日本薬理学雑誌
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88 巻 , 3 号
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  • 宮川 季士, 安藤 隆一郎, 桜田 忍, 桜田 司, 木皿 憲佐
    1986 年 88 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    27匹の成熟ネコを用い,歯髄刺激が扁桃核単一ニューロン活動に及ぼす影響について検討したところ次の結果が得られた.1)扁桃核ニューロン57例中8例は,非侵害刺激(hair bending,tapping)のみに反応し,7例は侵害刺激(pinch)と非侵害刺激の両方に反応し,18例は歯髄刺激と侵害刺激と非侵害刺激のすべてに反応したが,24例はいずれの刺激にも反応しなかった.2)歯髄刺激に反応した扁桃核ニューロンは,nucleus amygdaloideus centralis (pars lateralis)〔Acl〕,nucleus amygdaloideus centralis (pars medialis)[Acm] nucleus amygdaloideus basalis (pars magnocellularis)[Abm]に局在していた.3)扁桃核ニューロンの歯髄刺激による反応は,morphine投与後著明に抑制され,さらにそれはnaloxoneで拮抗した.
  • 吉竹 郁文, 久保 和博, 池田 信男, 児玉 逸雄, 外山 淳治, 山田 和生
    1986 年 88 巻 3 号 p. 179-187
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    家兎のLangendorff灌流心と洞結節標本及びモルモット右室乳頭筋標本を用いて,KW-3049の心臓の電気生理学的特性に及ぼす影響を検討した.KW-3049は10-7M以上の濃度で用量依存的に家兎灌流心の心房-His束電位間隔を有意に延長させたが,His束-心室電位間隔には全く影響を及ぼさなかった.家兎洞結節歩調取り細胞の膜活動電位については,10-8M以上の濃度の.KW-3049により自発興奮間隔が有意に延長し,10-6Mでは活動電位振幅と0相の最大立ち上り速度(Vmax)も減少した.モルモット乳頭筋を用いた正常外液K+(4mM)下の深い静止電位(約-90mV)から生ずる活動電位と高K+(20mM)下の浅い静止電位(約-50mV)からisoproterenol存在下で生ずる活動電位(緩徐反応)に対する作用を検討した.正常外液K+下では10-6M以上のKW-3049により活動電位持続時間がわずかに短縮したが,5×10-6Mの高濃度においてもVmaxや静止電位には変化が生じなかった・一方,高K+下の緩徐反応については,10-9M以上のKW-3049によりVmaxが有意に減少し,10-8M以上では活動電位振幅や活動電位持続時間も減少した.0.2Hzの定常状態におけるKW-3049の緩徐反応抑制作用の力価はnifedipineよりわずかに弱く,verapamilより10~100倍強かった.またKW-3049は1mMのBaCl2を加えて誘発した心室筋の自発興奮活動電位を10-7M添加16分後に停止させた.以上の結果より,KW-3049が心筋のCa2+チャンネルに対して,nifedipine類似の強力で特異的な抑制作用を有することが示唆された.
  • 芦田 康子, 岡本 加世子, 牧 良孝
    1986 年 88 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    感作モルモット肺切片において,抗原抗体反応によりslow reacting substance of anaphylaxis (SRS-A)が生成遊離される.我々はubiquinone関連化合物quinonyl acidおよびquinonyl alcoholが10-7Mの濃度から,この反応を抑制すること,および活性発現には6位の側鎖に至適炭素数が存在し,炭素数10~13で最も強い抑制作用を示すことを見い出した.これらの化合物はモルモット回腸標本での抗SRS-A作用を示さず,SRS-A生合成過程を阻害すると考えられる.
  • 佐藤 正巳, 石川 浩, 仁保 健, 溝田 雅洋
    1986 年 88 巻 3 号 p. 195-203
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    ショック時の細胞内エネルギーレベルの低下に対するウリナスタチンの影響を検討した.ウリナスタチン50,000U/kgの静注により,ドラムショック負荷ラットの肝および膵のtotal adenine nucleotides (TA)レベルおよびenergy charge (EC)の低下が改善された.ウリナスタチン3,000U/mlにより,ショック負荷動物血清添加によるラット細切肝組織のECの低下が改善され,また,アプロチニン3,000U/mlによっても細切肝組織ECの低下が改善された.ウリナスタチン1,000U/mlにより,ショック負荷動物血清添加によるラット肝ミトコンドリアの呼吸活性の低下が改善されたが,アプロチニン1,000U/mlでは改善されなかった.ラット正常血清で灌流したラットの摘出肝において,ウリナスタチン3,000U/mlはATPおよびTAレベルならびにECに影響を与えなかった.これらのことより,ウリナスタチンは正常肝エネルギー代謝に影響を与えることなく,アプロチニンと異なってショック下のエネルギー産生低下を回復しえたが,その機序はショック時に血中に遊出されてエネルギー産生を抑制する成分に対する抑制作用および間接的作用としてのadenine nucleotide pool保持作用が寄与しているものと考えられた.
  • 小野 尚彦, 山崎 靖人, 山本 紀之, 角南 明彦, 三宅 秀和
    1986 年 88 巻 3 号 p. 205-213
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    indomethacin(IND)の誘導体であるproglumetacin maleate (PGM)の胃腸管障害作用をINDと比較検討した.ラットにPGMあるいはPGMと等モル用量のINDを経口投与し,胃および小腸粘膜障害の発生経過を検討した.PGMの胃および小腸粘膜障害作用のピークはそれぞれ投与後4および24時間で認められた.経口投与4時間後のPGMの胃粘膜障害作用は,絶食ラットにおいてモル比でINDの約1/7,摂食ラヅトにおいて約1/10であった.また経口投与24時間後のPGMの小腸粘膜障害作用はモル比でINDの約1/2であった.一方,PGMを7日間連続経口投与した際の胃粘膜障害作用はモル比でINDの約1/3,小腸粘膜障害作用は約1/2であり,INDよりも明らかに軽度であった.PGMの胃腸管障害がINDに比べて極めて弱かったことは,PGMの粘膜直接刺激作用が弱いことを反映しているものと考えられる.また腸管でのprostaglandin (PG)生合成阻害作用をマウスのアラキドン酸誘発下痢抑制作用を指標にして検討した.被験薬1あるいは4時間前投与時のいずれの場合もPGMの効果はモル比でINDの約1/2であり,PGMの腸管でのPG生合成阻害作用はINDよりも弱いものと考えられる.以上の結果から,PGMはリウマチ性疾患等の長期連用を要する炎症性疾患に対し治療係数の高い安全な非ステロイド性抗炎症薬であるものと考えられる.
  • 石黒 淳三, 溝田 雅洋, 佐藤 正巳, 舩戸 秀幸, 中嶌 裕之, 山崎 眞利, 栢本 美沙江
    1986 年 88 巻 3 号 p. 215-222
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    麻酔開胸犬におけるurokinase冠動脈内投与の生体内動態および循環器系に及ぼす影響ならびにモルモット摘出心臓への影響について検討した.125I-urokinase20,000IU/kg冠動脈内投与の生体内動態においては,血漿中濃度の消失は2相性を示し,その消失半減期は6.8分および4.4時間であった.また投与4時間後の血漿中TCA不溶性放射能の存在比は32%と少なく,尿中の総放射能(投与量の4.70%)に占めるTCA不溶性放射能の存在比も0.31%の低値であったことから,大部分が低分子に代謝されていると考えられた.循環動態において,urokinase冠動脈内投与後urokinaseの線維素溶解作用により開胸手術創からの出血に基づくと考えられる心機能の低下が観察されたが,2,000,000IU/kg(治療量の約100倍相当)を最高投与量としたurokinaseの循環器系への直接作用はほとんどないと思われた.このことは,モルモット摘出心臓において,urokinase(10,000~1,000,000IU/heart)が心収縮力,心拍数および冠灌流量に対して影響を及ぼさなかったことからも支持された.以上の結果より,urokinaseの冠動脈内投与時の生体内動態は静脈内投与時のそれと本質的に差がなく,また冠動脈内投与による循環器系への直接的な影響はほとんどないことが確認された.
  • 河野 浩行, 瀬山 義幸, 山下 三郎, 荒牧 元, 井上 肇, 山田 俊雄, 山田 和雄, 石川 正
    1986 年 88 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    アレルギー性鼻炎に対するヨード強化卵(ヨード卵)の効果を,基礎的ならびに臨床的に検討した.その結果,1)ヨード卵は,実験的にアレルギー性鼻炎モデルを用いた検討で,鼻汁中の色素漏出を抑制した,2)同時に,鼻汁中のβ-glucuronidase活性の漏出も抑制した.3)一方,一部の通年性アレルギー性鼻炎患者に対するヨード卵の長期投与で,症状の改善が見られた.4)さらに,患者の鼻汁中β-glucuronidase活性の低下傾向が見られた.5)以上から,ヨード卵は,アレルギー性鼻炎に対して有効であると考えられた.
  • 山田 昇, 高橋 和雄, 遠藤 かのう, 荒井 安洋
    1986 年 88 巻 3 号 p. 229-237
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    新規抗アレルギー薬MY-5116:isoamyl 5,6-dihydro-7,8-dimethyl-4,5-dioxo-4H-pyrano[3,2-c]quinoline-2-carboxylateおよびその主要代謝物MY-1250:5,6-dihydro-7,8-dimethyl-4,5-dioxo-4H-pyrano[3,2-c]quinoline-2-carboxylic acidのラット48時間homologous passive cutaneous anaphylaxis (PCA)ならびにラット腹腔浸出細胞(PEC)からのhistamineおよびSRS遊離に対する作用を他剤と比較検討し,さらにhistamineならびにLTD4に対する拮抗作用の有無を検討した.ラットPCAに対し,MY-5116は3mg/kg以上で,tranilastは300mg/kg以上で,ketotifenは0.3mg/kg以上の経口投与でそれぞれ抑制作用を示した.PECからの抗原抗体反応によるhistamine遊離に対して,MY-1250,DSCGおよびtranilastは濃度に依存して抑制し,そのIC50はそれぞれ4.9×10-8g/ml,4.8×10-6g/mlおよび4.6×10-6g/mlであった.一方,ketotifenは10-5g/mlでは有意な抑制作用を示したが,10-4g/mlでは逆にPECからのhistamine放出作用を示した.PECからの抗原抗体反応によるSRS遊離に対して,MY-1250,tranilastおよびDSCGは濃度に依存して抑制作用を示し,そのIC50はそれぞれ1.6×10-6g/ml,2.1×10-6g/mlおよび2.3×10-4g/mlであった.A23187によるPECからのSRS遊離に対し,MY-1250およびtranilastは10-5g/ml以上の濃度で軽度に抑制した.一方,DSCGは10-5 ?? 10-3g/mlの濃度でほとんど作用は認められなかった.また,histamine,bradykininおよびserotoninによるラット皮膚血管透過性亢進に対して,MY-5116は300mg/kg,p.o.でserotoninによる反応を軽度に抑制したが,その他の反応に対しては,何ら作用を及ぼさなかった.LTD4によるモルモット気道抵抗増加,モルモット摘出回腸および摘出気管の収縮に対し,MY-5116およびMY-1250は何ら作用を及ぼさなかった.
  • 稲場 均, 加藤 克明, 大澤 伸雄, 中山 和男
    1986 年 88 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    ヒト尿より精製した酵素阻害剤ウリナスタチン(以下MTIと略す)の抗DIC作用について検討した.MTIの静脈内投与により,エンドトキシン誘発DICラットにおける部分トロンボプラスチン時間の延長およびFDPの増加は有意に抑制され,血小板数あるいはフィプリノーゲン量の減少およびプロトロンビン時間の延長は抑制される傾向を示した.また,エンドトキシン誘発DIGウサギ血液にMTIを添加してトロンボエラストグラムを測定すると,エンドトキシンによるrあるいはk値の短縮,maあるいはmε値の増加に対する抑制が認められた.以上のようなMTIのin vivoおよびin vitroにおける抗DIC作用機序として,XII因子に対する阻害作用および組織トロンボプラスチン遊離抑制作用が示唆された.
  • 高橋 和雄, 遠藤 かのう, 山田 昇, 門脇 修一郎, 荒井 安洋, 菅沢 久美子
    1986 年 88 巻 3 号 p. 245-254
    発行日: 1986年
    公開日: 2007/03/02
    ジャーナル フリー
    新規抗アレルギー薬MY-5116:isoamy15,6-dihydro-7,8-dimethyl-4,5-dioxo-4H-pyrano[3,2-c]quinoline-2-carboxylateのI~IV型アレルギー反応に対する作用およびIgE抗体産生に対する作用を検討した.1)I型アレルギー反応:モルモット7日間homologous PCA反応に対して,MY-5116は30および100mg/kg,i.p.で,用量に依存した抑制作用を示した.一方,比較薬のdisodium cromoglycate (DSCG)は,10~100mg/kg,i.p.で,何ら作用は認められなかった.また,モルモット3時間heterologous PCA反応に対して,MY-5116は100mg/kg,i.p.で有意な抑制作用を示した.マウスのactive systemic anaphylaxis反応に対して,MY-5116は30~300mg/kg,p.oで,何ら作用を示さなかった.さらに,モルモットのSchultz-Dale反応に対して,MY-5116の主要活性代謝物であるMY-1250は,10-5~10-3g/mlで何ら作用を示さなかった.2)II~IV型アレルギー反応:II型アレルギー反応のラットreversed cutaneous anaphylaxis反応およびモルモットForssman反応に対し,MY-5116は何ら作用を示さなかった.また,III型アレルギー反応のマウスArthus反応およびIV型アレルギー反応のマウス遅延型足浮腫反応に対して,MY-5116は何ら作用を示さなかった.3)IgE抗体産生:C3H/HeおよびBALB/cマウスならびにラットのIgE抗体産生に対して,MY-5116は10~100mg/kgの14および21日間連続経口投与で,何ら影響を及ぼさなかった.以上の結果からMY-5116はI型アレルギー反応に対して特異的な抑制作用を有し,特にIgE抗体が関与するアレルギー反応を抑制する薬物であることが明らかとなった.
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