ラット脳P
2画分をbacitracinの20μMを含むKrebs Ringer bicarbonate bufferに懸濁し,37°Cで10分間95% O
2-5% CO
2下でインキュベートした。インキュベートは4°Cと10,000×gで10分間の遠心分離で停止した.上清をS
1とし,沈渣から懸濁,インキュベーションと遠心分離をくり返すことによってS
2からS
4を得た.各Sについてラジオイムノアッセイを行い,2 : 1の比における[
5Met]-と[
5Leu]-enkephalinの自然遊離を認めた.各ペプチドの含量はS
1からS
4へ次第に減少したが,遊離はS
3とS
4で一定となる傾向を示した.そこでイオンや薬物の遊離に対する効果はS
3を得る段階で比較した,両ペプチドの遊離は50mM KCl bufferで有意に刺激され,この刺激効果はCa
2+濃度に依存した.veratrineとA23187も効果的な遊離刺激剤であった.一方自然もしくはK
+-刺激遊離のいずれも,molphine(1μM),naloxone(1μM),kyotorphin(1と10μM)やLi+(50mM)で影響されなかった.同様な結果は,P
2画分にin vitroでとりこませた
3H-noradrenalhleの遊離でも得られた.両エンケファリンの刺激と共役した遊離機構の研究上,in vitroモデルとしてのP
2画分の有用性を認めると共に,2,3の問題点を指摘した.
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