日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
62 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
日本産業動物獣医学会会誌
  • 岩根 浄子, 深井 克彦, 田島 和彦
    原稿種別: 原著
    2009 年 62 巻 6 号 p. 451-456
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    2005年,栃木県でブルータングウイルス(BTV)が流行した. 牛の抗体調査の結果,1994年の県内初の流行確認以降最も早く広範囲な流行であった. 2001年,2003年,2005年の県内流行BTVにおける血清型特異中和抗原VP2をコードするRNA分節2,内殻コア蛋白VP3をコードするRNA分節3および非構造蛋白質NS3/NS3AをコードするRNA分節10の分子系統樹解析を実施した. その結果,RNA分節3および10の解析から,国内株はアジア・オーストラリア株の一部に近縁で,独立した固有のグループを形成することが判明した. いっぽう,RNA分節2の解析から少なくとも 2001年以降の県内流行は血清型21によるものと確認された. 以上から,元来近隣諸国から侵入したBTVの一部が国内に定着し流行を繰り返している可能性が示唆された.
  • 神吉 武, 小桜 利恵, 岡部 知恵, 坪川 正
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 6 号 p. 457-459
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    牛のワラビ中毒の診断は,造血機能障害による特徴的な血液所見や病理所見に加え,牛がワラビを採食していたかどうかを確認することが不可欠である.今回,下牧後に急死した和牛の症例について,病理所見からワラビ中毒が強く疑われたことから,消化管内に残存するワラビのリブロースビスリン酸カルボキシラーゼ大サブユニット(rbcL)遺伝子の部分塩基配列を解析することによりワラビ採食の証明を試みた.その結果,材料として用いた第一胃,腸内容からPCR産物が増幅され,増幅産物はワラビの相当する遺伝子と高い相同性を示した.また,系統樹解析でもワラビと同一のクラスターに位置した.放牧時の採食行動が不明な牛の消化管内容からワラビを検出できたことから,本法は牛のワラビ中毒の補助診断として有用であった.
  • 三木 渉, 竹花 一成, 草場 信之, 鈴木 貴博, 浅野 雅司, 石川 高明
    原稿種別: 短報
    2009 年 62 巻 6 号 p. 460-463
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    生後17日齢より鼓脹を頻発した黒毛和種の子牛で,内視鏡,経食道超音波検査および食道造影法により血管輪による食道狭窄が診断できた. ヘルニアネットを装着し強制曖気を促し臨床経過を観察したが,嚥下障害を頻発したため70日齢で安楽殺処分した. 剖検で第一胃の著しい膨満が認められた. 左心室より起始した上行大動脈は気管と食道の右側で右大動脈弓に移行していた. この右大動脈弓は腕頭動脈と右鎖骨下動脈を分岐したのち,食道と気管の背位を左走し,左鎖骨下動脈を分岐して左下行大動脈に移行していた. 左鎖骨下動脈起始部には左大動脈弓と肺動脈を結合する左動脈管索が存在していた. 右大動脈弓,左動脈管索および肺動脈は心底とともに食道と気管を完全に取り囲む血管輪を形成し,血管輪によって食道は圧迫され,狭窄していた.
  • 芝原 友幸, 東山崎 達生, 及川 俊徳, 関口 美香, 野口 浩和, 小川 秀治, 稲見 健司
    原稿種別: 資料
    2009 年 62 巻 6 号 p. 464-467
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
日本小動物獣医学会会誌
日本獣医公衆衛生学会会誌
  • 福士 秀人, 井上 和幸, 西藤 琳, 大屋 賢司, 指原 信廣, 山口 剛士, 平井 克哉
    原稿種別: 原著
    2009 年 62 巻 6 号 p. 481-484
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    マヨネーズおよびその原材料中におけるコクシエラ菌の生残性を検討した. コクシエラの感染性はマヨネーズ中で時間経過とともに減少し,室温1週間では100分の1以下になった. マヨネーズの構成成分のうち酢酸では0.5%から 2%,1週間では感染性に変化はなかった. 卵白では感染性が減少する傾向がみられた. また,64 ℃7分間の加熱ではリン酸緩衝生理食塩水中で10分の1,卵黄中では100分の1に感染性が減少した. これらの結果からマヨネーズないし構成成分にコクシエラが混入したとしても,予想される汚染菌量や通常の流通過程を考慮すると,製造後7日以内に感染性が消失すると考えられる.
feedback
Top