日本獣医師会雑誌
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35 巻, 9 号
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  • 産後起立不能を中心として
    本好 茂一
    1982 年 35 巻 9 号 p. 497-503
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • その発生状況
    高橋 貢, 長副 哲也, 武藤 眞, 若尾 義人
    1982 年 35 巻 9 号 p. 504-509
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    イヌにおける尿路結石症の発生状況について検討するため, 横浜市獣医師会, 大阪麻布獣医臨床研究会の協力を得て, 1981年9月より10月までの2ヵ月間に開業獣医師にアンケート調査と尿路結石の送付を依頼し, 結石の化学成分や種々の発生要因の分析を試みた.
    回蚊したアンケートならびに収集した尿路結石は126例 (雌73, 雄50, 不明3) であり, その地域は横浜市79例 (63%) と近畿地方を中心とした1都1道2府11県であった. 品種をみるとマルチーズ28例, 雑種15例, ヨークシャテリア13例, ポメラニアン10例, シーズ8例, ペキニーズおよびダックスフント7例の順であった. 年齢は1-17才と広範囲にわたっていたが, 5-9才までがもっとも多かった. 発症部位を上部尿路と下部尿路とに大別すると, 上部尿路のみは2例と少なく, 大部分は下部尿路であり, 両者の合併は3例であった. 下部尿路のみでは膀胱のみが81例ともっとも多く, 尿道のみ11例, 膀胱と尿道の合併27例であった. 膀胱結石は雌に多く, 尿道結石はほとんど雄にみられた (92%).
    結石の主成分を分析した結果, 燐酸塩が102例 (81%) ともっとも多く, このほかは修酸塩12例, 炭酸塩10例, シスチン2例であった. 燐酸塩の大部分は燐酸マグネシウムアンモニウムと燐酸カルシウムの混合であった. 燐酸塩結石は雌に多く (71%), 逆に蔭酸塩と炭酸塩では90%以上が雄であった. 発生の多くみられた品種の結石は大部分が燐酸塩であったが, ヨークシャテリアでは蔭酸塩, ダルメシアンでは尿酸塩の発生が多かった. 燐酸塩, 尿酸塩, シスチンの発症年齢は6.7, 6.4, 7.0才であったが, 蔭酸塩では9.0才であった. 再発は17例にみられ, このうち16例は燐酸塩結石であった. 再発までの期間は1-24ヵ月であったが, 11例は1年以内に再発がみられた.
  • 山端 輝一, 広池 忠夫, 岩渕 功, 金子 晋, 島田 健次郎
    1982 年 35 巻 9 号 p. 510-515
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年6月から12月までの7ヵ月間にわたって, 豚の疥癬症の野外における発生状況と, その治療試験を実施した.
    野外においては, ブタセンコウヒゼンダニの寄生が高率に確認された. 一般的症状は皮膚病変とそれに伴う掻痒感が著しかった. 組織学的には皮膚組織標本で虫体の断面が確認され, 寄生性皮膚炎の所見を呈していた. 自然の感染経過を調査したところ, 発症までの期間や症状の程度は豚個々の年齢や栄養状態, 発育状態により異なるが, 一般には状態の不良なものほど寄生も多く出現する傾向であった.
    治療試験は殺ダニ効果が確実で, 皮膚に浸透性のある水溶剤である低毒性有機リン製剤, KWA-905 (主成分ナレド) を使用した結果, 症状の回復, 肥育豚の増体量の増加, 出荷日齢の低下など良好な傾向が認められた.
  • 北川 博章, 佐藤 邦忠, 三宅 勝
    1982 年 35 巻 9 号 p. 516-520,525
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    試験牛は, 昭和53年12月から昭和56年1月にかけて, 十勝管内の農家に繋養されているホルスタイン種乳牛で過去に1~5回の流死産の経歴をもつ16頭である. 持続性黄体ホルモン (ルテウムデポー) を1回110~220mg, 7~10日間隔で投与したところ, 16頭中14頭が分娩した.
    なお, 対照牛と正常に分娩した試験牛の血中P値, 尿中P-diol値に差は認められなかったが, ミイラ変性に終わった1例は他の牛よりも尿中P-diol値が有意に低く (p<0.001), また尿中E1値も妊娠150日, 180日で対照牛よりも著しく低かった.
  • 柴谷 増博, 渡部 太平, 原田 孝則
    1982 年 35 巻 9 号 p. 525-527
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    分娩された直後に死亡した牛について検索の機会を得た. 剖検所見では, 全身のリンパ節の顕著な腫脹が見られ, 組織学的にリンパ様細胞の浸潤が顕著であった. また, リンパ様細胞の浸潤は全身の臓器・組織に認められた. 今回の症例は, 胎児期に病変が形成された白血病性リンパ肉腫症と思考された.
  • 橋本 英, 田形 弘, 秋葉 和温, 竹谷 源太郎, 福永 清二郎, 藤山 繁, 福島 和彦, 濱田 一人, 磯部 尚
    1982 年 35 巻 9 号 p. 528-531
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    この試験は鶏のLeucocytozoon caulleryiの越冬様式を解明するために実施した. 検査対象鶏は1979年の夏を成鶏で過ごし, 1980年2月に森井の方法により, 寒天ゲル内沈降 (AGP) 反応を実施し, 本原虫の抗体保有鶏が散見される4戸の4鶏群から, 無作為に抽出した48羽である. これらの鶏は2月20日に解剖, 血清, 肝, 脾, 腎を採材し, 検査日まで-20℃に保存した. 採血した48羽における抗体陽性率は22.9%であった. シゾントの検出のために各臓器の2-49をガラスホモゲナイザーを用いて食塩液で乳剤とし, 50メッシュの金網で戸過, 試験管内で15分間静置, 沈殿させ, 上清を除去, 沈渣を鏡検した. その結果, シゾントは1羽の脾と別の1羽の肝から, それぞれ1個あて検出した. 前者は75μ 大, 後者は80μ 大の正円形で, いずれも強固な壁を有していた. シゾントの検出された2羽は, いずれも抗体陽性鶏であり, 陽性鶏からのシゾントの検出率は11例中2例で18.2%, 検査対象鶏48例からのそれは4.2%であった.
    本報告は, L.caulkryiの自然感染のない冬季に耐過鶏からシゾントを検出した最初の報告である.
  • 絹田 俊和, 藤本 朝海, 小林 安利
    1982 年 35 巻 9 号 p. 531-535
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1) 江ノ島水族館において飼育されているバンドウイルカ4例, カマイルカ2例の計6例に対し第一胃の内視鏡検査を実施し, 異物4例, 潰瘍1例を検出した.
    2) 異物は生検用鉗子と高周波用半月型スネアーを用い摘出に成功した.
    3) 胃内視鏡が, イルカの第一胃の臨床診断に果たす役割は極めて大きいと思われた.
  • 佐伯 百合夫, 宮本 譲
    1982 年 35 巻 9 号 p. 535-538
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ヨークシャーテリア, 4才, 22kgの雌犬において胎盤部位の退縮不全の異常例を観察した. 患犬は3日前に難産のすえ死胎子2匹を娩出してより, 外陰部よりの出血, 嘔吐, 腹水貯留を示した. 子宮破裂と胎子の腹腔内逸出と診断して開腹手術を行い, 子宮と卵巣さらに浸漬状態の1胎子を摘出して治癒させた. 摘出された子宮は硬度を増し, 壁には大小の腫瘍状隆起物が多発しており, そのうちの大きな1個が穿孔していた. 組織学的には絨毛膜あるいは脱落膜由来と思わわれる細胞が, 子宮筋層におびただしく浸潤しており, 多発性の血栓形成を伴っていた.
  • 35. 補遺および総括
    沢田 実
    1982 年 35 巻 9 号 p. 545-549
    発行日: 1982/09/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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