がん細胞特異的に存在し,全身正常組織に存在しない分子は,分泌タンパク質であれば血清腫瘍マーカーとして,細胞表面タンパク質であれば治療の標的分子として期待される.著者らの研究室では,SAGE法・CAST法を用いて消化管がん,特に胃がんに特異性の高い遺伝子の探索を行っている.SAGE法から同定された胃がんに特異性の高い遺伝子は
REG4,
OLFM4,
MIA,
MMP10,
DKK4 等で,
REG4 遺伝子がコードするReg IV,
OLFM4 遺伝子がコードするオルファクトメジン4(olfactomedin 4)はいずれも分泌タンパク質であり,胃がん診断における高感度血清マーカーである.CAST法から同定された
DSC2 遺伝子は細胞間接着分子デスモコリン2(desmocollin 2)をコードしており,腸型粘液形質を有する胃がんの細胞表面に発現していることから,診断マーカー・治療標的として有用である.
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