日本薬理学雑誌
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73 巻 , 5 号
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  • 水沢 英甫, 永瀬 毅, 藤原 寛, 酒井 賢, 榊原 栄一
    1977 年 73 巻 5 号 p. 517-526
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Sprague-Dawley系雄性ラットにifenprodil 50および200mg/kg/dayを5~30日間連続経口投与し,その期間ifenprodilの薬理作用を検討して次の結果を得た.1)Ifenprodil 200mg/kg/dayの連続投与によりラット体重増加は軽度抑制された.Ifenprodil 50および200mg/kg/day投与によつて,用量に応じた運動量減少,筋弛緩,眼瞼下垂および唾液分泌の症状が発現し,これら症状は連続投与により減弱した.2)Ifenprodil 50および200mg/kg/day p.o.による無麻酔ラットの収縮期圧下降作用は連続投与によって変化しなかったが,降圧に伴う反射性頻脈作用は50mg/kg/day投与群で減弱した.3)30日間投与後のα-chloralose麻酔ラットにおけるifenprodil 2.5~1,000μ9/kg i.v.の降圧作用およびnoradrenaline昇圧作用は各連続投与群間で差は認められず,また,ifenprodil 250μg/kg i.v.のnoradrenaline昇圧抑制作用も連続投与によって変らなかった.4)30日間投与後のラット摘出大動脈標本においてnoradrenaline収縮作用のED50はifenprodil投与群で減少する傾向}こあったが,noradrenaline収縮に対するifenprodilの拮抗程度は連続投与によって変化しなかつた.5)Ifenprodil 50および200mg/kglday投与によって体温は著明に下降し,この体温下降作用は連続投与により減弱した.6)Ifenprodil 50および200mg/kg/day投与により大脳皮質,脳幹部,心臓および大動脈のnoradrcnaline量は用量に応じて減少し,連続投与の間も同様にみられた.また,全脳noradrenalineおよびdopamine量も減少したが,脳serotonin量はifenprodlによって変化しなかった.7)α-Methyl-p-tyrosine処置ラットの摘出視床下部のnoradrenaline取込みはifenprdil 10-6~10-4M処置により20~96%抑制された.8)以上の結果より,ifenprodilを連続投与しても同薬物の降圧作用,α-アドレナリン遮断作用よぴnoradrenaline減少作用は減弱されないことが結論される.
  • 岩田 平太郎, 山本 格, 益川 徹, 小森谷 恵司, 岩木 秀夫, 二宮 一弥
    1977 年 73 巻 5 号 p. 527-539
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    5種のbenzo〔c〕phenanthridine誘導体について,ラット後肢足蹠浮腫法を用いてその抗炎症作用を検討した結果,trans-4b,5,6,10b,11,12-hexahydro-5-methylbenzo〔c〕phenanth-ridine(BPD-I)およびtrans-5-bcnzyl-4b,5,6,10b,11,12-hexahydro-2-methoxybenzo〔c〕phenanthridine(BPD-II)に優れた効果を見い出した.そこでBPD-Iについて,さらに各種実験的炎症に対する作用,ならびにその作用機作について若干の検討を加えた.BPD-Iは経口投与によりcarrageenan浮腫に対しphenylbutazoneと同等の効力を示し,またdextran浮腫に対してはphcnylbutazoncより強い作用が認められた.毛細血管透過性元進に対しては起炎剤としてhistamine,serotoninを用いた場合,BPD-Iはphenylbutazone,indomethacinと同様,強い抑制作用を認めたが,bradykininを起炎剤として用いた場合には抑制作用を示さなかった.またATPを起炎剤として用いた場合には,phenylbutazone,indomethacinは無作用であったが,BPD-Iは強い抑制作用を示した.Carrageenan浮腫抑制作用および毛細血管透過性抑制作用は副腎摘出により大幅に減弱された.CMC pouch法による白血球遊走および蛋臼浸出,croton油肉芽嚢法による肉芽腫および浸出液,さらにcotton pellet法による肉芽腫形成に対してBPD-Iはかなり強い抑制効果を示した.一方,血清corticosterone値は,BPD-Iの急性および慢性投与により有意に増加することが認められた.また,肝tyrosine aminotransferase活性はBPD-Iにより増加を示し,この作用は副腎摘出により消失した.また,この活性増加は血清corticosterone値の上昇よりも遅れて現われた.以上のことから新化合物BPD-Iによる抗炎症作用発現には,副腎からのcorticosterone遊離が関与していることが示された.
  • 荒川 正幸, 近藤 保, 光井 碩樹, 鈴木 成生, 柴元 靖
    1977 年 73 巻 5 号 p. 541-547
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    グリセロールによってひき起される赤血球の溶血とそれにおよぼすフラクトースの阻止効果の機構を研究した.溶血速度の温度変化から溶血過程の活性化エネルギー,活性化エントロピーおよび活姓化自由エネルギーが計算された.得られた計算値から溶血速度の温度変化は液の粘度の温度変化に支配されることがわかった.フラクトースの存在は活性化エネルギーと活性化エントロピーを低下させたが,活性化自由エネルギーはフラクトースの有無に関係なく一定であった.予めグリセロール溶液に浸漬した赤血球は低張のみならず高張の食塩水中でも溶血を起した.このことはグリセロールが赤血球膜の脂質の一部を媒質申に溶出させ,また赤血球膜の脱水和を起すためであると解釈された.フラクトースはグリセロールの脱水和作用を妨害するものと推論された.
  • 上田 元彦, 松田 三郎, 武田 寛
    1977 年 73 巻 5 号 p. 549-556
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Dobutamine(DOB)の静脈内投与によって麻酔イヌの呼吸運動はほとんど影響されなかったが,収縮期圧の上昇と拡張期圧の下降すなわち脈圧の増大が認められた.しかしisoproterenol(Iso)による著明な血圧下降,epinephrine(Epi),norepinephrine(NE),dopamine(DA)による昇圧作用に比較して軽微であり,DOBの血管系に対する作用は弱い.DOBによる心拍数増加作用はDAとほぼ同等であった.各catecholamineの最高投与量時(Iso 3μg/kg, i.v., Epi 10μg/kg, i.v., NE10μg/kg, i.v., DA300μg/kg, i.v., DOB 300μg/kg, i.v.)に見られた心室性不整脈発現例は,それぞれ1/4,4/4,4/4,2/4,1/4例でDOBの不整脈誘発能はEpi,NE,DAに比べて弱いことを示す.DOBを無麻酔犬に連続注入した場合もDOBの単回投与時同様に,収縮期圧の上昇と拡張期圧の下降(脈圧増大)が認められたが,ISOの著明な血圧下降またはDAの昇圧作用に比べて軽度であった.DOB投与によって心拍数増加が見られたが,Isoの作用に比べて軽度であり,IsoおよびDA投与時に見られた不整脈の発現は認められなかった.Isoによる血清遊離脂肪酸(FFA)の増加と血清Na,Kの減少,DAによる血中glucose,FFAの増加が認められたが,DOBはこれらの血液成分に対して有意な変動をおよぼさなかった.これらの実験成績はDOBの心筋収縮力増強作用に対する選択佐を一部裏付けるものと考えられる.
  • 原 幸男, 冨澤 摂夫
    1977 年 73 巻 5 号 p. 557-569
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    抗炎症薬スクリーニング用の肉芽増殖モデルとして,paper disk granuloma(PDG)法を考え,従来のcotton pellet(CP)法と比較し次の結果を得た.1)PDG法による肉芽重量はラットの週令の増大に従って増加し,スクリーニングへの使用には9週令雌性ラットが適当であることがわかった.2)Paper diskの厚さで麟形成が異なり,厚さ1.5mm,直径8mmのものが良好であった.3)CP法では綿球のそう入後1日目から肉芽が採取でき,3日目には重量,蛋白量,核酸 いずれもpeakとなった.4)PDG法では1,日目に肉芽採取はできなかった.しかし,重量,蛋白量は2~3日目に,核酸量は6日目に最高となった.5)PDG法はCP法と類似する肉芽腫法であるが,その形成時期に差があり,特に前者は核酸の増加が遅延する傾向を示した.6)両方法共に,uridincの取り込みは初期に著しく高く,後に減少した.7)Thymidineの取り込みは, CP法では2日目に, PDG法では3日目に最高となったが,取り込み能には差がなかった.8)Fluocinolonc acetonide(FA)の抗肉芽作用を両方法で比較した場合,PDG法のほうが反応性が高かった.9)PDG法を用いて抗炎症薬の予防効果を調べると,そのED50はおのおの, FA 27μ9/kg,phenylbutazone 91mg/kg,3-o-phthaloxy glycyrrhetinate 66mg/kgであり,またsodium.salicylate 300mg/kgも有効であった.治療実験でも各薬物共に有効であった.
  • 佐々木 健一, 斉藤 正明, 川内 広明, 高柳 義一
    1977 年 73 巻 5 号 p. 571-578
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ニホンアカガエル(Rana faponica)の卵から得られたlectin(RJ-lectin)およびウシガエル(Rana faponica)の卵から得られたlectin(RC-lectin)について,マウスのEhrlich固型癌に対する増殖抑制作用を検討した.ddY系雄マウスの右後肢大腿部に106個のEhrlich腹水癌細胞を接種し,lectinは1回投与では1日後,3回投与では1,3,5日後に注射し,10日後の腫瘍重量を調べ,腫瘍増殖の抑制率を求めた.RJ-lectinは10,20および40mg/kgについて検討した結果,ほゞ同量依存的に増殖抑制作用がみられ,1回投与よりも3回投与の抑制作用が強く,皮下注射よりも腹腔内注射の抑制作用が強かった.すなわち,腹腔内への3回投与では,10mglkg×3で35%,20mg/kg×3で56%,40mg/kg×3では69%の腫瘍抑制率を示した.RC-lectinは10あるいは20mg/kgの腹腔内1回投与により増殖抑制作用が認められた.Concanavalin Aにも増殖抑制作用を認めたが,用量および投与方法と作用の強さとの関係がはっきりとしなかった.RJ-lectinの連続投与によりマウスの食作用係数に大きな変動は認められず,網内系(RES)の食作用活性に対する影響はないと思われる.マウスの尾静脈からpontamineskyblueを注射して,RJ-lectinを腹腔内へ投与すると,腹腔内への色素漏出量が増加し,腹腔内血管透過性の充進を示した.Hydrocortisone処理で免疫抑制状態にしたマウスでも,RJ-lectin 1mg/animal投与により腹腔内血管透過性の元進作用が認められた.RJ-lectinは動物由来のlectinとして抗腫瘍性が認められた最初のものである.RJ-lectinがマウスのEhrlich固型癌に対して増殖抑制を示すのは,免疫機構が関与するものではなく,直接に腫瘍細胞に働き,その表面構造に何らかの変化を与えて,細胞毒作用をあらわすことに基づく可能性が強い.
  • 原 幸男, 冨澤 摂夫
    1977 年 73 巻 5 号 p. 579-590
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Paper disk granuloma法を用いてfluocinolone acetonide(FA)の抗肉芽作用の作用機序を調べ次の成績を得た.1)FAの抗肉芽作用は副腎摘出の影響を受けなかった.2)FAは肉芽組織の湿重量と蛋白量:とを同程度減少させた.さらにRNAおよびDNA量を減少させ,またRNA/DNA比を低下させた.3)Leucineの肉芽組織蛋白への取り込みは3日目の肉芽で最大となり以後は減少した.また,FAの投与でこの取り込みは著しく抑制された.4)FA投与でorotic acidの肉芽組織RNA分画への取り込みは顕著に抑制された.5)FAのin vitro添加でuridineの取り込みは抑制されたが,leucineやthymidineの取り込みは抑制されなかった.6)FAはuridineのmicrosome RNAへの取り込みを抑制し,またcytosol RNAへの取り込みを抑制する傾向を示した.7)FAの一回投与でuridineのRNAへの,またleucineの蛋白への取り込みおよびthymidineのDNAへの取り込みは抑制された.8)Puromycin(5mg/kg)の局所投与でleucineの肉芽組織への取り込みは抑制された.9)Puromycinの前処置で,FA投与によるthymidineの取り込み抑制作用は打ち消された.しかし,FA投与後にpuromycinを処置した場合にはFAの作用は打ち消されなかった.これらのことから,FAの抗肉芽作用は核酸合成系に対する抑制作用で一部説明でき,RNA合成阻害によって発揮されることがわかった.また,FAのDNA合成抑制作用は,FAが合成させる特殊蛋白を介して発現することが推定された.
  • 浜田 陽一郎, 佐藤 巌, 伊藤 敬三, 桑原 慎一, 古嶋 靖夫, 能勢 尚志, 金子 和世, 堀 博昭
    1977 年 73 巻 5 号 p. 591-596
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Acebutololのβ遮断作用およびβ1選択性を検討するため,ラットの糖,脂質代謝系ならびにイヌの心筋および肝臓のadenylate cyclase活性におよぼす影響をpropranolo1と比較した.Acebutololはadrenalineによるラット血清中乳酸の上昇を抑制し,β遮断作用を示したが,propranololと比較すると約1/6の強さであった.Adrenalineによるラット血清中グルコースおよび遊離脂肪酸の上昇に対し,accbutololは遊離脂肪酸上昇をより選択的に抑制する傾向を示し,また1-isoproterenolによるイヌ心筋および肝臓のadenylate cyclase活性の上昇に対するacebutololの抑制作用は心筋adenylate cyclase活性により顕著であった.一方,propranololは心筋および肝臓のadenylate cyclase活性の上昇をいずれもacebutololより強く抑制したが,両臓器間に抑制作用の明らかな差は見出せなかった.以上の成績から,acebutololのβ遮断作用はpropranololに比較して弱いが,強い心臓選択性を持つことが示唆された.
  • 斉藤 祐一, 市原 和夫, 安孫子 保
    1977 年 73 巻 5 号 p. 597-603
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Carteolol[5-(3-tert-butylamino-2-hydroxy)propoxy-3, 4-dihydrocarbostyril hydrochloride]の虚血心筋glycogen代謝および高エネルギー燐酸化合物の代謝に対する作用を検討した.実験にはpentobarbitalで麻酔した雌雄雑犬を用いた.虚血心筋は生体位にある心臓の左冠動脈前下枝の細い分枝を結紮することによって作製した.対照群としては生理食塩水,carteolol投与群としてはcarteolol 10または100μg/kgを静脈内に投与したイヌの心臓を用いて行なった実験の成績を次に示す,1)対照群(a)正常心筋:Glycogen,glucosc-6-phosphate(G6P),乳酸の各含量およびphosphorylase活性は心筋内層の方が外層よりも高く,phosphocreatine含量は逆に外層の方が高い値を示した.Adenosine triphosphate(ATP)含量は両層の間に差は認められなかった.(b)虚血心筋:冠動脈を結紮するとその初期にglycogen,phosphocreatineの減少,G6P,乳酸の増加およびphosphorylaseの活性化が認められ,特に心筋内層の変化は著しかった.しかしATP含量には大きな変化が認められなかった.2)Carteolol投与群(a)正常心筋:Carteolol 10または100μg/kg投与によってglycogen,G6Pは減少したが,その他は対照群の正常心筋と同様であった.(b)虚血心筋:冠動脈を結紮しても,その初期にはglycogenの減少は認められず,phosphorylase活性もcarteolol 100μg/kgの投与によって完全に抑制されていた.G6Pは結紮によって対照群よりも軽度ではあるが増加し,乳酸も増加が認められた.冠動脈結紮によってphosphocreatineは減少したが,ATPは大きな変化を示さず,carteolol 100μg/kg投与群で結紮時間が長くなると多少減少する傾向があるのみであった.以上の結果から,carteololの前投与でもまたpropranololと同様に冠動脈結紮によって起こる心筋のglycogen分解およびphosphorylaseの活性化を抑制することが明らかになった.
  • 加瀬 佳年, 薬師寺 隆, 瀬尾 量, 坂田 盛行, 鬼頭 剛, 高浜 和夫, 宮田 健
    1977 年 73 巻 5 号 p. 605-624
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    去疾薬の効力検定法として,古くから多くの方法が試みられているが,いずれも一長一短があり,決定的なものはない.著者は現在のところ,Perry and Boydの方法,すなわち,温湿度一定の空気を呼吸させた動物の気道液をpostural drainageによって採集し,液量の増加から効果を判定する方法が最も適当ではないかと考えて改良を試み,特にウサギを用いる場合の至適実験条件を確立した,すなわち,本法における必須条件である恒温恒湿の空気を供給するため,Engelhornのhumidifierを試作改良した.さらに気管カニューレにも改良を加え,凝縮水の気道液への混入防止に注意を払い,定量的採取に万全を期した.一方,気道液量の時間的および季節的変動,液量におよぼす体温および体重の影響,動物種属差による変動などの基礎的事項について,従来知られていない知見を加えた.次いでこの方法を用い,気道系作用薬の効果をしらべた.1)去疾薬,臨床上汎用されているbromhexineは5mg/kg,p.o.から気道液量の増加がみられたが,有意差はなく,10mg/kgでは作用は最も著明かつその持続も長いが,20mg/kgでは反ってやゝ減弱した.なお,これらの実験に際して,従来知られている液量増加の時間帯より遅れて,さらに著明な増加があらわれることを知った.Emetine(1,5mg/kg,p.o.)も液量を増加させたが有意ではなかった.2)鎮咳薬.Codeine(50mg/kg,i.v.; 20mg/kg,p.o.),dextromethorphan(5mg/kg,i.v.; 50mg/kg,p.o.)では液量は減少傾向を示したが,fominoben(5,10mg/kg,i.v.),eprazinone(5mg/kg,i.v.; 50mg/kg,p.o.)は有意に増加させた.3)気管支拡張薬.Isoproterenol(5μg/kg,i.v.),clorprenahne(500μg/kg,i.v.),C-78(1mg/kg,i.v.)も液量をわずかに減少させた.以上の知見から,本法は気道液量増加を主作用とするような去疾薬のみならず,液量を減少させるような薬物の効力判定の方法としても使用し得ることを示した.
  • 嶋 啓節, 宮川 季士, 桜田 忍, 木皿 憲佐
    1977 年 73 巻 5 号 p. 625-631
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    体性感覚求心路に対するmorphineの効果をネコ歯髄刺激による誘発電位を利用して検討した結果,次の成績が得られた.1)中脳central gray(CG)から短かい潜時で三相性の誘発電位が得られたが,morphineはその振幅を著明に減少させた.2)大脳皮質連合野への中継核であるnucl.lateralis posterior(LP)およびnucl.medialis dorsalis(MD)から潜時の短かいfast compeonentとそれに続くlate componentから成る誘発電位が得られ,morphineはfast componentにはほとんど影響を与えなかったが,late componentの振幅を減少させた.3)視床髄板内核のnucl.centralis lateralis(CL),大脳皮質のpre-central association area(PCA)から長い潜時の誘発電位が得られ,morphineはこれらの振幅を著明に減少させた.4)毛帯路系のnucl.ventralis posteromedialis(VPM)およびsomatic sensory area I(SI)から非常に短かい潜時の誘発電位が得られたが,morphineはこれらに対してほとんど影響を与えなかった.5)morphineによるこれら誘発電位の振幅の減少はすべてnaloxoneにより拮抗された.
  • 鶴見 介登, 野崎 正勝, 中野 万正, 呉 晃一郎, 藤村 一
    1977 年 73 巻 5 号 p. 633-650
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Ketoprofen(以下KPと略す)はindomethacinに匹敵する強力な抗炎症作用を有するが,経口投与では胃粘膜障害作用もまた強いことを先に報告した.そこで投与経路を変えることによってこの副作用を軽減させ,薬効的に増強するかどうかに着目し,主作用である抗炎症作用および鎮痛解熱作用と副作用である胃粘膜障害作用について,KPのNa塩による皮下投与試験を行なった.KP-Naは皮下投与で強力な抗炎症作用を示し,しかも急性炎症よりも亜急性,慢陛炎症反応に対する抑制作用の方が強かった.また酸性化合物としてはKP-Naが比較的強い鎮痛解熱作用を有し,従来の非ステロイド抗炎症薬に優るとも劣らない薬効を有することは,経口投与の場合と同様であった.この皮下投与の場合の効力は,経口投与に比して急性,慢性のいずれの炎症反応に対しても量的に2~3倍強かった.他方胃粘膜障害作用は皮下投与することによって経口投与の場合よりも1/3程度に弱められ,副作用は明らかに減弱された.以上の結果から,KPはNa塩として皮下投与することにより,副作用である胃障害を弱めることができる.その上薬効的には増強されるので,投与量を減らすことができ,さらに副作用は軽減されうることから,投与方法としての皮下投与は充分意味のある方法と思われた.なお先に報告したように,KP-Naの局所刺激作用はほとんどなく,臨床的投与方法として皮下注射薬の利用価値があるものと思われるが,最終的には製剤技術的な面,あるいは皮下投与による亜急性,慢性毒牲試験の結果から判断されるべきであろう.
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