家兎腹水系多核白血球(polymorphonuclear leucocytes,PMN)のin vitroでの白血球性発熱物質(leucocytic pyrogen,LP)生成遊離機構を明らかにするために,まずPMNを培養して経時的に細胞外のLPの発熱活性と,細胞内各種分画の発熱活性の消長を調べた.つぎにPMNの培養に伴うLPの生成遊離と,lysosomeの動態をβ-glucuronidaseの活性を指標にして測定し,両者の相互関係を追求して,次のごとき実験成績がえられた.1)microsomeおよびlysosome分画は細胞外LPと異なるtime lagの長い持続的上昇を示す発熱パターンであった.105,000g上清は細胞外LPと同じくtime lagの短い典型的な内因性pyrogenの発熱パターンを示した.2)37°CでPMNを培養したとき,細胞外LPの活性は60分がもっとも強く,105,000g上清分画は30分がもっとも強かった.3)37°CでPMNを培養したとき細胞外え遊離される総蛋白は培養30分までにほぼ完了していた.また105,000g上清分画の蛋自量も培養30分までに著明に減少した.4)PMNを37°Cで細菌性発熱物質(lipopolysaccharide,LPS)と共per,培養するとlysosomeの崩壊が促進されたがPMNより分画して得たlysosomeとLPSとを37°Cで培養してもlysosomeの崩壊は認められなかった.
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