6症例の子牛の腸管外病原性大腸菌(Extraintestinal Pathogenic
Escherichia coli : ExPEC)感染症について報告し,各症例の主要臓器から分離されたExPECについて,PCRによる病原関連遺伝子を検索した.臨床症状としては,起立不能,眼球白濁,呼吸器症状が認められ,病理組織学的所見では,カタル性気管支肺炎,肝臓の多発性巣状壊死,小葉中心性肝細胞壊死,化膿性髄膜炎,播種性血管内凝固が観察された.分離されたExPECは,毒素(
cnf2,
cdt III ),付着因子(F17A,
afa-
8),鉄取込能(
iutA,
fyuA,
irp1,
irp2)に関与する遺伝子を保有していた.これらの遺伝子を保有する大腸菌は,子牛ExPEC感染症に関連する可能性がある.
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