新規抗アレルギー薬MY-5116:isoamyl 5,6-dihydro-7,8-dimethyl-4,5-dioxo-4
H-pyrano[3,2-
c]quinoline-2-carboxylateおよびその主要代謝物MY-1250:5,6-dihydro-7,8-dimethyl-4,5-dioxo-4
H-pyrano[3,2-
c]quinoline-2-carboxylic acidのラット48時間homologous passive cutaneous anaphylaxis (PCA)ならびにラット腹腔浸出細胞(PEC)からのhistamineおよびSRS遊離に対する作用を他剤と比較検討し,さらにhistamineならびにLTD
4に対する拮抗作用の有無を検討した.ラットPCAに対し,MY-5116は3mg/kg以上で,tranilastは300mg/kg以上で,ketotifenは0.3mg/kg以上の経口投与でそれぞれ抑制作用を示した.PECからの抗原抗体反応によるhistamine遊離に対して,MY-1250,DSCGおよびtranilastは濃度に依存して抑制し,そのIC50はそれぞれ4.9×10
-8g/ml,4.8×10
-6g/mlおよび4.6×10
-6g/mlであった.一方,ketotifenは10
-5g/mlでは有意な抑制作用を示したが,10
-4g/mlでは逆にPECからのhistamine放出作用を示した.PECからの抗原抗体反応によるSRS遊離に対して,MY-1250,tranilastおよびDSCGは濃度に依存して抑制作用を示し,そのIC50はそれぞれ1.6×10
-6g/ml,2.1×10
-6g/mlおよび2.3×10
-4g/mlであった.A23187によるPECからのSRS遊離に対し,MY-1250およびtranilastは10
-5g/ml以上の濃度で軽度に抑制した.一方,DSCGは10
-5 ?? 10
-3g/mlの濃度でほとんど作用は認められなかった.また,histamine,bradykininおよびserotoninによるラット皮膚血管透過性亢進に対して,MY-5116は300mg/kg,p.o.でserotoninによる反応を軽度に抑制したが,その他の反応に対しては,何ら作用を及ぼさなかった.LTD
4によるモルモット気道抵抗増加,モルモット摘出回腸および摘出気管の収縮に対し,MY-5116およびMY-1250は何ら作用を及ぼさなかった.
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