日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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ISSN-L : 0446-6454
77 巻, 10 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 谷 章禎, 喜多川 麻美, 塗木 貴臣
    原稿種別: 原著
    2024 年77 巻10 号 p. e161-e166
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/31
    ジャーナル フリー

    犬はさまざまな中毒物質や異物を誤食することがあり,その対処法の1つとして催吐処置が選択される.催吐処置には本邦ではトラネキサム酸が用いられることが多いが,海外ではアポモルヒネが一般的である.本研究では,トラネキサム酸とアポモルヒネの催吐処置における有用性の比較を目的に回顧的研究を行った.その結果,アポモルヒネ投与群ではトラネキサム酸投与群と比較し,嘔吐率,誤食物の排泄率が有意に高いことが明らかになった.また副作用については,トラネキサム酸群の0.9%で痙攣発作が認められ抗てんかん薬などの投与が必要となったのに対し,アポモルヒネ群では異物排泄後も嘔吐が続く症例が多いことが示され処置後の悪心及び嘔吐の遷延には注意が必要と思われた.以上より,アポモルヒネはトラネキサム酸と同様に,犬の催吐処置において有用な薬剤である可能性が考えられた.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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