静岡県で1988~1990年の3年間に確認された豚の
Streptococcus suis感染症の発生例について調査し, 分離菌の各種性状を調べた. 3年間に18症例35頭の発生があった. 1988年の症例はすべて髄膜炎例であったが, 1989年に多発性漿膜炎が, 1990年には肺炎, 敗血症および心内膜炎例もみられた. 漿膜炎は哺乳豚に, 肺炎, 敗血症および心内膜炎は肥育豚にみられた. 分離した
S. suisの血清型別は36株中27株が2型であり, 残り9株は1および4型であった. 分離菌6株のBALB/cマウスに対する病原性では, 髄膜炎および敗血症由来株で強く, 漿膜炎および肺炎由来株は弱かった. また, 鼻腔および扁桃由来株には病原性はみられなかった. 薬剤感受性試験では, 病巣由来株はペニシリン系抗生物質に高い感受性を示し, KMおよびSMには低い感受性を示した. CTC, OTCおよびTSには耐件株が認あられた.
抄録全体を表示