Haemphilus equigenitalis (H.eg) の輸送, 保存培地での保存温度が該菌の生存性に及ぼす影響, ならびにストレプトマイシン (ストマイ) 添加が該菌の分離成績に及ぼす影響について検討を加え, つぎの結果を得た.
1)
H.egに最も適した保存温度は-20℃ と4℃ であり, -37℃-20℃ 下において該菌を生存させ得た培地はバートインフユジョン (HI培地), ユーゴン, クックドミート培地であった. CTA, GAMのそれは, 活性炭素を含むアミーズ培地と同程度であり, 前3者についだ. スチュアート, アミーズ, TGC培地は前者に比べ生存性の短かったことから輸送培地として不適であり, 輸送至適培地にはHI培地を推奨する.
2) CEM感染馬の膣浸出液および子宮頸管スワブからの
H.eg分離菌数は, ストマイ無添加ユーゴン培地に比べ, 感染2ヵ月以降になるとストマイ0-200μg/ml添加培地ではほかの細菌の発育が著しく分離不能となり, ストマイ400μg/ml添加培地においてのみ4-6ヵ月にわたって分離できた. このことから, 膣浸出液および子宮頸管由来材料の培養についてはストマイ無添加培地を, 回復馬, 無症状馬の陰核窩由来材料についてはストマイ400μg/ml添加培地が適しているといえる.
3) 自然感染CEM患馬の子宮頸管スワブから分離された
H.egの20株に対するストマイのMICは, 500-600μg/mlで, 300μg/ml以上で発育抑制をみたが, 200μg/mk以下のものはなかった.
抄録全体を表示