HgCl
2によるラットの急性腎不全に対するazosemideの利尿効果をfurosemideの場合と比較検討した.HgCl
2 1,2ないし4mg/kgを1回皮下投与することにより急性腎不全を惹起させ,被検薬物をHgCl
2処置後48時間目に投与した.HgCl
2処置後血漿中のurea nitrogenおよびcreatuune値(mg/dl)はHgCl
2の投与量に比例して上昇した.HgCl
2 lmg/kg投与による急性腎不全に対しazosemideは10から40mg/kgの経口投与で尿量(ml/5hr),尿中へのNa
+,K
+,Cl
-排泄(mEq/5 hr)を用量依存的に増加させ,40mg/kgにおいては尿量を3.5倍,尿中へのNa
+,K
+,Cl
-排泄をそれぞれ4.5,2.1および4.1倍増加させた,この場合,この薬物は血漿電解質に対しては影響を示さなかったが,20皿g/kg以上の用量で血漿urea nitrogenおよびcreatinine値を有意に増加させた.azosemideの利尿効果はHgCl
2 1mg/kgよりもHgGl
2 2mg/kgによって惹起した急性腎不全ラットにおいて著しく減弱された.HgCl
2 2mg/kg処置の場合の利尿効果は40から320mg/kgの経口投与で用量依存的であった.血漿電解質,urea nitrogenおよびcreatinine値はこの薬物によりほとんど影響を受けなかった.HgCl
2 4mg/kgを受けたラットにおけるazosemideの利尿効果はHgCl
2 2mglkgの場合に比べてさらに著しく減弱された.この場合,azosemideは320mg/kgにおいて尿量を2.6倍,また尿中へのNa
+,K
+,Cl
-排泄をそれぞれ4.8,4.6および3.9倍増加させた.しかし,いずれの血漿パラメーターもこの薬物によって影響を受けなかった.azosemideの利尿効果は特にHgCl
2 2および4mg/kgによって惹起した急性腎不全の場合にfurosemideよりも若干強力であった.
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