日本薬理学雑誌
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85 巻, 5 号
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  • 谷山 紘太郎
    1985 年 85 巻 5 号 p. 305-313
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    Most of the criteria for identification of a neurotransmitter were satisfied for γ-aminobutyric acid (GABA) in the mammalian intestine. 1) GABA and its synthesizing enzyme, glutamic acid decarboxylase, and the neurons which specifically accumulate GABA were demonstrated to localize in Auerbach's plexus of the intestine. 2) GABA was demonstrated to be released from nerve terminals of the intestine when the nerve fibers were stimulated. 3) The application of GABA depolarized the neurons within Auerbach's plexus. 4) The actions of GABA were mimicked by muscimol on the GABAA receptor and by baclofen on the GABAB receptor. The GABAA antagonist is bicuculline, but no antagonist to GABAB is known at present. Thus, GABAergic neurons may be present in the enteric nervous system of the intestine. GABA and bicuculline changed the propulsive activity and the spontaneous motility of circular muscle, and the neuronal interactions, substance Pergic-GABAergic-postganglionic cholinergic neurons were found in the enteric nervous system, thereby suggesting that GABAergic neurons play a key role in the control of peristalsis.
  • 永井 康雄, 成実 重彦, 佐治 美昭, 名川 雄児
    1985 年 85 巻 5 号 p. 315-326
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    thyrotropin-releasing hormone(TRH)およびその類縁体のDN-1417(γ-butyrolactone-γ-carbonyl-L-histidyl-L-Prolinamide citrate)のreserpineによる自発運動抑制作用および電撃痙攣閾値低下に対する拮抗作用について,その脳内作用機序を明らかにするため,DN-1417を用いラット脳内グルコース利用率(LCGU)および脳内諸部位のモノアミン含量における抗reserpine作用を検討した.reserpine 2 mg/kg,24時間前腹腔内投与(i.p.)によりLCGUは全脳で対照の57.2%まで著明に低下した.一方DN-1417(5 mg/kg, i.v.)は全脳でLCGUを68.5%まで回復させた.特に有意な回復が認められた部位は,視床背内側核,乳頭体,中隔核,線条体および側坐核であった.以上のDN-1417によるLCGUの回復作用は,dopamine(DA)受容体遮断剤のpimozide(1 mg/kg, i.p.)およびserotonin(5-HT)受容体遮断剤のmethysergide(5 mg/kg, i.p.)の前処置により完全に抑制された.rescrpineによる脳内諸部位のモノアミンの著明な減少に対して,DN-1417はDAを側坐核で回復させる傾向を示し,5-HTを視床下部で有意に回復させた,以上の結果より,DN-1417はモノアミン系を介してreserpineによる自発運動抑制作用および電撃痙攣閾値低下に拮抗すると考えられるが,特に前者は,側坐核を中心としたDA系を介して,また後者は,視床下部の5-HTを介した作用ではないかと考えられる.
  • 石倉 美治, 村上 茂, 森 陽
    1985 年 85 巻 5 号 p. 327-333
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    ラット胃に酢酸潰瘍を作製し,2,10,40,80,365日目の時点で,その治癒過程における高分子糖タンパク質生合成の変動を3H-glucosamineの取り込みを指標として観察した.また,潰瘍作製ラットの非潰瘍部位についても同様に比較検討し,以下のことが明らかとなった.1) 酢酸潰瘍作製動物の潰瘍部位における全取り込み活性(組織およびメディウムの総和)とインキュベーション後に組織中に残存した全活性は,2日目で対照群の2.75,1.75倍と有意に上昇し,その後,全取り込み活性は,対照群と同じレベルに戻った.組織中の全活性は,徐々に減少して,365日で対照群の約50%となった.それに比較して,高分子糖タンパク質(peak I 画分)の生合成活性は,2日目で対照群の約50%まで有意に減少し,10日目で一度,対照群のレベルとなるが,40日以後,再び対照群の約50%に減少し,365日目では約30%となった.2) 潰瘍作製ラヅトの非潰瘍部位の組織高分子糖タンパク質の生合成活性は,潰瘍部位のそれとほぼ同様のパターンを示し,10日目で一度,対照群のレベルに回復した以外は,対照群の約50%と有意に減少していた.3) 継続的な内視鏡観察により再燃,再発を確認したラットの潰瘍部位と治癒したラット胃組織の作製365日目におけるそれぞれの3H-glucosamineラベル糖タンパク質のゲル濾過の溶出パターンは類似しており,高分子糖タンパク質は対照群の約50%と有意に減少していた.以上の結果は,慢性潰瘍において,何らかの刺激があれぽ,再燃,再発が起こり易い状態にあることを強く示唆するものである.
  • 特に左心系に対する作用
    古城 健太郎, 斎藤 輝男
    1985 年 85 巻 5 号 p. 335-342
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    isosorbide dinitrate(ISDN)の生体内主要活性代謝物であるisosorbide 5-mononitrate(5-ISMN)の心機能ならびに血行動態におよぼす影響を塩酸ベラバミルおよび塩酸プロプラノロールと比較検討した.またISDNと5-ISMNの効力の比較についても検討を加えた.麻酔開胸犬を用いた実験で,5-ISMN 1 mg/kgおよび3 mg/kgを静脈内に投与すると,心筋収縮力(CCF)および心拍数(HR)はわずかに減少する傾向にとどまったが,収縮期血圧(SBP)は用量に依存して低下し,左心室内圧(LVP)および左心室内圧変化率(LVdp/dt)は著明に減少し,左心室内拡張終期圧(LVEDP)も有意(P<0.05)に減少した.一方,塩酸ベラパミル0.3 mg/kgを静脈内に投与すると,拡張期血圧(DBP)は著明に低下し,HR,CCF,LVPおよびLVdp/dtも有意(P≤0.05)に減少したが,LVEDPはむしろ上昇する傾向を示した.また,塩酸プロプラノロール0.5 mg/kgの静脈内投与では,全身血圧およびLVPはほとんど変化せず,HR,CCFおよびLVdp/dtは著明に減少したが,LVEDPは上昇する傾向を示した.5-ISMNの薬理作用の活性をISDNのそれと比較すると,ウサギの摘出胸部大動脈のノルエピネフリン収縮に対する弛緩作用を指標とした場合は約1/150の活性であったが,麻酔閉胸犬での静脈内投与による脈圧減少作用を指標とした場合は1/4の活性であり,また無麻酔犬の経口投与による脈圧減少作用を指標とした場合は1/1.6の活性であった.以上の成績から,5-ISMNは特に経口投与した場合,ISDNとほぼ同等の活性を有し,生物学的利用率が良好であることが推察され,また狭心症発作時には一過性の左室不全を生ずることを考慮すると,5-ISMNの経口剤は狭心症の治療薬として有用と思われる.
  • 樋口 昭平, 小友 進, 相原 弘和
    1985 年 85 巻 5 号 p. 343-346
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    塩基性非steroid系抗炎症薬(以下BNSAIDと略)のcarrageenin足浮腫抑制作用を局所投与および全身投与実験で検討した.薬物を起炎剤とともに足蹠に投与した場合,酸性非steroid系抗炎症薬(以下ANSAIDと略)であるindomethacin,phenylbutazoneおよびketoprofenはcarrageenin足浮腫を抑制した.一方,BNSAIDであるmepirizole,tiaramide·HClおよびaminopyrineはcarrageenin足浮腫に対し,全く抑制作用を示さなかった.これに対し,経口および皮下投与の場合にはBNSAIDのtiaramide·HClやbenzydamineなどは足浮腫を抑制したが,その抑制作用は非絶食ラットよりも絶食ラットで強く認められた.ANSAIDは,両ラットで作用に差は認められなかった.以上のことから,BNSAIDの足浮腫抑制作用は,炎症局所で発揮されるのではなく,何らかの全身的作用によるところが大きいと考えられる.
  • 岡田 孝道, 望刀 利郎, 板緑 一也, 高木 皓一, 入倉 勉
    1985 年 85 巻 5 号 p. 347-356
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    daunorubicin(DR)をラットに1回尾静脈内投与することによって誘発されるネフローゼ型の高cholesterol(Ch)および高triglycerides(TG)血症の成因を検討するとともにKCD-232[4-(4′-Chlorobenzyloxy)benzyl nicotinate]のDR誘発高脂血症におよぼす影響を検討し,下記の結果を得た.1) DRを3,6または12 mg/kg 1回静脈内投与することにより24日後には,尿中蛋白排泄量,血清総Ch,TG,phospholipids(PL),高比重リボ蛋白Ch(HDL-Ch)および低比重リボ蛋白Chと超低比重リボ蛋白Chの和[(LIDL+VLDD-Ch]の用量依存的上昇が認められた.2) DR(6mg/kg i.v.)は血清総ch,TG,PLをそれぞれ1.85倍,1.75倍,1.65倍上昇させ,またHDL-ch,(LDL+VLDL-Chをそれぞれ1.38倍,2.94倍上昇させた.その結果(LDL+VLDL)-ch/HDL-Ch比で表わされる動脈硬化指数(AI)を2.49倍上昇させた.一方,遊離脂肪酸を逆に低下させる傾向を示した.3) DR(6 mg/kg, i.v.)は肝のCh合成を2.07倍上昇させたが腸管からのCh吸収を抑制する傾向を示した.また静注した[3H]Chの血中における残存量を1.70倍高めたことからDRによる高Ch血症の成因は肝におけるGhの合成亢進と血中からの消退遅延によることが示唆された.4) DR (6 mg/kg, i.v.)は肝の脂肪酸(FA)合成を2.73倍増加させたこと,血中遊離脂肪酸濃度を低下させたことおよび肝性lipase活性を低下させる傾向を示したことからDR静注によって生ずる高TG血症の成因は肝におけるFA合成の増加によるTG合成の亢進と血中における加水分解の抑制によることが示唆された.5) KCD-232は肝のCh合成を抑制し,血中からChの消退遅延を解除し,さらに腸管からの吸収を抑制して血中総Chおよび(LDL+VLDL)-Chの上昇を有意に抑制した.またAIを著しく改善した.6) KCD-232は肝のFA合成を抑制し,さらには肝におけるFA酸化を亢進してTG合成を抑制すること,さらに脂肪組織由来のlipoprotein lipase活性を亢進してTG分解を促進することにより血中および肝TGを低下させると考えられた.
  • 田中 尚, 内藤 俊一
    1985 年 85 巻 5 号 p. 357-366
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    cetraxate hydrochlorideについて,家兎を用いて体内動態を調べ,薬物速度論的考察および代謝物の抗潰瘍作用について検討した.本報において確立したHPLC法によりcetraxateおよびP-hydroxyphenylpropionic acid(PHPA)を測定した結果,cetraxateは,消化管内および血液中において,容易にPHPAに代謝され,さらに新代謝物P-hydroxybenzoic acid(PHBA)の出現することも確認された.cetraxateを家兎に経口投与した時の臓器内分布を調べた結果,胃壁のみに未変化体cetraxateは分布した.また脳を除く検索した全ての臓器に代謝物PHPAの分布が認められた.cetraxate hydrochlorideの抗潰瘍作用が,cetraxate,PHPAあるいは,体内で必然的に生じるtranexamic acidによるものであるかを,ラットを用いた幽門結紮アスピリン潰瘍および水浸拘束ストレス潰瘍において検討した結果,tranexamic acidもcetraxate hydrochlorideと同等の抗潰瘍作用が認められた.cetraxateの体内動態の結果と抗潰瘍作用の結果を併せて考えると,cetraxateの抗潰瘍作用の一部には,代謝物であるtranexamic acidが関与しているのではないかと考えられた.
  • 田中 尚, 内藤 俊一
    1985 年 85 巻 5 号 p. 367-378
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    抗潰瘍作用が見出された新規化合物2-(nicotinoylaminoethanesulfonylamino)pyridine(NTP)について,体内動態と本作用との関係について研究を行なった.本化合物NTPと体内変化体2-(aminoethanesulfonylamino)pyridine(TP)を2つの実験潰瘍モデルを用い検討した結果,その抗潰瘍作用は,NTPそれ自身による作用であることがわかった.家兎を用い,NTPの生体内変化を検討した結果,家兎にNTPを経口投与した場合,未変化体NTPと共に若干の代謝物であるTPが,血漿中およびリンパ液中に確認された.また,家兎にNTPを経口投与し,臓器内分布を調べた結果,投与7時間後までには,各臓器にかなりのNTPとその代謝物であるTPの分布が見られた.本薬理実験の結果と生体内変化の結果を併せて考えると,NTPの薬理効果は,主として未変化体NTPの効果であることがわかった.
  • 入野 理, 斉藤 清, 林 俊宏, 大久保 一三
    1985 年 85 巻 5 号 p. 379-385
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    in vitroおよびex vivo血小板凝集に対するdl-erythro-4-benzyl-α-(4-hydroxyphenyl)-β-methyl-1-piperidine-ethanol tartrate(ifenprodil tartrate)の作用についてウサギを用い検討した.ifenprodil tartrateはin vitroでのADP凝集,collagen凝集,epinephrine凝集を著しく抑制した.また,血小板からの5-hydroxytryptamine放出を著明に抑制し,血小板への5-hydroxytryptamine取り込みも抑制した.これらifenprodil tartrateのウサギ血小板機能に対する作用はimipramineと類似した作用であることから血小板膜安定化作用に起因している可能性が考えられた.一方,ifenprodil tartrateを経口投与したウサギの最高血漿中ifenprodil濃度は20 ng/mlであり,これはin vitroでの作用発現最低濃度の約1/40であった.それにもかかわらずこの濃度でex vivo ADP凝集の著しい抑制が認められた.このことからex vivoでの血小板凝集抑制作用発現には,ifenprodilの血小板への直接的な作用以外の要因,例えぽ内因性抗血小板作用物質であるPGI2など,が関与する可能性が考えられた.そこで,ifenprodil tartrateの血管PGI2放出に及ぼす影響および血小板凝集抑制におけるPGI2との相互作用を検討した.ifenprodil tartrateは血管からのPGI2放出にほとんど影響を与えなかった.しかし,PGI2の存在によりifenprodil tartrateの血小板凝集抑制作用は著明に増強された.したがってex vivoでは内因性PGI2との相互作用により低濃度のifenprodilで血小板凝集抑制作用を発現したものと考えられた.
  • 湯浅 聡, 須藤 敦子, 梅津 浩平
    1985 年 85 巻 5 号 p. 387-395
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    正常ラットおよび四塩化炭素(CCl4)を12週間連続投与した慢性肝障害ラットを用い,肝部分切除手術後のtritoqualine(TRQ)の作用を生化学的に検討して次のような結果を得た.1) 正常ラットでは手術後7日間のTRQ 100および200 mg/kg/day投与により投与量依存的に肝再生率が上昇した.TRQは肝部分切除手術によって低下したBSP排泄能を著明に改善し,コレステロールエステル化能も有意に高めた.またTRQの投与により血清中総タンパク量,アルブミン量および肝臓中タンパク量に回復傾向がみられ,肝ミクロゾームにおけるタンパク合成活性にも明らかな上昇傾向がみられた.2) CGl4慢性肝障害ラットでは手術後6日間のTRQ 100および200 mg/kg/day投与によりやはり投与量依存的に肝再生率が上昇した.TRQはCCl4投与と手術によって低下した血清中総タンパク量を著明に改善し,血清アルブミン量および肝臓中タンパク量にも回復傾向を示した.またCCl4連続投与により肝臓中コラーゲン量は増大していたが,TRQ投与により再生の促進された肝臓は硬変性のものではなく正常肝に近かった.これらの結果から,TRQは肝細胞内におけるタンパク合成能を高めることにより,肝細胞の正常な増殖を促進し,肝機能を充進する作用を有すると考えられる.
  • 竹内 久米司, 伊藤 幸次, 岩間 正弘, 大石 延世, 白方 理智, 川畑 恭子, 鳥越 泰義, 向後 博司
    1985 年 85 巻 5 号 p. 397-406
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    大豆粕乾留タール(Glyteer: GL)は,脱脂大豆を400~500°Cで加熱乾留して得られる暗褐色粘稠な液体である.今回,急性および慢性炎症モデルを用いGLの抗炎症作用を軟膏剤として外用適用によって検討した.更に,その作用態度を同一基剤を用いてステロイド系抗炎症薬(SAID)および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と比較した.GLはモルモットでのhistamine(HT),bradykinin(BK)皮内注射による血管透過性亢進作用に対して明らかな抑制効果を示した.その抑制効果は濃度依存性を示し,1,5および10%濃度で有意となった.GLはラットcarrageenin足浮腫抑制効果を示したが,serotonin足浮腫に対する効果は弱かった.また,paper disk法による肉芽増殖に対する効果は認められなかった,一方,prostaglandin(PG)の関与が示唆されるモルモット紫外線紅斑ならびにarachidonic acid皮膚発赤に対してGLは,明らかな抑制効果を示した.更にSAIDが著効を示す遅延型アレルギー性皮膚炎モデルに対してもGLは著明な抑制効果を示した.以上の結果から,GLの抗炎症作用は主に抗HTおよび抗BK作用により炎症初期段階の血管透過性亢進を抑制し,急性浮腫抑制作用を発現することが示唆された.また,GLの発赤抑制機序にPGの関与が推察された.GLの抗炎症作用態度は酸性NSAIDと類似点が多いが,遅延型アレルギーモデルに著効を示し,SAID様の作用態度も有していた.しかし,肉芽増殖に対する作用は認められず,NSAIDおよびSAIDと若干異なる作用も有することが認められた.
  • ―ラットadjuvant関節炎における骨病変の時系列特性―
    府川 和永, 金塚 聰之, 大場 誠一, 入野 理
    1985 年 85 巻 5 号 p. 407-414
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    ラットadjuvant関節炎の骨病変を評価する方法について検討した.ラットadjuvant関節炎における後肢肢端関節の軟X線像では,骨辺縁の綿毛状陰影が判別も容易であり,発生頻度も高く,経時的に陰影が拡大することから,骨病変の指標となることを確認した.また,任意の強さの綿毛状陰影を基準に,その経日発生率をWeibull確率紙にプロットすると直線性を示し,良くWeibul1函数に準拠することがわかった.このことから,adjuvant関節炎の骨病変は,骨辺縁にみられる綿毛状陰影を指標にその発生頻度で評価できた.
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