日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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ISSN-L : 0446-6454
63 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
日本産業動物獣医学会誌
日本小動物獣医学会誌
  • 長村 徹, 齋藤 弥代子, 並河 和彦, 落合 秀治
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 7 号 p. 531-537
    発行日: 2010/07/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    中/内耳障害を疑った5頭の犬に聴性脳幹誘発反応(BAER)検査を行った. 伝音難聴や内耳性感音難聴,後迷路性難聴に一致する所見が得られ,各種臨床所見と合わせてそれぞれ中耳炎,内耳炎,脳幹障害の併発を特定することができた. 本検査は軽度鎮静下あるいは覚醒下で実施可能であるため,麻酔が困難な症例や,治療評価のための繰り返しの検査が必要な症例に大変有用であった.聴覚経路の異常を疑う犬において,BAER検査は難聴の診断のみならず中/内耳疾患の診断補助や治療の指標として有用性が高いことが示唆された.
  • 勢籏 剛, 若月 章, 増渕 勝夫, 高橋 拓男, 国分 輝秋
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 7 号 p. 538-542
    発行日: 2010/07/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    国内の呼吸器病罹患犬119頭について,PCR法により犬アデノウイルス2型(CAV-2),犬パラインフルエンザウイルス(CPIV),Bordetella bronchiseptica(Bb),犬ジステンパーウイルス(CDV),犬ヘルペスウイルス,犬呼吸器コロナウイルス(CRCoV)遺伝子の検出を試みた. 1種類の病原体遺伝子が検出された47頭のうち,Bbが15頭と最も多く,次いでCRCoV,CPIVの順に検出された. 複数の病原体遺伝子が検出された16頭についても,Bb とCPIV,CRCoVの検出率が高かった. これらの結果からBbとCPIV,CRCoVが単独または複合して犬呼吸器感染症(ケンネルコフ)の発生に関与することが示唆された. また,CAV-2とCPIV,CDVの検出率は,ワクチン未接種犬に比べ接種犬で低い傾向にあり,その効果が示唆された.
  • 森田 泰典, 森田 佳子
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 7 号 p. 543-547
    発行日: 2010/07/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    免疫介在性溶血性貧血(IMHA)と診断した9例の犬を供試して,血漿中のα1-酸性糖蛋白(α1-AG)値およびC-反応性蛋白(CRP)値を経時的に測定し,その予後判定の有用性について検討した. α1-AG 値およびCRP値はプレドニゾロン等の免疫抑制剤投与により回復した6症例では速やかに低下し基準値に復した. 予後不良であった3症例では,CRP値は測定値に一定の方向性が認められなかったが,α1-AG値は治療後においても低下が認められなかった. これら成績から犬のIMHAの予後判定には,治療後のα1-AG値の変化が有用であると示唆された.
日本獣医公衆衛生学会誌
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