心選択性β-遮断薬celiprololのα-受容体遮断作用を検討した.(1)celiprololの10
-5~10
-4Mは摘出ラット尾動脈におけるα
1-刺激薬phenylephrine収縮に影響せず,α
2-刺激薬UK-14304収縮には競合的に拮抗した(pA
2=4.95).(2)摘出ラット輸精管標本の経壁電気刺激(TS)による単収縮はTTX10-7Mにより殆ど消失した.clonidineはTTX-感受性の収縮を濃度依存性に抑制した,celiprolol 10
-6~3×10
-5Mおよびprazosin 10
-8Mはclonidineの作用に殆ど影響しなかったが,yohimbine 10
-8Mは濃度作用曲線を右に平行移動させた.(3)celiprolol 10
-6~3×10
-5Mは〔
3H〕-norepinephrine負荷輸精管標本からのTSに応ずる
3H-流出を僅かに増加させたが有意ではなかった.yohimbine 10
-7Mは
3H-流出を有意に増加させ,TTX10
-7Mおよびbretylium3×10
-5Mは
3H-流出をほぼ完全に抑制した.(4)propranolol 3mg/kg+prazosin 0.1mg/kg,i.v.処置pithedratにおいて,celiprolol 30,100mg/kg,i.v.およびyohimbine 0.1~1mg/kg,i.v.はclonidineの昇圧作用を抑制した.(5)以上の成績からceliprololはpostsynaptic α
2-遮断作用を有するが,presynaptic α
2-受容体に対しては殆ど作用しないことが示唆される.
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