日本薬理学雑誌
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78 巻 , 4 号
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  • 松本 公一郎, 穐本 晃, 柴田 邦治, 小畠 隆明, 津田 健, 坪島 正巳
    1981 年 78 巻 4 号 p. 231-238
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    ラットおよびハムスターの子宮運動に及ぼす16,16-dimcthyl-trans-Δ2-prostaglandin E1 methyl ester(ONO-802)の影響を検討した.妊娠20日目のラットにおいて,ONO-802 は静脈内 0.2μg/kg,子宮内0.5ng,皮下 1μg/kgおよび経膣 10μg/kg 投与により子宮収縮作用を示した.これらの活性強度はPGF の 100~1,OOO倍に相当した.静脈内投与において,PGE1 および PGE2 はラットの非妊娠と妊娠2および4日目に一過性収縮の後自動収縮の抑制作用を示し,ハムスターの非妊娠では弛緩作用を示したが,ONO-802 はラットおよびハムスターとも非妊娠,妊娠にかかわらず PGF と同様収縮作用を示した.ONO-802 は,ラットにおいて非妊娠および妊娠初期よりも妊娠8日目以降に収縮感受性が増加し,妊娠15~21日目までの収縮閾値量に差はなかったが,oxytocin では妊娠21日目に急激な収縮感受性の増加が認められた.ONO-802 の妊娠ラットでの子宮収縮作用は,indomethacin,atropine,phentolamine および methysergide 前処置によって影響を受けず,papaverine,dibutyryl cyclic AMP,salbutamol および verapamil によって抑制された.以上のことは,ONO-802 の子宮収縮作用が,PGE1,PGE2 またはoxytocin とは異なった作用態度をもち,内因性 PGs を誘導せず,神経系を介しない作用であることを示し,また,細胞外 Ca2+ に依存していることを示唆している.
  • 松本 公一郎, 穐本 晃, 柴田 邦治, 松尾 三郎, 無量林 堯, 酒井 利孝, 津田 健, 坪島 正巳
    1981 年 78 巻 4 号 p. 239-248
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    妊娠ラット,ウサギおよびイヌを用い,子宮,胎盤および卵巣循環に及ぼす 16,16-dimethyl-trans-Δ2-prostaglandin E1 methyl ester(ONO-802)の影響を検討した,胎盤血流量(PBF)および卵巣血流量(OBF)は交叉熱電対法により,子宮動脈血流量(UABF)は電磁血流計により測定し,黄体血管に対する作用は microangiography technique によって観察した.妊娠動物の PBF および UABF は,ONO-802 の子宮収縮作用量の投与によって減少した.PGE1 および PGF でも同様であった.また,PBF に対しては oxytocin および noradrenaline でも検討したが,いずれも子宮収縮作用量の投与によって減少した.頸動脈圧に対しては,ONO-802 および PGE1 はラット,ウサギおよびイヌで下降作用,PGF ではラットおよびイヌで上昇,ウサギでは下降作用が認められた.また,ウサギにおいてはoxytocin で作用なく,noradrenaline では上昇作用が認められた.妊娠ウサギの OBF は,ONO-802 によって減少した.PGE1 および PGF も同様な作用を示した.しかし,oxytocin はほとんど影響がなかった.妊娠ラットの黄体血管に対しては,ONO-802,PGF および noradrenaline よって血管収縮作用が認められたが,流産作用および血漿 progesterone 値の下降は PGF によってのみ認められた.以上の結果は,ONO-802 の子宮,胎盤循環の抑制作用が子宮収縮作用によって強く影響を受けており,ラットの卵巣循環の抑制作用は流産作用や黄体退化作用に結びつかない薬理作用の一つであることを示唆している.
  • 藤村 一, 鶴見 介登, 柳原 雅良, 平松 保造, 田村 洋平, 清水 世安, 北条 雅一, 吉田 洋一, 芹沢 功
    1981 年 78 巻 4 号 p. 249-260
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    Mequitazine(LM-209)の中枢神経系に対する薬理作用を検討し,以下の結果を得た.1)LM-209 5~100mg/kg p.o. 投与はマウス自発運動,マウス協調運動,マウス筋弛緩作用,ラット正常体温,マウスにおける pentylenetetrazol または strychnine 痙攣に対する抑制作用およびマウスの酢酸 stretching 法ならびに Haffner 変法による鎮痛作用に対して明らかな作用は認められなかったが,電気ショック痙攣に対してのみ高用量で抗痙攣作用が認められた.一方,clemastine fumarate(C.L.)は抗痙攣作用(電気ショック)および鎮痛作用(Haffner 変法)において LM-209 よりやや強い効果を示し,chlorpheniramine maleate(C.P.M.)は協調運動,筋弛緩作用,体温および鎮痛作用(Haffner 変法)において LM-209 および C.L. より強い作用が認められ promethazine は協調運動ならびに筋弛緩作用において LM-209,C.L. および C.P.M. より強い作用を示した.2)LM-209 1~25mg/kg p.o. 投与は抗-Parkinson 薬の screening 法としてよく使用される oxotremorine 振顫に対し,抗-histamine 薬の promethazine と同等,抗-Parkinson 薬のdicthazlne および orphenadrine よりも強い抑制作用を示したが,C.L. のそれは LM-209 より遥かに弱いものであった.また,抗アレルギー作用で最大の効果が認められる用量(5mg/kg)における効果持続作用は orphenadrine 20mg/kg とほぼ同等であり, diethazine 25mg/kg より若干強かった.3)LM-209 5~50mg/kg p.o. 投与は hexobarbital 睡眠に対し50mg/kg 投与群のみ対照群に比べて睡眠時間を約50%延長したが,C.L. は 25mg/kg 投与群ですでに睡眠時間を約50%延長し,50mg/kg投与群では約100%延長した.4)LM-209(0.3~5mg/kg i.v.)の投与はウサギにおける自発脳波の徐波化,脳波覚醒反応(音および中脳網様体刺激)および脳波漸増反応の抑制を示した.LM-209 のこれらの作用は promethazine より弱く,C.L. とほぼ同程度であった,5)LM-209 は抗-oxotremorine 作用を除いて中枢作用が弱いといわれている C.L. とほぼ同等の作用であったことから,比較的中枢神経系に対する副作用が少ない抗-His 剤であることが期待された.
  • 柳浦 才三, 飯塚 晃, 石川 滋
    1981 年 78 巻 4 号 p. 261-267
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    ハムスターにおいて cholic acid(CA),とursodeoxycholic acid(UDCA)の胆汁脂質,特にcholesterol(CH)とp hospholipid(PL)の分泌に及ぼす影響を検討した.CA を持続適用すると,胆汁分泌量は増加し,胆汁酸依存胆汁として認められた.CH 分泌は約3倍増加し,PL 分泌量も増加した.胆汁酸組成には CA の増加がみられた.胆汁酸分泌量は用量依存的に増加した.また UDCA を持続適用すると,胆汁分泌量は増加したが,その増加の割合は CA を持続適用した場合より少ないものであった.PL 分泌は有意に増加したが,CH 分泌には適用量依存性が認められなかった.胆汁酸組成では UDCA が約40%を占めており,他の胆汁酸の分泌量は減少していた.一方,CA および UDCA の3,15mg/kg/day の用量を2週間連続適用すると,胆汁分泌量は有意に減少した.CA,UDCA を連続適用しても総胆汁酸の分泌量は増加せず,むしろ減少傾向であった.胆汁酸組成において,CA の連続適用では CA は減少傾向であったが,UDCA の連続適用では UDCA は増加した.また,UDCA の連続適用においては,適用量の違いにより胆汁中への移行の仕方が異なっていた.PL 分泌は,CA および UDCA の連続適用では,適用量によりその分泌動態が異なっていた.しかし,CH 分泌において,CA の連続適用では増加したが,UDCA の連続適用では減少傾向であり,CA と UDCA の CH 分泌には差があることが示唆された.以上のことより,UDCA は CA に比べて胆汁への移行率のよい胆汁酸であり,CH 分泌に及ぼす UDCA と CA の効果の差異はそれらの胆汁への移行率の差が関連しているものと推察される.
  • 須藤 伝悦, 澤口 重徳, 菅沼 靖, 飯村 君子
    1981 年 78 巻 4 号 p. 269-277
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    神経芽細胞腫の特性を支配している一つと考えられる acetylcholine によって免疫組織化学的に細胞を解析する為に,acetylcholine の合成酵素に対する抗体を作成した.抗体の特異性をマウス頸髄で免疫組織化学的に調べ acetylcholine 分布の報告と一致する結果が得られた.培養継代6~10日目の腫瘍細胞の acetylcholine 合成酵素活性は glioblastoma が 2.26nmol/1×105cells/hr で,c-1300 が 1.77nmol/1×105cells/hr,sarcoma が 1.24nmol/1×105cells/hr と有意に差がある.この3腫瘍を免疫組織化学的に染色すると,螢光陽性細胞が glioblastoma は82.0%,C-1300 は37.3%,sarcoma は 4.2% となり有意に対応した.この方法により,細胞の形態を保ちながら腫瘍細胞の cholinergic activity を解析することができると考える.
  • 藤村 一, 鶴見 介登, 柳原 雅良, 平松 保造, 田村 洋平, 清水 世安, 北条 雅一, 吉田 洋一
    1981 年 78 巻 4 号 p. 279-289
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    phenothiazine 系の新しい抗 histaminc(His)薬 Mequitazine(LM-209)の種々の chemical mediators に対する拮抗作用を検討し,以下の結論を得た.1)LM-209 は摘出モルモット回腸の 10-7g/ml His 収縮に対する IC50 は 4.60×10-9g/mlであり,かなり強力な拮抗を示し,その作用は clemastine fumarate(CL)とほぼ同等であり,chlorpheniramine maleate(CPM)よりもやや弱かった.10-7g/ml acetylcholine(ACh)収縮に対する LM-209 の IC50 は 2.35×10-8g/mlであり,CL および CPM よりも強く,atropine よりは弱かった.抗 serotonin および抗 bradykinin 作用は CL および CPM と同等であった.2)摘出モルモット気管筋の 10-5g/ml His 収縮に対する IC50 は 1.65×10-6g/ml であり,その拮抗作用は CL および CPM より弱かった.10-5g/ml ACh 収縮に対する IC50 は 2.60×10-6g/mlで,CL とほぼ同等であり,atropine より著しく弱かった.3)Konzett-Rössler 変法の標本における LM-209 の抗-His 作用は静脈内投与の場合には CL および CPM に比してやや弱かったが,経口投与では CL とほぼ同等の作用を示した.抗-ACh 作用は LM-209 の静脈内および経口投与ともに CL および CPM に比して強かった.4)LM-209 の経口投与による His 致死防禦効果は CL とほぼ同等であったが,その効果は CL に比して著しく持続的であった.また,LM-209 の methacholine 致死防禦効果は CL とほぼ同等であった.5)His の皮内注射による色素漏出に対する LM-209 の抑制作用は CL および CPM に比して若干強く,promethazine と同等であった。6)His 潰瘍発生に対する LM-209 の抑制作用は CPM に比してやや弱かった.7)LM-209 は serotonin 下痢に対して抑制作用を示したが,cyproheptadine に比してやや弱かった.一方,CL はほとんど抑制作用を示さなかった
  • 藤村 一, 鶴見 介登, 柳原 雅良, 平松 保造, 田村 洋平, 清水 世安, 北条 雅一, 吉田 洋一, 秋本 吉信
    1981 年 78 巻 4 号 p. 291-303
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    phenothiazine 系の新しい抗-histamine(His)薬 Mequitazine(LM-209)の種々のアレルギー反応に対する作用を検討し,以下の結論を得た.1)LM-209 は能動的感作モルモット摘出回腸における Schultz-Dale 反応を著明に抑制し,その強度は clemastine fumarate(CL)と同程度であった.2)能動的感作モルモット肺切片からの遊離 mediators による非感作モルモット回腸の収縮を著明に抑制し,その作用は CL の約5倍の強さを示した.3)部分精製した感作モルモット肺切片からの SRS-A による回腸の収縮を明らかに抑制し,その抗-SRS-A 作用は CL とほぼ同等であった.4)抗-DNP-As ラット血清を用いて受動的に感作したラット腹腔肥絆細胞からの His 遊離は LM-209 および CL によって抑制される傾向を示したが,Compound 48/80 による His 遊離は抑制されなかった.5)モルモットの active systemic anaphylaxis,24時間 heterologous passive systemic anaphylaxis および heterologous passive cutaneous anaphylaxis は LM-209 の比較的低用量の経口投与によっても抑制され,その抑制作用の強さは CL および chlorpheniramine maleate(CPM)とほぼ同等であった.6)ラットの48時間 homologous passive cutaneous anaphylaxis は LM-209 の低用量の経口投与によっても著明に抑制され,その抑制作用の強さは CL および CPM と同等であったが,CL の作用に比して著しく持続的であった.7)抗-DNP-As 血清を用いて受動的に感作したラットの実験的喘息における呼吸数,呼吸量の減少および降圧反応は LM-209 の経口投与(5mg/kg)によって著明に抑制されたが,CL によってほとんど影響がみられなかった.8)LM-209 の経口投与はアレルギー反応を著明に抑制し,かっ,持続的であった.その作用機序は主として遊離 mediator に対する直接的な拮抗作用によるものと思われる.
  • 山浦 哲明, 楳原 典光, 武永 邦三, 沼本 輝孝, 登坂 邦雄
    1981 年 78 巻 4 号 p. 305-318
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    急性無麻酔フィストララットを用い,tetragastrin(TG),histamine(Hist)およびcarbachol(Cach)促進分泌に対する urogastrone(UG)の抑制作用を cimetidine(Cime),atropine(Atr),prostaglandin E2(PGE2)および epidermal growth factor(EGF)と比較することにより,UG の作用プロフィルを明らかにすることを試みた.UG の抑制はTG>Cach≥Hist の順で強く,Gime の抑制は Cach>TG≥Hist,Atr および PGE2 の抑制は Cack>TG>Hist,EGF の抑制はTG>Hist≥Cachの順で強かった.最大抑制発現時問は TG および Hist では EGF>Cime>Atr>UG の順に早く,Cach では Cime>EGF=Atr>UG の順であった.迷走神経切断により UG の抑制型は Atr 型に変り,また methacholine(Mech)よりも Cach を強く抑制した.以上の成績から UG と EGF の胃酸分泌抑制作用はCime,Atr,PGE2 よりも gastrin に対して特異性が高いこと,そして UG の作用は Cime,Atr,PGE2 および EGF と異なり遅効性,持続性であることが示唆された.
  • 江田 昭英, 永井 博弍, 栗本 芳行, 山田 利光, 森 裕志, 西依 健, 稲垣 直樹
    1981 年 78 巻 4 号 p. 319-334
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    ノイロトロピン(NSP)のアレルギー反応に及ぼす影響を検討し,以下の成績を収めた.1)NSP はラットの 48hr homologous PCA を用量依存的に抑制し,抗原による感作ラット腸間膜 mast cell の脱顆粒や感作モルモット肺切片からの histamine 遊離を抑制した.また,モルモットの実験的喘息に対しても明らかな抑制作用を示した.2)NSP はラットの馬杉腎炎における尿タンパク質量の増加や Forssman shock に対して抑制または抑制の傾向を示し,in vitro で抗補体作用を示したが,ラットの reversed cutaneous anaphylaxis に対しては影響を及ぼさなかった.3)NSP はラットの immune complex 型腎炎における尿タンパク質量の増加を抑制した.4)NSP はマウスの Pc による接触性皮膚過敏症を抑制しなかったが,IgG 前処置 nephrotoxin 腎炎における尿タンパク質量の増加に対して抑制傾向を示した.
  • 石井 竹夫
    1981 年 78 巻 4 号 p. 335-346
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    モルモット盲腸紐に内在する二種類の抑制性神経,アドレナリン作動性神経と非アドレナリン作動性神経の刺激効果に及ぼすモルヒネ様ペプチドとその拮抗薬である naloxone の影響を検討した.leu-enkephalin,met-enkephalin,(D-ala2) met-enkephalin,β-endorphin は atropine と guanethidine 存在下に経壁刺激(1 Hz)したときの盲腸紐の非アドレナリン作動性抑制反応を用量依存的に抑制した.特に(D-ala2)met-enkephalin と β-endorphin の作用は強く,その50%抑制量(ID50 値)はともに 1μM であった.これらのモルヒネ様ペプチドによる抑制効果は naloxone(1μM)によってほぼ完全に消失した.この濃度の naloxone それ自身はこの経壁刺激効果を逆に増強した.一方 atropine 存在下に perivascular nerve を電気刺激したときの盲腸紐のアドレナリン作動性抑制反応は leu-enkephalin,β-endorphinnaloxone のいずれによっても影響を受けなかった.免疫蛍光組織化学的方法により,enkephalin 免疫活性神経が盲腸の Auerbach 神経叢に数珠状の神経線維網として多く観察された.また輪走筋および縦走筋内にも筋層に平行して走行する蛍光線維が同時に認められた.以上の成績からモルモット盲腸紐の非アドレナリン作動性抑制神経の神経伝達機構に,内因性モルヒネ様ペプチド(enkephalins,endorphin)が調節的役割を果していると結論することが出来る.
  • 落合 喬, 山村 道夫, 工藤 幸司, 石田 柳一
    1981 年 78 巻 4 号 p. 347-357
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    新規中枢性筋弛緩薬 afloqualone の一般薬理作用としての中枢神経系に対する作用を主としてマウスを用い経口投与で検討した.afloqualone は比較的強い hexobarbital 麻酔時間延長作用および barbital 麻酔増強作用を示したが,これらの作用発現量と筋弛緩作用発現量との比率からみて,afloqualone の麻酔増強作用の強さは chlormezanone のそれより軽度であった.また,afloqualone は自発運動量減少作用,抗最大電撃-,抗 pentylenetetrazol-,および抗 nicotine-誘発痙攣作用,足蹠刺激誘発闘争反応抑制作用,methamphetamine 誘発運動亢進抑制作用,酢酸 writhing 抑制作用,正常体温下降作用,条件回避反応抑制作用を示したが,これらの作用発現量は筋弛緩作用発現量付近であり,したがって afloqualone のこれら中枢抑制作用は chlormezanone および mephenesin に比して弱く,筋弛緩作用の特異性が高いことを示唆しているものと考えられる.afloqualone は 50mg/kg の高用量でもマウスにおける apomorphine 誘発 cage climbing 行動抑制作用,physostigmine 致死抑制作用,serotonin 誘発首振り運動抑制作用,および reserpine 誘発低体温拮抗作用を示さなかった.なお,tolperisone は経口投与では特記すべき中枢作用を示さなかった.
  • 落合 喬, 福地 勲, 江郷 秀世, 山村 道夫, 工藤 幸司, 石田 柳一
    1981 年 78 巻 4 号 p. 359-380
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    afloqualone(Afl)は 1~2mg/kg,i.v. 以上で麻酔ネコにおいて呼吸抑制,心拍数減少,血圧下降,末梢動脈血流量軽度増大を示したが,経口投与では 50mg/kg で軽度の心拍数減少,血圧下降,末梢動脈血流量増大を示したのみで,麻酔犬においては特記すべき作用を示さなかった.Afl は家兎生体位心運動に対して 10mg/kg,i.v. で心尖運動の振幅減少,左右心側運動の振幅増大を示したが,経口投与では 50mg/kg で作用を示さなかった.Afl は 10-4g/ml で家兎摘出心房自動運動を軽度抑制したが,家兎摘出耳介血管灌流に対しては影響を及ぼさなかった。Afl は 10-5g/ml で家兎摘出回腸自動運動の振幅および tonus を減少した.Afl はマウス腸輸送能(50mg/kg,p.o.),ラット胃酸分泌(50mg/kg,p.o.)を軽度抑制したが,ネコ生体位胃腸管運動,ラット胆汁分泌,胃粘膜(50mg/kg,p.o.),ラット幽門結紮潰瘍(50mg/kg×2,s.c.)に対しては有意な作用を示さなかった.Afl は 20mg/kg,i.v. で節前線維刺激によるネコ瞬膜収縮反応を軽度抑制したが,adrcnaline(AD)による収縮反応を抑制しなかった.Afl は 50mg/kg,p.o で麻酔ネコの AD,noradrenaline(NA),dopamine 昇圧,acetylcholine(ACh),histamine(H),isoproterenol 降圧に対して作用を示さなかった.Afl は AD および NA によるモルモット摘出輸精管収縮を 10-4g/ml で軽度抑制し,ACh,H,BaCl2 または serotonin によるモルモット摘出気管および回腸収縮を 2.5×10-5g/ml 以上で非特異的に抑制した.Afl は 10-6g/ml 以上で発情間期,発情期,妊娠期ラットの摘出子宮自動運動を抑制したが,生体位子宮自動運動に対しては 50mg/kg,p.o. で作用を示さなかった.Afl は20mg/kg,i.v. でネコ膀胱内圧を低下した.Afl は50mg/kg,p.o. でラットの尿量を増加したが,尿電解質量には作用を示さなかった.AH は 10mg/kg,p.o. 以上で carrageenin 誘発ラット足蹠浮腫を抑制したが,綿球肉芽腫を抑制しなかった.Afl はモルモットにおいて2%の高濃度で表面および浸潤麻酔作用を示さなかった.以上の結果を tolperisone,mephenesin および chlormezanone のそれと比較した.
  • 山村 道夫, 落合 喬, 石田 柳一
    1981 年 78 巻 4 号 p. 381-392
    発行日: 1981年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    中枢性筋弛緩薬 afloqualone の行動薬理学的特性をラットにおける低率分化餌強化(DRL)反応および条件情動反応(CER)に対する作用の面から検討した.正常ラットにおける一般症状観察において,chlordiazepoxide,diazepam,meprobamate,pentobarbital-Na はそれぞれ5および10,1および2,100および200,10および 20mg/kg,p.o. で多動,立ちあがり,立毛などの興奮様症状を惹起した.一方 afloqualone は筋弛緩とそれに伴う運動抑制が観察される 20mg/kg,p.o. まで投与しても興奮様症状を惹起しなかった.DRL 反応に対して,afloqualone は10および 20mg/kg,p.o. で chlorpromazine(5,10,20 mg/kg,p.o.)と同様抑制作用を示したが,chlordiazepoxide,meprobamate,pentobarbital-Na は興奮様症状発現量で促進的に作用した.methamphetamine(0.5,1,2 mg/kg,p.o.)は用量依存的に反応を促進した.CER に対して,chlordiazepoxide(5,10,20 mg/kg,p.o.),diazepam(1,2,5 mg/kg,p.o.),meprobamate(50,100,200 mg/kg,p.o.)は安全期の反応数に関係なく警告期の反応期の反応数を用量依存的に増加した.pentobarbita1-Na(5,10,20 mg/kg,p.o.)もほぼ同様の作用傾向を示した.afloqualone は5,10,20 mg/kg,p.o. の各用量でそれぞれ3例中1例において警告期の反応数を軽度に増加したのみであった。chlorpromazine(5,10,20mg/kg,p.o.),methamphetamine(0.5,1,2 mg/kg,p.o.)は警告期の反応数に対してまったく影響を及ぼさなかった.以上の結果より afloqualone は抗不安薬,催眠薬あるいは興奮薬とは異なった行動薬理学的特性を有するものと考えられた.
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