高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による黄疸獣畜の非抱合 (BL) および抱合ビリルビン (C-BL) 分析を目的として, その分析条件を検討した. BLおよびC-BLは逆相カラムNova-Pak C-18, 検出波長UV450nm, 移動相メタノール: 0.5Mトリス塩酸緩衝液 (65: 35, pH7.5), 流速0.7m
l/minの条件において, 各々7.1分と4.3分に検出された. 本法におけるBLの回収率は血清で86.0%であった. 本分析条件を黄疸と診断された牛, 豚, 馬の血清に応用した. 肉眼的に肝外閉塞性黄疸を疑った症例では, 全例がC-BL優位を, 肝臓が腫大した肝内胆汁うっ滞を疑った症例では, C-BL優位または中間型を示した. また, 肉眼的に肝臓の炎症や変性を認め肝細胞性黄疸を疑った症例では, ほとんどがBL優位を示し, 馬において肝臓で病変を認めず, 体質性高ビリルビン血症を疑った症例では, 全例がBL優位を示した.
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