V.A投与は, 200,000IU (約2, 040IU/kg) 投与で血清V.Aが軽度に増加し, 500,000IU (約5, 102IU/kg) 投与では投与後2-48時間にわたる有意なV.A値の増加がみられた.
乳牛へのV.E投与は, 12, 500IU (約22IU/kg) 投与では血清と赤血球Toc値は軽微に増加し, 25,000IU (約441U/kg) 投与では投与後4~72時間にわたる血清と赤血球Toc値の明瞭な増加を認あ, また, 分娩直後の初乳と新生子牛の血清Toc値も明瞭に増加した.V.A投与は, 2, 500,0001U (約4, 464IU/kg) と5,000,000IU (約8, 928IU/kg) の両投与群で投与後2~24時間にわたり血清V.Aは増加し, かっ分娩直後の初乳のV.A値も高値を示したが, 新生子牛の血清V.A値は対照牛と差がなかった.
以上の所見から, 牛への酢酸d
l-a-Tcoの経口投与では子牛で25IU/kg以上, 分娩前の乳牛では44IU/kg以上が適切であると判断した.
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