日本獣医師会雑誌
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45 巻, 10 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 犬のC-反応性蛋白を中心に
    藤瀬 浩
    1992 年 45 巻 10 号 p. 731-737
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 大沼 裕, 近藤 博, 斎野 仁, 田口 雅持, 大野 明, 松田 敬司
    1992 年 45 巻 10 号 p. 738-741
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1990年2月, 北海道石狩管内の養豚場で, 1腹の生後2-3日齢の新生豚13頭に血便を呈し衰弱, 急死する疾病が発生した. 病性鑑定を実施した10頭の剖検では小腸の充出血が著しく, 病理組織検査では小腸の粘膜組織の壊死と出血が認められた. 腸管内からの毒素の証明はマウス接種により行い, C. perfringens A型抗毒素血清では中和されない毒素が認あられた. 細菌検査では小腸からC. perfringensが108-109/g分離され, 抗毒素血清による型別を行った結果C型菌と判定された. これらの成績からC. Perfringens C型菌による壊死性腸炎と診断した. 発生した新生豚の母豚からはC.perfringens C型菌は分離されず, 同居の繁殖豚4頭中1頭の糞便からC型菌が分離された.
  • 平 詔亨, JATUPORN SMITANON, 枦山 正弘, 浦 重義
    1992 年 45 巻 10 号 p. 742-746
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛由来の乳頭糞線虫 (姫路株, 1988; SPL) を, 実験小動物によって継代するための基礎試験を行った. まず, 予備試験としてSPLに感受性を示す実験小動物の種類を確認するため, 5種類の実験小動物に感染子虫10,000-100,000を暴露した. その結果, 糞便内へのSPL卵の排泄および成虫の寄生は家兎にのみ認められたが, マウス, スナネズミ, ラットおよびモルモットは陰性であった.
    次に, SPL感染に及ぼすデキサメサゾン (DEXA) の投与効果を検討するため, DEXAの投与量を異にした4群の家兎に感染子虫50,000-100,000を暴露した. 糞便内への虫卵排泄はすべての感染家兎に認められ, 13/18頭 (72%) が感染後12-29日に死亡した.死亡家兎は著しく体重が減少し, 衰弱死の経過をとった. 感染の程度は家兎による個体差が大であり, DEXAの効果を明らかにすることはできなかった. SPL感染後, 糞便内に少数個のコクシジウムのオーシストが検出された.
  • 井手口 秀夫, 松田 道幸, 平 詔亨, 西立野 誉, 西 慎二郎
    1992 年 45 巻 10 号 p. 747-751
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    宮崎県下において原因不明の突然死 (ポックリ病) が発生したY農場において, 1986年6-11月まで2週間隔で寄生虫の調査を行った. 調査牛は同年3-6月に導入された新生子牛で導入時期が異なる4群計20頭であった. 検査は新鮮便を用いたマックマスタ-法による簡易法を行った. 乳頭糞線虫 (SPL) 卵は20/20例 (感染率100%) から検出された. この虫卵は群単位で飼育開始後2週より検出され, その後約4-6週にEPG値のピ-クを認めた. EPG値10,000に達する例が多数みられたが, 虫卵は秋季に消失した. コクシジウムのオ-シストは19/20例 (感染率95%) から検出されたが, OPG値は5,000以下の例が多かった. 鞭虫卵は少数例に散見され, その最高EPG値は800にすぎなかった.
    牛群の中で最もSPLのEPG値が高かった2頭が死亡した. 11月の死亡例はポックリ病と思われたが, 12月の死亡例は衰弱死であった. 全体としてみるとSPLの濃厚感染時期は例年の当農場におけるポックリ病の発生時期とほぼ一致したことから, 乳頭糞線虫濃厚感染と牛の死亡との関連が示唆された. 今回, ポックリ病発生農場における経時的な寄生虫学的調査結果により, オガクズ牛舎における乳用雄子牛飼育群の寄生虫の感染状況を初めて明らかにした.
  • 福安 嗣昭, 天田 順久, 斎藤 慶子, 芦田 浄美
    1992 年 45 巻 10 号 p. 752-756
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    11県40養豚場の母豚402頭および肥育豚1, 041頭の豚血清について, Pasteurella multocida莢膜抗原に対する抗体を間接赤血球凝集反応により測定した. 母豚および肥育豚のA型抗体陽性率は各々84.8%および52.9%であったが, D型のそれは11.9%および10.8%であった. 県別にみると, 母豚および肥育豚のA型抗体陽性豚は全ての県に分布していたが, D型抗体は母豚では4県, 肥育豚では1県で全例陰性であった. さらに, 養豚場別にみると, A型およびD型抗体陽性豚は母豚で各々96.2%および50.0%, 肥育豚では各々96.3%および63.0%の養豚場にみられた. A型およびD型に対する抗体陽性率および抗体価はともに月齢が進むに伴い高い値を示す傾向にあった.
  • 中尾 継幸, 吉川 若枝, 川本 真知子, 上村 俊一, 浜名 克己
    1992 年 45 巻 10 号 p. 757-760
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    先天異常子牛と甲状腺の関係を検討した. 先天異常子牛を器官系統別に9群に分類し, 甲状腺の重量, 体重比, 肉眼的所見, 組織学的所見について比較したが, 各群間に大きな差はなかった. しかし, 血中サイロキシン (T4) 濃度では虚弱, 発育不良の両群が正常群をはじめ他のいくつかの群に対し有意な低値を示した. また, 血中T4濃度が低値を示した症例は群に関係なく, 虚弱や重度の発育遅延を示す子牛であった. このことから, 先天異常子牛の虚弱や発育遅延は血中T4の低値と深く関連し, 人のクレチン症のような疾患が牛にも存在することが示された.
  • 松永 敏幸, 鎌田 信一, 柿市 徳英, 内田 和夫
    1992 年 45 巻 10 号 p. 761-765
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1988年11月から1989年5月の間に全国の66牧場で発生した臨床型牛乳房炎から分離したグラム陰性菌72株を同定し, 薬剤感受性とβ-lactamase産生性を調べた. その結果, 腸内細菌科31株とブドウ糖非発酵性菌41株に分類された. 腸内細菌科は7属12菌種に同定され, Esherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter agglomeransが半数以上を占めた. ブドウ糖非発酵性菌は7属15菌種と2グル-プに同定され, Acinetobacter lwoffi, Pseudomonas putida, Pseudomonas fluorescens, Alcaligenes faecalis, Moraxella urethralisで約半数が占められた.
    β-lactamase産生率は腸内細菌科で80.6%, ブドウ糖非発酵性菌で68.3%と高率であった. 薬剤感受性とβ-lactamase産生性との間には高率相関が認められ, AmpicillinとBenzylpenicillinの抗菌力はβ-lactamaseの影響を強く受けた.
  • 1992 年 45 巻 10 号 p. 766-773
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 小林 正紀
    1992 年 45 巻 10 号 p. 775-778
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    てんかん様発作を繰り返しているパグ, 雌, 5歳の治療経過観察のため脳波を記録した. その間に10Hz, 10secの間歇的光刺激による賦活を試みたところ後頭部優位に出現すべき光駆動反応が右後頭部には認められなかった. また, 数回の反復刺激により約5秒間持続する光けいれん反応と思われる異常波が誘発された.
    臨床上健康な対照犬では8-10Hz, 10secの刺激で後頭部優位に光駆動反応が認められたが, 反復刺激による異常波の誘発は認められなかった.
    光刺激による異常脳波の賦活は潜在的に発作性疾患を有する犬の診断および治療効果の判断に有効な場合があると考えられる.
  • 小川 高, 鈴木 順二, 小川 俊男
    1992 年 45 巻 10 号 p. 779-782
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    生後2.5カ月齢時頃よりたびたび消化器症状を呈し, 10カ月齢時よりGPTおよびALPの著増, 黄疸などの肝不全症状がみられ, 加療観察していた犬が1歳齢に達し高アンモニア血症と並行して神経学的異常を発現した. アミノ酸療法などによる治療に反応がみられなかったため脾静脈よりの門脈造影検査で門脈大静脈短絡を確認, 外科的修復術を実施した. 短絡は肝外性門脈後大静脈短絡でシャント血管の完全結紮によっても門脈圧の著増はみられなかった. 手術は前腸間膜静脈より短絡路を経て後大静脈内に至るカテーテルを留置し, これを触知して確認しながら操作することで容易に行うことができた.術後, 症状は画期的に改善され, アンモニア負荷試験でも血中アンモニア値の著増はみられず良好な術後経過が示された.
  • 1992 年 45 巻 10 号 p. 783-789
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 舩渡川 圭次, 井上 智, 羽石 博行, 針谷 光二
    1992 年 45 巻 10 号 p. 792-795
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    培養時間のことなるListeria monocytogenesを浮遊させた生乳, 無菌乳, 無菌脱脂乳およびリン酸緩衝液について, 60℃ 加熱処理時の90%死滅時間 (Decimal Reduction Time; D値) を加熱生菌数の変化からもとめた. 歯の増殖時期が対数期にあるものよりも生残期, 停止期にあるほうがD値は大きく, また, 生乳よりも無菌乳に於いて大きな値であった. 加熱前に, 48℃, 1時間の予備加熱を行った場合でも無菌乳の方が大きな値となったが, 生乳を予備加熱した場合のD値の増加は無菌乳の場合よりも大きな値であった.
  • 村川 泰司, 内布 洋一, 時吉 幸男, 藤川 英雄, 種子野 章, 山田 進二, 江藤 正信
    1992 年 45 巻 10 号 p. 796-798
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    野外でのワクチン接種後の免疫持続調査ならびに1986-1989年に収集した福岡市の飼育犬942例および宮崎・熊本両県の抑留犬149例の血清について, 狂犬病ウイルスに対する中和抗体価の測定を実施した.
    狂犬病組織培養不活化ワクチン接種後の免疫持続は1カ月目で中和抗体の幾何平均値が137.2, 6カ月目で59.3および12カ月目で26.0倍を示し, 全例が12カ月間, 4倍あるいはそれ以上の抗体価を持続保有していた. 中和抗体価分布の幾何平均値は飼育犬で18.4倍および抑留犬で6.0倍で有意差を認めた. 飼育犬と抑留犬の中和抗体価4倍あるいはそれ以上のものは, それぞれ62.4%および31.5%を示し, これらの比率でも有意差を認めた.
  • 1992 年 45 巻 10 号 p. 799-806
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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