日本薬理学雑誌
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101 巻 , 1 号
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  • 川崎 博巳, 高崎 浩一朗
    1993 年 101 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    Rat mesenteric resistance blood vessels are innervated by nonadrenergic, noncholinergic (NANC) vasodilator nerves. In vitro pharmacological, biological and immunohistochemical studies have provided evidence that the calcitonin gene related peptide (CGRP), a 37 amino acid peptide translated by the calcitonin gene, has a potent vasodilator effect and acts as a vasodilator neurotransmitter for NANC vasodilator nerves. The CGRP-containing vasodilator nerves inhibit adrenergic nerve-mediated vasoconstriction through direct relaxation of vascular smooth muscle, while adrenergic nerves suppress the neurotransmission of CGRP-containing nerves by inhibiting CGRP release from the nerve. Thus, CGRP-containing nerves and adrenergic nerves control vascular tone with reciprocal interferrences. In in vivo studies, spinal cord (T9-12) stimulation of pithed rats produced a NANC depressor response mediated by endogenous CGRP, suggesting that CGRP-containing nerves are regulated by the central nervous system. The malfunction of CGRP-containing vasodilator nerves may be involved in cardiovascular diseases such as essential hypertension, coronal vasospasm, cerebral vasospasm and Renaud's phenomenon. It is suggested that the CGRP-containing vasodilator nerves play an important role in the regulation of vascular tone.
  • 小谷 直也, 芳賀 慶一郎, 瀬戸口 通英
    1993 年 101 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    選択的なセロトニン3受容体拮抗薬であるY-25130のラット胃運動に及ぼす影響を検討した.胃運動は,新たに開発した胃運動自動解析システムで(1)motility index(MI:運動指数),(2)amplitude(AM:収縮力),(3)frequency(FR:収縮頻度)の3つの成分に分けて解析した。Y-25130は1μg/kg以上の静脈内投与でMIおよびAMを亢進した.5-HT3受容体拮抗作用を示すondansetronおよびメトクロプラミドでも同様の作用が認められたが,Y-25130に比べて弱かった.シスプラチンの10mg/kgの静脈内投与はMIおよびAMを抑制し,Y-25130は1μg/kg以上でシスプラチンによって抑制されたMIおよびAMを回復させた.それらの作用はondansetronとほぼ同等であり,メトクロプラミドに比べて強かった.Y-25130で認められた胃運動亢進作用はアトロピン処置および迷走神経切除によって消失し,capsaicinの前処置はY-25130の亢進作用を抑制した.また,迷走神経の求心性電気刺激によって誘発された胃の収縮はY-25130で増強されたが,遠心性刺激によって誘発された収縮は影響されなかった.以上のように,Y-25130は胃自動運動を亢進させ,シスプラチンで抑制された胃運動を回復させた.その胃運動亢進作用は迷走神経を介するものであり,作用点は迷走神経求心性線維に存在するセロトニン3受容体であることが推察された.
  • 伊東 史顕, 小松 良充, 田屋 二三江, 伊佐治 正幸, 小島 正三, 百瀬 泰紀, 須澤 東夫, 宮田 廣志, 芝崎 泰平
    1993 年 101 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    実験的アレルギー性結膜炎モルモットを用い,tranilast点眼液の効果を検討した.薬効評価は涙液への蛍光色素ウラニンの漏出量,涙液中ヒスタミン量および結膜の組織学的検討にて行った.受動感作モルモットの眼に抗原液を滴下すると,眼瞼の腫脹および涙液中の色素量,ヒスタミン量の増加が認められた.tranilastは結膜の浮腫および炎症性細胞浸潤に対して抑制効果を示した.また,用量依存的に0.5%以上の濃度で涙液中の色素量の抗原による増加を抑制した.0.5%diphenhydramineも色素漏出を抑制した.0.5%tranilastの涙液中色素漏出およびヒスタミン遊離の抑制作用は,点眼後6時間まで持続した.以上の結果より,tranilastは0.5%以上の濃度で点眼液として,アレルギー性結膜炎に有効であり,持続性も期待できることが考えられる.
  • 川影 美千代, 石原 直美, 唐沢 啓, 加瀬 広
    1993 年 101 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    KW-3635のフロセミドの利尿作用に対する影響をラットを用いて検討した.一晩絶食したラットに生理食塩水(2.5ml/100g)を負荷して,6時間尿を採取し,尿量,Na+,K+およびトロンボキサンB2(TxB2)排泄量を測定した.フロセミド(10mg/kg,p.o.),KW-3635(3,10,30mg/kg,p.o.)またはBM-13505(3,10,30mg/kg,p.o.)の単独投与では,尿量,Na+,K+排泄量には変化が認められなかった.フロセミドとKW-3635(10,30mg/kg)またはBM-13505(10,30mg/kg)の併用投与群で,薬物未処置群および単独投与群より,有意な尿量の増加を認めた.尿中TxB2排泄量は各群間に有意差は認められなかった.以上の結果から,トロンボキサンA2(TxA2)受容体拮抗薬であるKW-3635またはBM-13505はフロセミドの利尿作用を増強させることが明らかになった.フロセミドの利尿作用発現に際して,腎でのTxA2産生がその利尿作用に影響している可能性が示唆される.
  • 渡辺 正比古, 蟹谷 昌尚, 小林 勇二郎, 滝 昌之, 峰松 澄穂, 前村 俊一, 藤井 祐一, 尾山 力, 武田 克之
    1993 年 101 巻 1 号 p. 39-51
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    ツムラ柴苓湯(以下TJ-114)は最近ネフローゼ症候群や糖質副腎皮質ホルモン剤(以下ステロイド剤)の副作用を軽減する目的で用いられている.我々はステロイド剤を大量投与した時ステロイド剤による死亡率の改善を示唆する結果を得ていた.そこでステロイド剤大量長期投与ラットを用いて,TJ-114併用の影響を検討した.TJ-114を併用することによりステロイド剤による体重減少が有意に抑制され,さらに生存率がステロイド剤単独投与群では50%であるのに比して,TJ-114併用群では0.5g/kg併用群で83%に増加し,1および2g/kg併用群では死亡例を認めなかった.次にステロイド剤を減量し,末梢血の血液検査と白血球百分比におよぼす影響を経時的に検討した.ステロイド剤の投与により白血球数は減少し,TJ-114はこの減少を抑制できなかった.しかし白血球百分比では,ステロイド剤によるリンパ球の減少をTJ-114は有意に抑制した.さらにステロイド性糖尿と考えられる血漿中インスリン濃度の増加を,TJ-114は有意に抑制した.またステロイド剤の主要標的臓器である胸腺・脾臓・副腎は,ステロイド剤の投与総量に比例して萎縮し,重量も著しく減少した.これに対しTJ-114は胸腺・副腎での重量減少を有意に抑制した.また組織学的にも,TJ-114の併用で胸腺皮質のリンパ球変性とリンパ球消失,脾臓の髄外造血と白脾髄の萎縮,副腎束状帯の萎縮が有意に改善された.以上の結果よりステロイド剤にTJ-114を併用することで,ステロイド剤の副作用を軽減できる可能性が示唆された.
  • 尾形 圭五, 篠原 光子, 井上 博明, 宮田 敏生, 吉岡 三四, 大浦 清
    1993 年 101 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    オプソニン化ザイモザン(OPZ)を用いて,ラットマクロファージ(Mφ)の貪食能に及ぼす局所麻酔薬の影響を検討した.貪食能の測定は,Mφ とOPZ,および局所麻酔薬を混和したサンプルを振盪しながら37°C30分のインキュベート後,ギムザ染色スライドを作成して鏡検し,貪食しているMφの個数を対照と比較することにより行った.対照は局所麻酔薬無添加のものを用いた.局所麻酔薬は,塩酸リドカイン,塩酸プリロカイン,塩酸メピバカイン,塩酸プロカイン,塩酸テトラカインの5種類を用いた.塩酸テトラカインを除くいずれの局所麻酔薬も,5×10-5~5×10-2Mの範囲でMφの貪食能を濃度依存的に抑制した.塩酸テトラカインは5×10-5~5×10-3Mの範囲で同様の抑制を示したが,5×10-2M濃度ではMφを融解した.また,貪食能の抑制は細胞外液のpHに依存し,かつ可逆的であった.5種類の薬物の貪食抑制を比較すると塩酸テトラカインが最も強く,塩酸プロカインが最も弱かった.アミド型の薬物はこれらの中間の抑制を示したが,3種類の薬物間では差は見られなかった.これらのことから,局所麻酔薬は臨床使用濃度,あるいはそれ以下の濃度でもMφの貪食能を抑制し,生体防御機能を低下させることにより,術後感染の原因の一つとなる可能性のあることが示唆された.
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