後肢のふらつき, 起立困難, 痛覚消失などの腰痿症状を示したSPF猫6頭について病理組織学的に検索した. 病変は中枢神経に主座し, 脊髄白質では髄鞘の空胞化・膨化がみられ, アストロサイト, マクロファージの反応, 二次的な軸索崩壊などをともなっていた. 病変の分布および程度は, 腰髄, 胸髄で強く, 頸髄では比較的軽度であった. 病変の強さと腰痿症状のそれとは相関していた. 大脳白質では, 脂肪顆粒細胞の囲管性集簇とアストログリオーシスが認められ, 腰痿症状を示さなかった例で強く発現していた.
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