動物園で肝細胞などに封入体形成を示して急死したタンチョウの肝臓と血液から, 鶏胚あるいはアヒル胚の線維芽細胞およびアヒル胚で核内封入体形成をともなってよく増殖し, 継代可能のウイルスが分離された. 分離ウイルスは, 孔径220nmのメンブラン・フィルターを通過したが100nmのフィルターを通過しなかった. IUDRとエーテルに感受性を示し, 56℃, 10分加熱で不活化され, 鶏とガチョウ赤血球に対する凝集性はなく, ツルヘルペスウイルス (CHV) x/87/79株との交差中和反応により, CHVと同定された. 同じ動物園内の鳥類14種66羽の抗体調査では, 死亡例と同居していたタンチョウ, クロヅル, ナベヅルの各2羽が分離ウイルスに対する中和抗体陽性であった.
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