葉緑素はカコチン, キサントフィル等のリポクロムとともに葉緑粒 (Chloroplast) の中に存在する.
葉緑素の藥理的研究は
Bürgi (1925) 等により行われ, 吾國でも富寺, 小堺, 細川, 中村, 杉林, 赤城, 染川, 田北等の組織および臓器に對する作用の研究がある.
臨牀的には
Rolett (1930),
Gordonoff及び
Ludwig (1935),
Bügi (1937),
Gruskin (1940),
Smith及び
Livingsten (1943), Smith及びSano (1944), Bomrs (1947), 害國では吉岡 (1947), 今尾 (1948) により創傷治癒に効果あることが報告されている.
歯科では原, 多田 (1948) によリヴアンサン氏口内炎, 歯槽膿漏等に効果あることが報告されている.
抗菌性に關しては,
L.W.Smith (1944), 相澤 (1947) による報告がある、それによるとStreptococcushaemolyticusが最大で1 : 1600, Streptococcus mastitidisでは1 : 200, Streptococcus aureus (寺島) では1 : 100, Bact. coli, Pseudomomas pyocyaneusで1ま1 : 50にて發育阻止を示したといつている.しかし廣く各種細菌に對する作用についての詳細な報告には未だ接しない.ここで著者は葉緑素の抗菌スペクトルに關し各種細菌に對する作用を發育阻止濃度のみならず殺菌濃度更にこれによる形態的變化をも加味して試験管内で統一的に實験し, つぎのような結果を得た.
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