日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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68 巻, 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 相馬 武久, 今本 成樹, 長谷 隆司, 加藤 玲, 砂川 一浩, 尾原 正和, 玄 学南
    原稿種別: 原著
    2015 年 68 巻 5 号 p. 301-305
    発行日: 2015/05/20
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    日本における臨床上重要な犬の住血原虫であるBabesia gibsoniの感染状況を知るために,組み換えBgTRAP抗原を用いたELISAにより,2014年3~8月に奈良県,兵庫県,和歌山県及び香川県の動物病院に来院した健康な犬1,905頭について血中B. gibsoni抗体検査を実施した.その結果,101例(5.3%)が抗体陽性であった.飼育環境,マダニ駆虫薬投薬の有無,ダニ寄生歴の条件では陽性率に有意差は認められず,完全室内飼育例や駆虫薬を投薬した例であってもそれぞれ5.8%及び3.8%が陽性であった.血液学,生化学検査の結果,貧血傾向,白血球数が高値,アルカリホスファターゼが高値の例で有意に高い陽性率であった(P<0.05).以上の知見はどのような状況や条件の犬でも本原虫の感染リスクがあり,感染例の中には見かけ上健康であっても本原虫の影響を受けている例が少なからず存在していることを示すものである.
  • 渡邊 俊文, 鈴木 健太, 三品 美夏
    原稿種別: 短報
    2015 年 68 巻 5 号 p. 306-310
    発行日: 2015/05/20
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    6カ月齢,未避妊雌,体重1.46kgのパピヨンが持続性尿失禁を主訴に麻布大学附属動物病院を受診した.初診時の尿検査,経膣尿道造影検査より細菌性膀胱炎,尿道括約筋収縮不全,膣・子宮欠損症が疑われた.尿失禁に対し内科的治療を行ったものの,症状の改善が認められなかったため,外陰部からの内視鏡検査と試験開腹を実施した.左右子宮角は膀胱頸部背側に開口し,左右子宮角と合流した尿道は単一の管腔構造として外陰部に開口していた.これら術中の所見より本症例をcommon urogenital sinusと診断した.その後,尿失禁症状改善のため尿道縫縮術を実施したところ,術後より失禁症状の改善を認め,良好な経過を辿っている.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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