日本薬理学雑誌
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97 巻 , 1 号
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  • 岩尾 洋, 安部 陽一
    1991 年 97 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    Recent advances in molecular biological techniques provide us with genetic approaches for studying the renin-angiotensin system. Renin and angiotensinogen cDNAs have been cloned in several species, and the sequences are highly conserved between the species. The 5'-flanking region of the human renin gene indicated putative regulatory sequences of glucocorticoid, estrogen, progesterone, and cAMP. The 5'-flanking region of the human angiotensinogen gene also had putative regulatory sequences of glucocorticoid, estrogen, acute phase protein, and cAMP. These structures may be related to the tissue specific expression of the renin and angiotensinogen genes. In this review, expression of rat renin and angiotensinogen genes in various tissues in the following conditions are described: a) different sodium intake in the liver, kidney, and brain; b) angiotensin II and converting enzyme inhibition in the liver, kidney and brain; c) renovascular hypertension in the kidney and liver; d) aging in the liver and kidney; e) adrenal steroids in the liver, kidney and brain; f) gonadotropin and testosterone in the testes, liver and kidney; g) triiodothyronine in the liver, kidney and brain; h) nephrectomy in the liver and brain ; i) high potassium, angiotensin II, sodium intake and nephrectomy in the adrenal gland; j) transgenic animals. Our results suggest that the expression of the renin and angiotensinogen genes are regulated in a tissue-specific manner.
  • 服部 智久, 伊藤 幹雄, 鈴木 良雄
    1991 年 97 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    S.D.系雄性ラットに抗GBM腎炎を惹起し,crude saikosaponin a,cならびにd(0.5,1.0および5.0mg/kg/day,i.p.)を抗血清静注日から11日目まで投与した.crude saikosaponin,saikosaponin aならびにd(5.0mg/kg/day)は尿中蛋白排泄量を有意に抑制し,さらに血中コレステロール含量を低下させた.また,組織病理学的な指標である富核や癒着を用量依存的に改善した.しかしながらsaikosaponin cは著しい効果が見られなかった.次にsaikosaponin類の抗腎炎作用機序を検討する目的で血小板凝集能,内因性コルチコステロンならびに活性酸素スカベンジャーに対する影響を検討した.crude saikosaponinならびにsaikosaponin d5.0mg/kg投与群では充進した血小板凝集能の抑制作用がみられ,saikosaponin dの投与では血中ならびに副腎中コルチコステロンの著明な上昇が認められた.さらにcrude saikosaponinは活性酸素スカベンジャーである腎内superoxide dismutase(SOD),catalaseならびにglutathione peroxidaseの活性を上昇させ,saikosaponin a投与群でも同様な作用が認められた.従ってcrude saikosaponinはオリジナルタイプ抗GBM腎炎に対して有効であり,その抗腎炎効果には,saikosaponin aとdが関与するものと思われる.また,作用機序としてsaikosaponinの血小板凝集能抑制作用,コルチコステロン上昇作用ならびにスカベンジャー上昇作用が関与することが示唆された.
  • 米田 智幸, 加藤 久宜, 吉田 昭彦, 尾関 正之, 田頭 栄治郎
    1991 年 97 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    新規非ステロイド性抗炎症薬CN-100のin vitroにおけるラット腹腔多形核白血球(PMN)機能に対する作用を検討した.オプソニン化zymosan(OZ)刺激およびN-formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine(FMLP)刺激によるPMNからのsuperoxide(O2-)産生,およびluminol依存性化学発光に対しCN-100は抑制作用を示し,その作用はindomethacinと同等以上であり,pranoprofenよりも強かった.しかし,phorbol 12-myristate 13-acetate刺激によるPMNからのO2-産生に対し,CN-100はindomethacinおよびpranoprofenと同様に抑制作用を示したもののその作用は弱く,hypoxanthine-xanthine oxidase系における2-消去作用と明確な差は認められなかった.また,cytochalasin Eで前処理したPMNをFMLPまたはOZで刺激することにより生じるlysosomal enzymeの遊離に対しCN-100およびindomethacinは抑制作用を示し,その作用はpranoprofenよりも強かった.CN-100およびindomethacinは,FuraII-loaded PMNをFMLPで刺激した時に見られる細胞内Ca2+濃度の上昇を抑制した.CN-100のlysosomal enzyme遊離抑制作用および細胞内Ca2+濃度上昇抑制作用はPMNを洗浄することにより消失した.これらの結果から,CN-100はindomethacinと同様にPMN細胞膜に対して可逆的に結合し,細胞内Ca2+濃度の変化により開始する情報伝達を阻害し,PMNの多くの機能を抑制している可能性が示された.また,CN-100のPMN機能抑制作用はindomethacinとほぼ同等であることから,これらの作用はCN-100の抗炎症作用の一機序になっているものと推察された.
  • 山田 勝士, 古川 達雄
    1991 年 97 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    マウス,ラットを用いてsetiptiline(1,2,3,4-tetrahydro-2-methyl-9H-dibenzo〔3,4 : 6,7〕cyclohepta〔1,2-c〕pyridine maleate)の抗うつ薬としての行動薬理学的特性について,amitriptylineおよびpromethazineと比較検討した.setiptiHneはラットにおいて,軽度の自発運動尤進作用をもつとともに,methamphetamineによる運動興奮を増強させた.また本薬はラットにおいて,強制水泳の不動化時間を短縮し,さらにhaloperidol誘発カタレプシー,physostigmine誘発あくび行動,5-hydroxytryptophan誘発体振り行動および首振り行動,morphine禁断誘発体振り行動などを抑制した。他方,マウスにおいて,reserpine誘発低体温に対する拮抗作用は認められなかった.これらの結果から,setiptihneは,三環性抗うつ薬とは異なる抗うつ効果を有する可能性が示唆された.
  • 中神 啓仁, 稲村 恵, 中野 雄司, 小林 洋四郎
    1991 年 97 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    Forssman抗血清によるモルモットの肺傷害に及ぼすliposome化recombinant human superoxide dismutase(liposome-r-h-SOD)の影響について検討した.モルモットにForssman抗血清を静注すると気道抵抗の2相性の増大が生じる.liposome-r-h-SODはこの2相性の増大を用量依存的に有意に抑制し,形態学的にも細動脈周囲結合組織の出血や肺胞内の浸出液の貯留を抑制した.なお,反応惹起5分前投与よりも30分前投与の方がより有効であった.一方,freer-h-SODおよびfreer-h-SODとempty liposomeの併用は肺傷害を抑制しなかった.ブタ培養血管内皮細胞とともに培養するとfree SODの場合では内皮細胞のSOD活性はほとんど変化しなかったが,liposome-r-h-SODでは用量および培養時間に依存してSOD活性が増加した.さらに,liposome-r-h-SODをモルモットに投与すると肺の細動脈および毛細血管の内皮細胞ならびに肺胞上皮細胞に外因性SODが分布しているのが確認された.以上の成績より,Forssman抗血清によるモルモットの肺傷害には活性酸素が関与していることが示唆された.また,静脈内投与したliposome-r-h-SODは肺の血管内皮細胞に付着あるいは取り込まれ,血管内皮細胞局所でのSOD濃度の増加と持続性が高まり活性酸素による肺傷害を防いでいる可能性が示唆された.
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