日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
74 巻, 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 五味 保男, 小松 英忠
    1978 年 74 巻 5 号 p. 539-548
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    シロネズミ摘出気管切片標本の収縮反応を等張的に記録することによって,cocaineのacetylcholine増強作用の機作を解析し,下記の結果をえた.1)Cocaineは,標本のacetylcholineに対する感受性を増大させたが,最大反応は増大させなかった.2)Cocaineのacetylcholine増強作用は,5分間処置で最大効果の70%に達した.3)Cocaineのcholinesterase阻害作用の増感作用に対する寄与は考え難い.4)Cocaineがacetylcholine受容体の薬物親和性を増大する可能性も否定できる.5)Cocaineのacetylcholine増強作用は,低calcium条件下でいちぢるしい.6)Cocaineは40mM-K Locke-Ringer液中でのcalcium収縮の最大反応を僅かに増大させたが,60mM-および100mM-K Locke-Ringer液中ではむしろ最大反応を抑制し,いずれの条件下でもcalciumに対する脱分極標本の感受性を高めることはなかった.7)CocaineはCa-free Tyrode液中でのacetylckoline反応を増強したが,最大反応を増大することはなかった.8)Cocaineは,Ca-storeのcalcium保持能を変えずに,枯渇したCa-storeへのcalcium取りこみ速度を増大きせた.9)Cocaineは,Ca-free Tyrode液に曝した標本のCa-storeからのcalcium effluxを変化させなかった.以上の結果から,シロネズミ摘出気管におけるcocaineのacetylcholine増強作用の作用点は,acetylcholne受容体で発生した刺激がCa-storeに伝えられ,calcium rcleaseが惹起されるまでの機構のいずれかにあることが示唆された.
  • 前川 寛, 山本 順之祐, 加藤 淑子, 関谷 淳
    1978 年 74 巻 5 号 p. 549-558
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたsulfonylurea誘導体(SU誘導体)であるgliclazide(GC)の心臓作用について,tolbutamide(TB)と比較しながら種々の検討を試み,次の結果を得た.1)家兎に対する両SU誘導体の血糖降下作用を比較した.GCはTBより強い血糖降下作用を示した.2)家兎,ラットに両SU誘導体を1~50mg/kgの範囲で静注し血圧と心拍数の変化を測定した.血圧では一過性のdose-dependentな上昇が見られ,心拍数では大量投与で抑制された.3)家兎,ラット,モルモット摘出心房標本の運動張力および律動数に対する両SU誘導体の影響を検討した.両SU誘導体はこれらの摘出心房の収縮張力を増強させた.律動数は低濃度で変化が見られず,高濃度で抑制きれた.4)家兎摘出心房標本における両SU誘導体のpositive inotropic actionに対するpropranololおよびtheophyllineの影響を調べた.両薬物による有意な影響は認められなかった.5)家兎,モルモット摘出心房標本におけるisoproterenolのpositive inotropic actionに対する,両SU誘導体の影響を調べた.SU誘導体による有意な影響は認められなかった.6)家兎摘出潅流心臓標本における両SU誘導体の冠血流量と,心収縮張力におよぼす影響を検討した.冠血流量はわずかではあるが有意に減少し,心収縮張力は増強された.以上の結果より,両SU誘導体は家兎,ラット,モルモット摘出心房に対してpositive intropic actionを示し,それらはcyclic AMP systemを介するものでも,adrenergic mechanismによるものでもないと考えられる.また,家兎摘出潅流心臓標本における両SU誘導体による冠状血管の収縮と,positive inotropic actionによる酸素消費量の増加との関連から,SU誘導体が心筋の虚血状態を招く可能性も考えられるが,著者らの実験は摘出心における急性心臓作用について行なったものであるので,直ちにこの結果を臨床的に問題となっているSU誘導体の心臓毒性に結びつけるにはいたらないと考えられる.
  • 玉木 元, 斉藤 顕一
    1978 年 74 巻 5 号 p. 559-571
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Timepidium bromide(TB)のin vivoにおける各種平滑筋運動ならびに分泌機能に対する作用をhyoscine-N-butylbromide(HB)およびatropine sulfate(Atr)の作用と比較した.イヌにおいて上部消化管および胆嚢,膀胱の運動を同時記録し,自動運動ならびにbethanechol持続注入による運動亢進に対するTBの抑制作用を検討した結果,消化管運動に対してはHBより強く,Atrに匹敵する活性を認めた.胆嚢に対するTBの抑制作用はHBおよびAtrと同等であったが,いずれの薬物も消化管における活性より弱かった.膀胱においては,各薬物ともに自動運動に較べてbethanechol刺激に対する抑制が明らかに強く,この際TBは自動運動に対してHB,Atrより弱い一過性の抑制傾向を示すのみであったが,bethanechol刺激に対してはHBおよびAtrと同程度の活性であった.これら平滑筋に対するTBの作用持続は膀胱自動運動を除いてAtrより短いが,HBより長かった.一方,ネコの迷走神経刺激による胆嚢収縮ならびに血圧降下に対しても,TBはAtrより弱いが,HBと同等の抑制を示した.また,ラットのmethacholineによる子宮収縮をTBはHBより強く抑制し,同時に観察した降圧反応に対する抑制はHBと同程度であり,Atrはいずれに対しても最も強い卸制を示した.他方,イヌのbethanechol持続注入による胃酸分泌亢進に対して,TBはHBより強く,かつ持続の長い抑制作用を示した.同様な抑制作用がラットのcarbacholによる胃酸分泌および幽門結紮ラットの胃液,胃酸分泌においても認められた.しかしpilocarpine刺激によるラットの唾液分泌に対するTBの抑制作用はHBとほぼ等しかった.Atrはこれらの分泌を非常に強く抑制した.他方,ラットの胆汁および膵液の分泌に対してTBは影響を与えなかった.マウスの経口投与におけるTBの散瞳作用はAtr,HBに較べて弱く,持続も短かった.
  • 宮田 健, 高浜 和夫, Abul HASANAT, 池上 幸三郎, 岩崎 一生, 岡野 善郎, 加瀬 佳年
    1978 年 74 巻 5 号 p. 573-588
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    N-AB 365(4-amino-α-[(tert.-butylamino)methyl]-3, 5-dichlorobcnzylalcohol kydrochloride)の気管支拡張作用および関連した薬理作用を検討し,以下の結論を得た.1)N-AB 365は単独(10-8g/ml)でモルモット摘出気管筋を緩解させた.この作用はβ2受容器興奮作用および一部はpapaverine様作用による.作用強度はisoproterenol,salbutamolのそれぞれ1/8,1/4に相当しclorprenalineとほぼ同程度であった.2)モルモット摘出気管筋において比較的強い抗Ba作用を有する.作用強度はisoproterenolの1/10,salbutamolの3/4であった.抗His,抗ACh作用はほとんどなかった.3)Konzett-Rössler法においてHis,AChおよび5-HTによって惹起した気管支筋痙攣性収縮を緩解した.静注での作用強度はclorprenalincよりやや強く,isoprotcrenol,salbutamolに比べるとはるかに弱いが,作用持続は極めて長く,isoprotcrenol,salbutamolの10倍以上長く持続した.一方,経口投与ではisoproterenol,salbutamolよりはるかに強く確実な効果が得られた.4)正常モルモットにACh,Hisを,感作モルモットにantigenを噴霧して起こした喘息様症状を消失させた.作用は吸入ではisoproterenol,salbutamolに比べて弱いが,皮下,経口では逆に強く,特に経口ではisoproterenolの90~560倍,salbutamolの40~90倍の効力であった.5)気管支拡張作用をあらわす量(ED100)ではウサギの気道分泌,ハトの気管繊毛運動に影響を与えないが大量では繊毛運動を促進させ,気道分泌を抑制した.大量では鎮咳作用も認められた.6)呼吸には殆んど影響を与えず,緩和で持続する降圧作用をあらわした.心臓に対しては一定の作用を示さず,増量しても著明な作用はなかった.7)マウスにおける毒怪はisoproterenol,salbutamolに比べて強いが気管支拡張薬としての安全域は大きい.
  • 福田 保, 片岡 美紀子, 山口 東, 谷沢 久之
    1978 年 74 巻 5 号 p. 589-595
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    濃度および組成の異なる数種のアミノ酸輸液について,ラットを用い,注入速度と致死量の関係を検討し,つぎの結果を得た.1)3.0,7.4,9.1,12.0%アミノ酸および5%ソルビトール加9.1%アミノ酸の各輸液を持続注入した場合,注入速度と致死量との間に1つの相関があり,非常に速い注入速度および遅い注入速度に心停止量が増加する範囲と,両範囲の中間に比較的に一定した最小の心停止量を示す範囲をもつ注入曲線が得られた.2)注入曲線より得られた最小の心停止量を示す範囲内から全被検輸液に共通した注入速度を求めると20~40ml/kg/minであり,この注入速度を用いて急性毒性試験を行なったところ,それぞれのアミノ酸輸液について安定したLD50値が求められた.3)各輸液のLD50値は,輸液の晶質浸透圧の増加にともなって小さくなった.以上の成績に考察を加え,注入速度の変化とともに輸液の浸透圧の変化がアミノ酸輸液の致死量を決定する大きな因子になると考えた.
  • 植木 昭和, 渡辺 繁紀, 藤原 道弘, 山本 経之, 荒木 博陽, 大森 健守
    1978 年 74 巻 5 号 p. 597-614
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    マウス,ラット,ウサギを用い,triazolamの行動薬理学的作用ならびに脳波作用について,diazepamの作用と比較検討した.1)中隔野破壊ラットの情動過多,嗅球摘出ラットの情動過多ならびにmuricideに対するtriazolamの抑制作用は,diazepamより4~5倍強力であった.2)長期隔離マウスの闘争行動に対する抑制作用はdiazepamとほぼ同程度の強さであったが,triazolamの作用は持続がはるかに長く,また筋弛緩も著明であった.3)マウスの最大電撃けいれんに対するtriazolamの防止作用はdiazepamの1/10の強さであったが,pentetraozlけいれん防止作用は逆にdiazepamより約4倍強力であった.4)マウスのinclined screen法によって検討したtriazolamの筋弛緩作用はdiazepamの約34倍も強力であった.5)マウスのrotarod法による協調運動抑制作用もtriazolamの方がdiazopamより約17倍強力であった.6)慢性電極を脳内各部に植込んだ無麻酔ウサギの脳波を測定し,triazolalm O.2~0.5mg/kgを静注すると,行動上ウサギは鎮静および筋弛緩を示し,脳波は徐波成分が増加して傾眠パターンとなる.またbenzodiazepinesに特有な低電圧速波が徐波に重なって出現した.同時に音刺激および中脳網様体,後部視床下部の電気刺激による脳波覚醒反応は著明に抑制きれ,また海馬あるいは扁桃核刺激による大脳辺縁系後発射も著明に抑制された.triazolamの脳波作用は質的にはdiazepamと同様であるが,それよりも4~5倍強力と考えられる.以上triazolamの作用は質的にはdiazepamに類似するが,全般的にdiazepamより強力であり,持続が長い.作用プロフィルからみると,馴化作用,抗pentetrazolけいれん作用,脳波作用はdiazepamの4~5倍程度の強きであるが,筋弛緩作用は30倍以上も強力な点が特徴と考えられる.
  • 五味田 裕, 五味田 裕子, 中胡 初美, 片岡 泰文, 植木 昭和
    1978 年 74 巻 5 号 p. 615-628
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラットを用いて4種類の条件行動に対するtriazolamの作用をdiazopamのそれと比較した.(1)Shuttle box法におけるラットの条件回避反応はtriazolamおよびdiazepamの大量によって抑制され,その作用のED50はtriazolam 28.2(14.1~56.4),diazepam 46.0(30.1~70.4)mg/kg,p.o.であった.しかし両薬物とも回避反応を抑制する用量では逃避反応まで抑制されることが多く,neurolepticsの作用とは異なる.(2)Step-down法によるラットの受動的条件回避反応は,triazolamおよびdiazepamの40mg/kg,p.o.の大量投与でも影響を受けなかった.Chlorpromazineはこの回避反応を明らかに抑制した.(3)外側視床下部に慢性電極を植込んだラットの脳内自己刺激行動(self-stimulation behavior)のうち,低電流通電によるlow rate responseはtriazolam 2mg/kg,p.o.投与で著明に増加し,その作用は40mg/kg,p.o.の大量でも認められたが,80mg/kg以上の過大量では逆に抑制された.Diazepamも同様に2~10mg/kg,p.o.の用量でlow rate responseの著明な増加をおこし,80mg/kgでは逆にこれを抑制した.この作用はtriazolamのそれとほぼ同程度である.高電流通電によるhigh rate responseはtriazolamの160mg/kgの大量ではじめて抑制され,この作用もdiazepamとほぼ同程度であった.(4)Skinner boxにおけるミルク取りのレバー押し反応に床電撃を組合わせて設定したラットのconflict実験において,triazolamは1mg/kg,p.o.の投与で罰期における反応を増加させ,この作用は用量増加に伴って一層著明となった.Dlazepamは15mg/kg, p.o.以上の投与で安全期における反応を抑制し,罰期における反応の増加をおこした.以上ラットの条件行動に対するtriazolamの作用は,質的にはziazepamに類似するが,特に抗confict作用がdiazepamより約10倍強力である点が特徴である.
  • 平林 牧三, 飯塚 正博, 田所 作太郎
    1978 年 74 巻 5 号 p. 629-639
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    小動物の自発運動活性に対する薬物効果は,行動薬理学における基本的情報の一つと考えられ,多数の測定装置が開発されてきたが,それぞれ一長一短がある.そのため観察目的に合致した測定方法を選ぷことが必要である.われわれは多数例の実験結果から,正確かつ能率的に薬物の急性効果を把握することを目的として,安価,堅牢,簡便かつ清潔なマウス用自発運動測定装置を考案自作し,応用例として,d-amphetamine(1.25~5mg/kg),methamphctamine(1~4mg/kg),cocaine(10~40mg/kg)およびmorphine(5~20mg/kg)投与時の急性効果を検討した.さらに代表的な装置としてAnimexを選び,本器によって得られた成績とも比較し,自作装置の正確性,機能上の特徴,あるいは応用範囲等につき考察した.本装置の製作は簡単なため多数のセットによる多数例の同時実験が可能である.装置の本体は直径25cm正円形底面を持つ市販のプラスチック製洗面器二個を重ね合わせ,内側容器をactivity cageとし,中心に3cmの釘で支柱を作り,外側容器の中心に接着した金属性の穴にゆるやかにはめこんだものである.マウスの位置移動に従って生じた容器のわずかな傾斜が,外側容器辺縁に等間隔に固定した3個のマイクロスイッチを次々に押しこれによって電磁カウンターが作動することを原理としている.使用薬物はすべて著明な自発運動促進をひきおこし,その程度と効果持続は用量依存的であった.投与経路の差(s.c. or i.p.)により,cocaine投与例には著明な自発運動促進パターンの相違が認められた.本測定方法による自発運動活性の変化は,Animexによるそれより正確に各薬物の特徴をあらわしていると考えられた.しかし自発運動抑制をひきおこす薬物の検討には必ずしも適切ではなかった.しかし本方法は多数の利点と有用性を持っており急性効果の検討あるいは学生実習等,応用範囲は広いと思う.
  • 小野寺 憲治, 只野 武, 酒井 兼司, 木皿 憲佐, 小倉 保己
    1978 年 74 巻 5 号 p. 641-648
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    雄ラットを用いてビタミンB1欠乏飼育を行ない飼育経過にともなって情動行動の変化を正常群,pair-fed群と比較検討し,あわせて情動行動と関連性が示唆されている脳内ポリアミン含量,スペルミジン(SPD)およびスペルミン(SPM)についても検討を加えた結果,次のような実験成績が得られた.1)muricide反応はビタミンB1欠乏群で飼育7日目より出現し,経日的に出現率の増加がみられ,飼育14日で20%,飼育21日で47%,飼育28日で61%,飼育30日で78%であり飼育30日までに2例の死亡が同時に観察された.Pair-fed群では飼育14日で1例出現し飼育30日で15%の出現率であった.ビタミンB1欠乏ラットにみられるmuricide反応の特長はかみつく部位が一定しないこと,mouse-killingはするがmouse-eatingまでにはいたらないことである.マウスの死体に対しては取り除くのに激しく抵抗を示したがチョークやクギなどにはかみつくことはしなかった.2)thiamine hydrochloride 1mg/kg i.p.投与のmuricide反応に対する回復効果は欠乏飼育30日および欠乏飼育21日投与においても認められなかった.しかし,飼育21日投与群では投与後1日で55%の出現率であり飼育30日投与群の1日後の100%と比較して有意な低下が認められた.3)情動スコアについてはビタミンB1欠乏ラットにattack responseの上昇が飼育28日で認められた以外著明な反応は認められなかった.4)ビタミンB1欠乏ラットのmuricide反応に際してはマウスに対するlicking,mountingが経日的に減少し飼育末期では著明に低下した.5)脳内ポリアミン含量はビタミンB1欠乏群の飼育30日において正常群,pair-fed群と比較し有意な低下が認められた.また,飼育21日にthiamine hydrochloride 1mg/kg i.p.投与し飼育30日で断頭・定量を行なうとビタミンB1欠乏群のポリアミン含量は正常レベルまで回復した.この時点でのkiller-rat,non-killer-ratのSPD値,SPM値には有意な差は認められなかった.
  • 小野寺 憲治, 木皿 憲佐
    1978 年 74 巻 5 号 p. 649-652
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    雄Wistar系ラットをビタミンB1欠乏食で33日間飼育したところ体重減少を主症状とする成長阻害が認められた.また飼育28日では旋回運動,反弓緊張などの異常行動が観察きれた.飼育20日においてビタミンB1欠乏ラットにpersistent erectionが観察され,このerectionは実験終了まで持続した.persistent crectionの出現率はビタミンB1欠乏群で飼育20日で7%,飼育25日で,30.7%,飼育30日で63.6%であり,飼育33日では100%であった.Thiamine,hydrochloride 1mg/kg s.c.投与により24時間以内に異常行動は消失し,persistent erectionは投与後3日で5例中1例の回復が認められ,投与後7日においては5例中3例の回復が認められた.また,投与後ビタミンB1添加食にきりかえた時には,投与後3日で全例の回復を認めた.
feedback
Top