日本獣医師会雑誌
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51 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 金子 一幸, 川上 静夫, 三好 正一, 虻川 孝秀, 山中 栄, 望月 誠, 吉原 進平
    1998 年 51 巻 4 号 p. 183-186
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    卵巣に嚢腫卵胞を有するホルスタイン種乳牛78頭を発情周期および直腸検査所見から3群に区分し, 各群別の処置により空胎期間の短縮を試みた. 初診日の発情徴候が良好で, 嚢腫卵胞と正常卵胞 (NF) が共存していた39頭 (NF共存群) には無処置で人工授精のみを行った. 初診日に発情徴候がみられず, 嚢腫卵胞と黄体 (CL) が共存していた16頭 (CL共存群) にはジノプロスト (25mg) を投与し, 投与後7日以内に発情が誘起された例には人工授精を行った. 嚢腫卵胞のみが認められた23頭 (卵胞嚢腫群) には, 酢酸フェルチレリン (200μg) 投与後14日にジノプロスト (25mg) を投与し, 発情誘起例に人工授精を行った. NF共存群, CL共存群および卵胞嚢腫群の初診から初回授精までの日数 (平均±SD) は, それぞれ0, 9.3±14.であった. また, 各群の初回授精受胎率は43.6, 43.8, 34.8%であり, 受胎に要した授精回数は1.9±1.1.
  • 阿部 榮, 小川 晃弘, 渡辺 栄次, 矢口 直安, 酒井 淳一, 酒井 健夫
    1998 年 51 巻 4 号 p. 187-189
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1994年10月~1996年7月上場された黒毛和種肥育牛1, 790頭の枝肉を調査したところ, 脂肪壊死牛発生率は18. 5%であったが, 去勢牛 (14. 8%) に比べて雌牛 (20.4%) では高かった (P<0.005). 種雄牛17頭により生産された肥育牛の脂肪壊死牛発生率に差は認められなかったが, 種雄牛5系統別の発生率は, 茂金系21.8%, 田尻系21.1%, 気高系8.6%, 奥城系8. 0%および藤良系0%で, 系統間に有意差 (p<0.005) が認あられ, さらに種雄牛と母方種雄牛の系統の組み合わせにより発生率に差が認あられた (p<0.01). 以上から, 黒毛和種肥育牛の脂肪壊死発生には, 種雄牛の系統が関与していることが示唆された
  • 国分 輝秋, 田原口 智士, 畑野 元子, 高橋 拓男, 岩本 かよ, 増淵 勝夫, 山中 盛正, 佐々木 修, 稲葉 右二
    1998 年 51 巻 4 号 p. 193-196
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    下痢および呼吸器症状を呈して死亡した犬の肺から分離した犬コロナウイルス (CCV) 5821株をさまざまの経路から子犬に接種したが, 下痢症状は認あられず, 糞便中へのウイルス排出もなかった. しかし, 投与経路近くのリンパ組織から高率にウイルスが分離され, 経口経鼻接種された3日齢子犬1例は呼吸器症状を呈して死亡し, 呼吸器を含む多くの臓器からウイルスが分離された. また, 気管内接種された2ヵ月齢子犬の多くでは, 呼吸器症状は認あられなかったが, 肺からウイルスが分離された.
  • 大橋 英二, 宇塚 雄次, 古岡 秀文
    1998 年 51 巻 4 号 p. 197-199
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    頸部腹側の皮膚結節, 軽度の呼吸喘鳴音, 一般状態の悪化を呈した雑種猫 (4歳, 去勢雄) の結節生検を施行し, 生検材料の培養によりCryptococcus neoformansが検出され, 血液がクリプトコックス抗原陽性を示し, 病理組織学的に莢膜を有する円形菌体を含んだ肉芽腫病変が認められた.イトラコナゾールの経口投与を4ヵ月間行ったところ, 皮膚結節はほぼ消失し, 一般状態は回復し, 血液のクリプトコックス抗原も陰転.
  • 戸野倉 雅美, 藤田 桂一, 田村 一朗, 長屋 美千代, 田村 真人, 岡村 優, 安田 真知子, 山村 穂積, 酒井 健夫
    1998 年 51 巻 4 号 p. 200-203
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1週間前から元気消失, 食欲低下および嘔吐を主訴としたビーグル犬 (1歳, 雄) のX線検査で, 針状異物による腸穿孔および腸閉塞が疑われ, 試験的開腹により縫い針の小腸穿孔と紐状異物停滞による腸管のアコーディオン状停滞閉塞を認あた. 患部腸壁の変性・壊死が著しかったことから, 縫い針摘出とともに穿孔・閉塞部病巣を含む小腸約1mを切除した. 術後に持続性下痢あるいは栄養不良をともなう短腸症候群は認められず, 予後は良好であった.
  • 溝辺 牧男, 森川 聖二, 吉田 正紀, 熊元 一徳, 樋口 芳孝, 森下 覚, 神田 泰幸, 瀬口 林
    1998 年 51 巻 4 号 p. 205-209
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1996年4月~1997年3月に牛解体処理工程に12段階のHACCPシステムを適用して衛生管理を実行した. 危害分析後HACCPプランを作成し, CCPにおける危害防止措置に対応する管理基準をモニタリングし, HACCPプランの実行および改善を行うとともに, ドライ方式剥皮工程, 熱湯消毒器, 手指・器具等専用消毒設備などを順次完備した結果, 一般生菌数102/cm2台の枝肉衛生水準を維持できた.
  • 倉林 恵太郎
    1998 年 51 巻 4 号 p. 214
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 池本 英志
    1998 年 51 巻 4 号 p. 219-220
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • Happy K. Shieh
    1998 年 51 巻 4 号 p. 221-223
    発行日: 1998/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1997年3月に, 台湾において口蹄疫 (FMD) が発生し, 各地に広がった. 最初に疑われた事例は1997年3月14日に新竹 (Hsinchu) の養豚場において認められた. 臨床症状, 肉眼的所見と病理組織学所見, ならびにELISA (酵素免疫測定法) とRT-PCR (逆転写酵素を用いたPCR法) による検査結果に基づいて, この症例は3月19にTaiwan Animal Health Research Institute (TAHRI) によりFMDであると確認され, またこのことは3月25日に英国のPirbrightにあるFMDWorld Reference Laboratoryにより再度確認された.
    7月末までに, 台湾における養豚場のおよそ4分の1にあたる合計6, 147ヵ所の養豚場に伝染していた. FMDは淘汰およびワクチン接種という手段により2ヵ月以内に制圧された. 感染した養豚場は, 3月には1, 300ヵ所, 4月には3, 864ヵ所, 5月には975ヵ所, 6月には5ヵ所, 7月には3ヵ所であった. 合計6, 147ヵ所の養豚場における豚の総数は4, 658, 515頭であった. このうち1, 011, 674頭の豚が臨床的徴候を示し, 184, 231頭がこの病気により死亡するに至り, また3, 850, 746頭の豚が, 埋却, 焼却, レンダリングにより処分された. 政府は2, 100万ドースのオイルアジュバント不活化ワクチンを購入した. この量は各豚に2回接種を行い, 乳牛, 山羊, 鹿を含あた他の偶蹄動物に1回接種を行うのに十分なものであった.
    ワクチンの到着までに非常に時間を要したが, 5月初めの時点において, すべての豚に対して少なくとも1回ワクチン接種が行われており, 5月の末頃には, ブースター注射が完了していた. ワクチンが使用される前に, 伝染している養豚場のすべての豚を殺処分するという方法により淘汰する方針が実行された. 全面的なワクチン接種 (blanket vaccination) が行われた後は, 部分的に根絶する方針が採られた. すなわち, 臨床的徴候を示していた豚だけが殺処分された. FMDが発生したことが1997年3月20日に宣言されてから後, 豚の価格は一挙に一直線に下落し, およそ1ヵ月半にわたり価格は当初の4分の1から半分に低迷した. すべての養豚場がワクチンを入手するに至った5月の初めには, 豚の価格は正常な水準に戻った.
  • 1998 年 51 巻 4 号 p. 228
    発行日: 1998年
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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