日本薬理学雑誌
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83 巻 , 4 号
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  • 岸岡 史郎, 井口 賀之, 尾崎 昌宣, 山本 博之
    1984 年 83 巻 4 号 p. 269-280
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    morphine(Mor)連投期間は10~11日間とし,その投与量は漸増法に従って増量し,延髄巨大細胞網様核(NRGC)破壊ラットのMor耐性および依存形成能について検討した.耐性形成はtail pinch法による鎮痛作用を,依存形成はMor連続投与期間中の体重,体温,血漿corticosterone(Pcs)値および副腎重量の日内変動,ならびにMor禁断時の体重,Pcs値,血漿ACTH値および副腎重量を指標とした.コントロール痙痛閾値は,Mor連投またはNRGC破壊の影響を受けなかった.Mor連投前におけるNRGC destructedラット(破壊群)のMor鎮痛は,sham operatedラット(対照群)のそれに比して抑制された.Mor連投1日目初回のMor連投量(20mg/kg)によるMor鎮痛は,対照群,破壊群共に投与30分後から最大測定時間(10秒)を示し,120分後もなお持続し,非常に強力であった,Mor連投4日目および8日目の対照群におけるMor鎮痛は,検定量がそれぞれ40mg/kgおよび80mg/kgと増量されたが,Mor連投前のMor(5mg/kg)鎮痛と同程度あるいはそれよりも弱いものであり,対照群における耐性形成は明らかであった,Mor連投4日目および8日目の破壊群におけるMor鎮痛は,検定量はそれぞれ40mg/kgおよび80mg/kgであったが,Mor連投前のMor(5mg/kg)鎮痛よりは大であったものの最大測定時間には達せず,破壊群においても耐性形成が認められた.朝夕2回の分割Mor投与による体重の日内変動の逆転,Mor連投による体温の日内変動の消失,Mor依存状態におけるpentobarbital 45分間麻酔によるPcs値の日内変動の消失などは,対照群におけると同様に破壊群にも認められた.Mor禁断による体重減少,Pcs値の上昇,血漿ACTH値の.L昇および副腎重量の増加も,対照群におけると同様に破壊群にも認められた.Mor連投中およびMor禁断時の種々の指標において,破壊群におけるMor依存の形成が明らかにされた.以上の結果は,Mor鎮痛の発現にはNRGCが関与するが,Mor耐性および依存形成におけるNRGCの関与は少ないことを示唆するものと考えられる.
  • 西納 啓吾, 大橋 光雄, 原 三郎, 鈴木 佐枝, 入倉 勉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 281-289
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    新しい抗アレルギー薬,3-isobutyryl-2-isopropylpyrazolo〔1,5-a〕pyridine(KC-404)のアナフィラキシー性気道収縮反応におよぼす影響をモルモットおよびラットを用いて検討した.卵アルブミンで能動感作したモルモットにおいて,抗原の静脈内投与による全身アナフィラキシー反応および抗原吸入による気道収縮反応に対するKc-404経口投与の抑制効果は,それぞれ100mg/kgおよび10mg/kgの投与量で認められた.これらの動物をdiphenhydramineおよびatropineで前処置した場合,KC-404の抑制効果は0.25~0.5mg/kg,p.o.の低い投与量において明らかであった・同様に能動感作したモルモットにおいて,KC-404の静脈内投与は抗原によって最大の収縮を生じている気道を拡張させる作用を示し,効力はaminophyllineの約100倍であった.IgE抗体で能動感作したラットにおいて,KC-404の経口投与は1.3mg/kg以上の投与量で抗原によって誘発される血圧低下を抑制し,2.5mg/kg以上で気道反応を抑制した.KC-404 10mg/kg,p.o.の抑制効果は6時間持続した.以上の結果,KC-404はIgEおよびIgG抗体の関与するアナフィラキシー性気道収縮反応を経口投与で抑制することが明らかとなった.さらに,KC-404はアナフィラキシー性気道収縮反応のslow reacting substance of anaphylaxisによって惹起される部分を抑制することが示唆された.
  • 西納 啓吾, 原 三郎, 入倉 勉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 291-299
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    新しい抗アレルギー薬,3-isobutyryl-2-isopropylpyrazolo〔1,5-a〕pyridine(KC-404),のI型~IV型アレルギー反応に対する作用について検討した.KG-404はモルモットにおけるIgGおよびIgE抗体関与の受身皮膚アナフィラキシー(PCA),およびラットにおけるIgE抗体関与のPCA反応を経口投与で有意に抑制し,最小有効量はそれぞれ50,12.5および3mg/kgであった.いずれの実験においても,PCA反応に対するKC-404の抑制効果は頭打ちとなる傾向がみられた.KC-404はslow reacting substance of anaphylaxis(SRS-A)以外のchemical mediator(histamine,serotonin,bradykinin)によって生じる血管透過性の亢進を抑制せず,感作ラット腸間膜mast cellの抗原による脱穎粒にほとんど影響を与えなかった.今回および前報の結果から,KC-404はSRS-Aの関与する部分を抑制することによってPCA反応に対する抑制効果を生じることが示唆された。KC-404はラットの逆皮膚アナフィラキシー反応およびモルモットのForssman systemic reactionをほとんど抑制しないことから,II型アレルギー反応に作用しないと判断された.また,in vitroおよびin vivoで抗補体作用も示さなかった.KC-404は100~200mg/kgの経口投与でモルモットの受身Arthus反応およびウサギの能動Arthus反応を顕著に抑制した.モルモットのツベルクリン反応に対するKC-404の抑制効果は認められなかった.以上の結果,KC-404はIgEおよびIgG関与のPGA反応をおそらく特異的な作用機序で抑制することが示唆された.さらに,KC-404はIII型アレルギー反応に対しても有効であった.
  • 堀坂 和敬, 増田 園子
    1984 年 83 巻 4 号 p. 301-307
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    ピコリン酸骨格とアルコキシル基より成る二薬物(trinuoropentoxypicolinic acid(TFP)ならびに5-butoxypicolinic acid)の抗高血圧作用の特徴を検討した.比較対照薬物として,化学構造が類似し,ドパミンβ-水酸化酵素阻害を示す降圧薬として知られているfusaric acidを使用した.動物には正常血圧ラットならびに実験的高血圧症ラット(DOCA型高血圧,一腎性高血圧ならびに自然発症高血圧)を用いた.正常血圧ラットに対する降圧効果は,どの被検薬物も10,30および100mg/kg,p.o.において高血圧ラットに対する効果に較べて弱かった,TFPの作用はreserpineの前処置によっても影響を受けず,用量依存的な降圧効果をひき起こした.血清ドパミンβ-水酸化酵素に対して,TFPはfusaric acidと同様の阻害作用を示したが,阻害活性はfusaric acidの約1/2を示し弱いものであった.しかし,TFPの降圧効果は強力で,fusaric acidの1.4倍を示した.薬物血中濃度の経時的推移による薬物動力学的解析において,fusaric acidはTFPに較べると消化管から血中への移行速度が著しく速く,1.6×104倍を示し,そのうえ,血中からの消化速度においても4.5倍速いものであった.以上の結果より,TFPの抗高血圧作用には,まず,ドパミンβ-水酸化酵素阻害の関与があげられる.そのうえに,TFPが血中に未変化の状態で永く存在することにより,TFPの心臓血管系に対する直接的な抑制作用が相加されて,強力な降圧作用をあらわすことが示唆された.
  • 一之瀬 幸男, 加賀 綾子, 松井 永一, 宇津木 良夫, 露木 英男, 木村 修一
    1984 年 83 巻 4 号 p. 309-315
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    S.D.系ラット(同腹の雄,体重60g前後)についてクリスコ(綿実油に水素添加した物質)経口投与による実験的肥満ラットの作成について検討し,次の結果を得た.1)実験的肥満ラット作成をクリスコ各弩(10~60%)について検討し,30%クリスコ条件が肥満度のばらつぎが少く,確実に肥満することを知った.本条件では2ヵ月継続投与により肥満傾向が観察され,2ヵ月以降は「過剰摂取・低運動」習性が定着し,6ヵ月以降に確実に肥満状態が成立した.2)30%クリスコ3ヵ月投与により腹膜後部及び皮下部脂肪組織湿重量上昇,脂肪組織中の脂肪球の数および大きさの増大,肝脂質上昇,血清インシュリン値の上昇,肝臓Phosphoenolpyruvate carboxykinase活性の低下が観察された.
  • 阿部 泰夫, 関口 治男, 都留 清志, 入倉 勉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 317-324
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    ラット胃粘膜および肝組織の呼吸に対するKU-54の影響について検討した.ラットにKU-54100mg/kgを投与することにより,胃粘膜の酸素消費を増加したが,肝組織の酸素消費には影響なく,KU-54の組織呼吸における作用部分は主として胃粘膜であるとみられた.酢酸潰瘍を形成したラットにKu-54100mg/kgを投与することにより,潰瘍辺縁部粘膜の酸素消費を増大した.gefarnate 200mg/kgではKU-54 100mg/kgの約半分の効果を示したが,有意なものではなかった.さらに無麻酔下または麻酔下に脱血したラット胃粘膜の酸素消費の低下はKU-54 100mg/kg投与により抑制された.gefarnate 100mg/kgでも無麻酔下では抑制を示したが,KU-54より弱いものであった.また,麻酔下では作用がなかった.in vitroではラットの細切胃粘膜の懸濁液にKU-54を添加した場合,胃粘膜の酸素消費の増加はみられず,KU-54の直接作用はないとみられた.また,脱血により増加した胃体部粘膜の嫌気的解糖の亢進をKU-54はさらに促進したが,幽門部ではこのような作用はみられなかった.gefarnate 200mg/kgでは幽門部胃粘膜の嫌気的呼吸を促進した.以上のごとく,KU-54は胃体部粘膜においては好気的,嫌気的呼吸を増加させ,エネルギー代謝が低下する場合にはこれを阻止する方向へ作用するとみられ,gefarnateとは多少異なる呼吸促進を示すと考えられる.
  • 加地 喜代子, 瀬山 義幸, 山下 三郎
    1984 年 83 巻 4 号 p. 325-329
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    抗高脂血症作用を有するヨード卵について,その有効画分は卵黄脂質画分であり,高コレステロール血症低下作用が特に著しいことが知られている.そこで今回はヨード卵卵黄脂質画分をさらに,中性脂質画分(IEY-NL)と極性脂質画分(IEY-PL)に分画し,得られた画分を収量に応じて,実験的食餌性高コレステロール血症を起こさせたラットに投与し,その有効画分を検索した.また,同時に各画分のヨウ素含量と抗高脂血症作用との関係を調べた.実験の結果,ヨード卵卵黄のIEY-NL群が高コレステロール飼料飼育群(Ch群)に比して血清コレステロール値が70%に低下したが,IEY-PL群にはこの様な作用は認められず,IEY-NLが有効画分であることが明らかになった.また,IEY-NLの1目投与量当たりのヨウ素含有量を換算すると,他の画分に比して低い31ngであり,これはラットの1日当たりのヨウ素要求量の1/50という僅かな量であるにもかかわらず,この画分が最も強い血清コレステロール低下作用を有していた.肝総コレステロール量は血清コレステロール量と異なり,Ch群に比しIEY-NL群では変化しないか,もしくは若干増加する傾向が認められた.以上から,ごく少量のヨウ素を含むIEY-NLが血清コレステロール低下作用を有し,この際,肝コレステロールは減少させないことが明らかになった.
  • 岡田 孝道, 望月 利郎, 篠原 芳典, 高橋 佐依子, 高木 皓一, 入倉 勉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 331-343
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    正常飼料食ラットおよび高コレステロール飼料食マウスの脂質代謝におよぼすKCD-232〔4-(4'-chloro-benzyloxy)benzyl nicotinate〕の影響を検討し,下記の結果を得た.対照薬としてclo飾rateおよびnicotinic acid(NA)を用いた.1)KCD-232をラットに10日間経口投与し,最終投与を16時間絶食後に行なうと血清コレステロール(CH),トリグリセライド(TG)および燐脂質は用量(20~160mg/kg/day)依存的に低下した.clofibrateは.TGを低下させなかった。2)KCD-232は低比重リボ蛋白と超低比重リボ蛋白中のCHの和〔(LDL+VLDL)-CH〕を有意に低下させた.その結果,動脈硬化指数(AI)は有意に低下した.clofibrateは高比重リボ蛋白CH(HDL-CH)を低下させ,逆にAIを上昇させた.3)KCD-232は肝重量を軽度増加させたがclofibrateと異なり用量依存性は認められなかった,4)KCD-232は高コレステロール飼料食マウスでの血清CHの上昇を用量依存的に抑制し,回帰直線から求めたID30は39.8mg/kg/dayであった.KCD-232の抑制作用はcl面brateおよびNAに比べ強かった.5)KCD-232(loomg/kg/day)は,1回(in vitro実験)又は10日間連続投与(in vivo実験)したラットの肝において+14C-酢酸からの14C-CHおよび14C-脂肪酸合成をそれぞれ抑制した.clofibrateはCH合成を抑制したが脂肪酸合成を増加させた,NAはCHおよび脂肪酸合成のいずれに対しても明らかな影響を与えなかった.6)胸管リンパ管瘻ラットに経口投与した14C-コレステロールの腸管からの吸収をKCD-232は抑制した.7)KCD-232はclofibrateとは異なり連続経口投与したラットの肝においてペルオキシゾームを増殖させなかった.以上の成績からKCD-232投与による血中CHの低下は,肝でのCH合成抑制と腸管からの吸収抑制の両作用に,又TGの低下は肝における脂肪酸合成抑制作用に一部は依存していることが示唆された.KCD-232は構造的にも作用的にもclofibrateと異なり,又NAと比べても血中CHの低下および上昇抑制作用は強く,その作用機作も異なると考えられた.
  • 天沼 二三雄, 奥山 茂, 折笠 修三, 橋本 早苗, 山田 智恵子, 阪川 隆司, 筒井 良文, 樽本 保男, 相原 弘和, 亀山 勉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 345-354
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    oxaprozinの鎮痛・解熱作用を,indomethacin,ibuprofen,phenylbutazone,aspirinの作用と比較検討した.鎮痛作用:マウスの各種writhing法(aceticacid,phenylquinone,acetylcholine)に対するoxaprozinの作用は,indomethacinより弱かったが,ibuprofenの2~3倍,phenylbutazoneの7~9倍,aspirinの5~8倍の効力であった.また,マウス圧刺激法では,oxaprozinはibuprofenと同程度の作用を示したが,indomethacin,phenylbutazone,aspirinでは作用が認められなかった.一方,ラットの各種炎症性疹痛(Randall and Selitto法,硝酸銀関節炎,adjuvant関節炎)に対するoxaprozinの作用は,asp量rinより若干強い程度で,indomethacin,ibuprofen,phenylbutazoneより弱かった.イヌでの尿酸関節炎の場合,予防試験ではoxaprozinにのみ作用が認められ,治療試験でのoxaprozinのf乍用はindomethacinより弱かったがaspirinより強かった.解熱作用:酵母発熱ラットに対するoxaprozinの作用は,ラットでの鎮痛作用と同様に,aspirinより若干強い程度で,indomethacin,ibuprofen,phenylbutazoneより弱かった.また,各薬物ともに正常体温に対しては影響なかった.oxaprozinの効力はマウスとラットで差が認められたが,ラットに於けるoxaprozinの代謝速度はマウスの約3.5倍,イヌの約7.2倍速く,血中濃度も低い事が知られているので,この差が薬効差に関与しているものと思われる.
  • 壬生 寛之, 長谷川 順一, 丹羽 雅之, 野崎 正勝, 鶴見 介登, 藤村 一
    1984 年 83 巻 4 号 p. 355-362
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    ラット貧食細胞が貧食時に産生する活性酸素はルミノールと反応することによって光を発する.このchemilumincscence測定法と従来より用いられているLDH-NADH法による活性酸素測定法とを比較するとともに,非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の影響を検討した.腹腔および胸腔内滲出細胞はザイモザン貧食時に強いluminol dependent chemiluminescence(CL)を発したが,全血利用の場合は極めて弱いものであった.スーパーオキサイドジスムターゼ,カタラーゼ,NaN3およびL-ascorbic acidはCL法と正DH-NADH法ではかなり異なる抑制作用を示し,測定する活性酸素種に違いがあると考えられた.しかしNSAIDは両方法ともBW755Cをのぞいて弱い抑制作用しか認められないという点で一致していた.ex vivoにおいてもNSAIDはBW755Cをのぞいて全く影響はなく,in vitroでの弱い抑制作用は細胞膜に対する非特異的な膜安定化による貧食機能の低下によるものと考えられた.またCL法は全血を用いても測定可能であり,貧食細胞が産生するスーパーオキサイドおよびその代謝産物を含む活性酸素全体の把握または細胞機能の測定には,簡単で極めて有用な試験法になり得ることが示唆された.
  • 南 勝, 富樫 広子, 佐野 真知子, 斉藤 巖, 野村 朗, 小池 勇一, 黒澤 美枝子, 斉藤 秀哉
    1984 年 83 巻 4 号 p. 363-371
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    群大式automatic Ambulo-Drinkometerを用いて,1)ラットの自発運動と飲水行動とを同時に長時間記録し,2)両行動の時間生物学的分析法を検討し,3)この両行動におよぼすclonidineとguanfacineの影響をみた.さらに,4)代謝ケージを接続したDrinkometerによって行動と代謝データーを同時に得られる装置を試作検討した.時間生物学的には,自己相関関数を求め,フーリェ変換を行いパワースペクトル分析を行った.その結果,1)明暗を逆転した環境に馴化するのにおよそ10日間が必要であった.2)パワースペクトル分析によって脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の雌の行動リズムは,24時間の概日リズムのほかに,およそ5日間の長い行動周期が見出された.3)Wistar京都ラットもSHRSPも,ともに週齢を重ねるにつれて自発運動が減少する傾向を示した.4)clonidineもguanfacineも,ともにそれぞれの投与中の行動は,投与前と比較して有意な変動を示さなかったが,投与中止後に,24時間より短い行動リズムであるウルトラディアンリズムがみられた,投与中止後のウルトラディアンリズムの出現は,自発運動および飲水行動ともにみられた,この行動リズムの異常の出現は,clonidine投与中止後にあらわれ,しかもguanfacine投与中止後にもみられることより,これらの薬物の中断(withdrawal)現象の一つを示すものと思われた.5)飲水行動と尿中へ排泄された体液性因子を同時に測定した結果,飲水行動,尿量,尿中アルドステロン排泄量:および尿中カテコールアミン排泄量はともに暗期で大,明期で小の傾向がみられた.以上より,auto maticAmbulo-Drinkometerは行動薬理学の研究にとって非常に有用であることが示された.今後の行動薬理学の研究においては,振幅である活動量の多少を分析するぼかりでなく,時間生物学的に行動リズムを周波数分析により求め,さらに尿中へ排泄される体液性因子の測定をも同時に行うべきと思われた.
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