高フルクトース食(HFD)誘発高脂血症ラットにおける血清脂質,リポタンパクの変化とこれに対するクリノフィブレート(CF)の影響を検討したHFD2週間飼育で血清の総コレステロール(TC),トリグリセライド(TG),リン脂質(PL)の増加がみられた血清リポタンパクでは高密度リポタンパク(HDL)の亜分画であるHDL
1の増加と低密度リポタンパク(LDL)の減少を認め,HDL
1増加に伴ってHDL中のTC,TG,PLの増加がみられた肝のコレステロール合成はHFD飼育によって増加したCF(50mg/kg)はHFD飼育下に2週間経口投与したCFはHFD飼育によるTC,TG,PLとHDL
1の増加を抑制した肝のコレステロール合成はCF投与でHFD群以上に増加したHFD高脂血症の持続性はHFD4週間後に普通食飼育を5日間行い,1,3,5日後における脂質,リポタンパクの変化を検討したTC,PLとHDL
1は5日後でも高値を示したが,TG増加とLDL減少は1日後でのみ認められた肝のコレステロール合成は普通食飼育1日後で増加がみられ,3日後でも増加傾向を示したCF投与において,HFDによるTC,PLとHDL
1の増加は3,5日後に抑制され,TG増加は1日後より抑制された肝のコレステロール合成はCF投与でHFD群以上の増加を示した以上のように,HFD飼育による血清リポタンパクの変化はHDL
1の増加とLDLの減少であったHFD飼育で増加したTC,PLのほとんどがHDL
1形成に利用されると思われるHFD誘発高脂血症におけるTC,PL,HDL
1増加はTG増加とLDL減少に比較して持続的であることが明らかとなったCFで肝のコレステロール合成がHFD群以上に増加したことから,TC,TGならびにHDL
1増加に対するCFの抑制作用は脂質排泄の促進であることが示唆された.
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