日本薬理学雑誌
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107 巻 , 4 号
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  • 山村 堯樹
    1996 年 107 巻 4 号 p. 173-182
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    Despite being small and simple in structure the nitric oxide free radical (NO·) is now proving to be of vital physiological significance, and it has been shown to play important roles in complex processes such as vasodilatation, inflammation, thrombosis, immunity and neurotransmission. To conduct meaningful research into the role of NO·, it is necessary to accurately determine its concentration. Its direct and quantitative measurement, however, has been little discussed inspite of the abundance of studies on this compound. Generally most authors refer to indirect qualitative measurements, such as employment of NO-synthase inhibitors, measurement of cGMP or citrulline, and the detection of NO·-induced physiological effects such as vascular relaxation. The primary difficulties in the direct measurement of NO stem from its short lifetime and very low concentrations. Notwithstanding these problems, several quantitative methods for measuring NO· have been established. The most commonly used techniques are as follows: 1) UV-visible spectrophotometry of the diazotization product of the nitrite, NO-hemoglobin or methemoglobin, 2) fluorometry of the fluorescent product of the nitrite, 3) detection of chemiluminescence by its reaction with ozone or luminol/H2O2, 4) amperometric microelectrode assay, and 5) electron spin resonance spectrometry. All the aforementioned techniques have certain limitations that should be considered carefully prior to each application.
  • 小林 護, 品川 和彦, 杉浦 勝, 長沢 達也, 赤羽 増夫, 味澤 幸義
    1996 年 107 巻 4 号 p. 183-195
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    覚醒ラットもしくはマウスを用いて3種類の実験的急性膵炎を作製し,新しく開発されたコレシストキニン-A受容体拮抗薬KSG-504の急性膵炎に対する作用を生化学的・組織学的に比較検討した.まず覚醒ラットにセルレイン20μg/kgを1時間ごとに4回皮下投与して,急性膵炎を作製し,KSG-504の予防および治療的効果を検討した.KSG-504前投与(10,25,50および100mg/kg,i.v.)はセルレインによる血漿アミラーゼ値およびリパーゼ値の上昇を用量依存的かつ有意に抑制した.また,膵組織湿重量の増加も抑制し,組織学的にも膵の間質性浮腫,膵腺房細胞内空胞化および炎症性細胞浸潤の変化を用量に依存して改善した.さらにセルレイン最終投与30分後にKSG-504(25,50および100mg/kg,i.v.)を投与した場合でも,セルレイン膵炎は用量依存的に抑制され,治療的効果も確認できた.また6%タウロコール酸ナトリウム(0.3ml)の膵間質内注入により誘発した急性膵炎に対して,KSG-504(20,50および100mg/kg)を作製直後および作製L5時間後の2回静脈内投与すると,血漿アミラーゼ値,血漿リパーゼ値の上昇および膵湿重量,腹水量の増加は用量依存的かつ有意に抑制された.組織学的にも膵炎の改善傾向が認められた.さらに,マウスのエチオニン膵炎においても,KSG-504(10,30および100mg/kg,s.c.)投与により延命効果が確認できた.KSG-504が各種急性膵炎に対して明らかな予防あるいは治療的効果を示したことから,CCKが急性膵炎の発症または進展に深く関与していることが考えられるとともに,CCK拮抗薬の急性膵炎治療薬としての有用性も示唆された.
  • 森 千嘉子, 夏木 令子
    1996 年 107 巻 4 号 p. 197-203
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    工タノールのNO合成酵素(NOS)活性に及ぼす影響について,ニワトリ胚子大脳培養細胞を用いて,組織学的,生化学的に検討した.培養細胞は,ホワイトレグホン受精卵の胚形成期3日目に10%工タノールを肺胞に投与し(工タノール群),一方では,生理的食塩液を投与(対照群)した13~14日齢の胚子から,大脳細胞を遊離し,常法に従い培養した.培養細胞における,NADPHジアホラーゼの発現は,ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)を用いる染色法で行った.次いで,NOSの活性測定として,NBTを基質とし,NADPHを補酵素とするNADPHジアホラーゼ活性を測定した.また,[3H]アルギニンから[3H]シトルリンへの変換量(NOS活性)を測定し,NOS活性とした.1胚子大脳より,3~4×106個の遊離細胞が得られ,その生存率は97%以上で,対照群,工タノール群ともに差はなかった.培養細胞の染色において,NADPHジアホラーゼ陽性の神経は,培養3日目頃から両群に観察されたが,顕微鏡下における肉眼では,その染色度合いは,両群間に差はなかった.次いで,NADPHジアホラーゼ活性,NOS活性は,遊離細胞において,工タノール群の方が対照群より有意に高い活性を示した.培養細胞において,NADPHジアホラーゼ活性は,培養4日目から工タノール群の方が対照群より有意に高い活性を示し,一方,NOS活性は,培養2日目から工タノール群の方が対照群より有意に高い活性を示した.以上,慢性エタノールによる,NADPHジアホラーゼおよびNOSの活性化および誘導により放出されるNOが,神経細胞障害に関与していることが推察された.
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