新生仔ラットの生後1,3,5,7および9日にpargyline,methamphetamine,reserpine,norepinephrine,epinephrine,propranolol,chlorpromazine,6-hydroxydopamine,haloperidol,pilocarpine,neostigmineおよびatropineなどの自律神経作用薬を皮下投与して,仔の中枢神経系の発達への影響を行動発達の面から捉え検討を加えた,reserpine,chlorpromazine,6-hydroxydopamineおよびpilocarpineを投与した仔に体重の増加抑制がみられ,reserpine投与群では仔の死亡が有意に増加した.正向反射,断崖回避および負の走地性から離乳前の行動・機能の発達をみたが,reserpine,propranolol,6-hydroxydopamineおよびhaloperidol投与群の発達が遅延した.Animexによる自発運動量の観察から,生後21日にはnorepinephrine,epinephrine,chlorpromazineおよびatropine投与群に,生後49日にはnorepinephrine,reserpineおよびpropranolol投与群に自発運動量の亢進が,また生後21日目のmethamphetamine負荷によってreserpine,propranolol,chlorpromazine,6-hydroxydopamineおよびatropine投与群に自発運動量の増強効果が認められ,これらの作用は中枢カテコールアミン機構,とくにノルアドレナリン神経系の発達障害によって惹起されることが示唆される.またmethamphetamineの負荷は遅発行動毒性の顕性化,早期発見を可能にした.open field試験により潜時の延長,rearingおよびprecningの減少がpropranolol投与群にみられ,仔の情動性への影響が疑われた.haloperidol,6-hydroxydopamineおよびpropranolol投与群にみられたshuttleboxによる条件回避反応における学習獲得の低下および逃避潜時の延長は,中枢カテコールアミン機構,とくにドーパミン神経系の機能発達の障害によるものと考えられる.
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