南九州地域で飼育されている犬および猫における
Campylobacter npsalirnsisの保菌状況を把握する目的で, 犬95頭, 猫14頭の糞便を採取した.細菌学的および分子生物学的検査の結果, ラセン菌は供試した109頭中51頭 (犬45頭, 47.4%;猫6頭, 42.9%) から分離された.このうち,
C.npsalirnsisは犬27頭 (28.4%), 猫3頭 (21.4%) から分離された.分離菌株はRAPD-PCRによっていくつかの異なる遺伝子型を示した.ラセン菌の分離率は3歳未満の犬で有意に高かったが, 下痢発症, 飼育形態, 性別との問に関連性は認められなかった.分離した
Cnpsalirnsisは供試した抗菌剤10剤に対しておおむね感受性であったが, ナリジクス酸とノルフロキサシンに耐性を示す株が1株認められた.以上の結果から, 南九州地域の犬と猫にはヒトの下痢起因菌である
Cnpsalirnsisが広く浸潤していることが確認された.
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