phenothiazine 系の新しい抗 histaminc(His)薬 Mequitazine(LM-209)の種々の chemical mediators に対する拮抗作用を検討し,以下の結論を得た.1)LM-209 は摘出モルモット回腸の 10
-7g/ml His 収縮に対する IC50 は 4.60×10
-9g/mlであり,かなり強力な拮抗を示し,その作用は clemastine fumarate(CL)とほぼ同等であり,chlorpheniramine maleate(CPM)よりもやや弱かった.10
-7g/ml acetylcholine(ACh)収縮に対する LM-209 の IC50 は 2.35×10
-8g/mlであり,CL および CPM よりも強く,atropine よりは弱かった.抗 serotonin および抗 bradykinin 作用は CL および CPM と同等であった.2)摘出モルモット気管筋の 10
-5g/ml His 収縮に対する IC50 は 1.65×10
-6g/ml であり,その拮抗作用は CL および CPM より弱かった.10
-5g/ml ACh 収縮に対する IC50 は 2.60×10
-6g/mlで,CL とほぼ同等であり,atropine より著しく弱かった.3)Konzett-Rössler 変法の標本における LM-209 の抗-His 作用は静脈内投与の場合には CL および CPM に比してやや弱かったが,経口投与では CL とほぼ同等の作用を示した.抗-ACh 作用は LM-209 の静脈内および経口投与ともに CL および CPM に比して強かった.4)LM-209 の経口投与による His 致死防禦効果は CL とほぼ同等であったが,その効果は CL に比して著しく持続的であった.また,LM-209 の methacholine 致死防禦効果は CL とほぼ同等であった.5)His の皮内注射による色素漏出に対する LM-209 の抑制作用は CL および CPM に比して若干強く,promethazine と同等であった。6)His 潰瘍発生に対する LM-209 の抑制作用は CPM に比してやや弱かった.7)LM-209 は serotonin 下痢に対して抑制作用を示したが,cyproheptadine に比してやや弱かった.一方,CL はほとんど抑制作用を示さなかった
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