日本薬理学雑誌
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81 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 馬場 明道
    1983 年 81 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    Starting from the findings of Curtis and Watkins in 1960, many studies have been performed to characterize the inhibitory action of taurine on central neurons. Neurochemical and electrophysiological studies have shown the possibility that taurine is an inhibitory neurotransmitter or a neuromodulator. Pharmacological studies have suggested an antiepileptic effect of taurine. The aim of this review is to describe the present status and further aspects of taurine in the central nervous system.
  • 今井 浩達, 丹羽 雅之, 野崎 正勝, 鶴見 介登, 藤村 一
    1983 年 81 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    ウサギを用いてβ-blocker(propranolol,pindolol,alprenolol)の降圧作用,心拍数減少作用に対する抗炎症薬(indomethacin,clidanac)の影響を検討した.同時に,radioreceptor binding assayによって抗炎症薬のβ-adrenoceptorに対する作用も検討した.その結果,抗炎症薬の前処置によって,いずれのβ-blockerの降圧作用も減弱された。しかし,その心拍数減少作用に対しては,ほとんど無影響であった.他方,抗炎症薬を後処置した場合には,β-blockerの作用に対し,有意な影響は認められなかった.また抗炎症薬はモルモット心臓のβ-receptor結合のaffinityには影響せずにBmaxのみを減少させた.以上より,抗炎症薬は生体膜に作用して,β-receptorの反応性を低下きせ,β-blockerの作用を減弱させている可能性が示唆された.
  • 小井田 雅夫, 高橋 正克, 武永 敬明
    1983 年 81 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    ラット脳P2画分をbacitracinの20μMを含むKrebs Ringer bicarbonate bufferに懸濁し,37°Cで10分間95% O2-5% CO2下でインキュベートした。インキュベートは4°Cと10,000×gで10分間の遠心分離で停止した.上清をS1とし,沈渣から懸濁,インキュベーションと遠心分離をくり返すことによってS2からS4を得た.各Sについてラジオイムノアッセイを行い,2 : 1の比における[5Met]-と[5Leu]-enkephalinの自然遊離を認めた.各ペプチドの含量はS1からS4へ次第に減少したが,遊離はS3とS4で一定となる傾向を示した.そこでイオンや薬物の遊離に対する効果はS3を得る段階で比較した,両ペプチドの遊離は50mM KCl bufferで有意に刺激され,この刺激効果はCa2+濃度に依存した.veratrineとA23187も効果的な遊離刺激剤であった.一方自然もしくはK+-刺激遊離のいずれも,molphine(1μM),naloxone(1μM),kyotorphin(1と10μM)やLi+(50mM)で影響されなかった.同様な結果は,P2画分にin vitroでとりこませた3H-noradrenalhleの遊離でも得られた.両エンケファリンの刺激と共役した遊離機構の研究上,in vitroモデルとしてのP2画分の有用性を認めると共に,2,3の問題点を指摘した.
  • 武田 弘志, 笠松 貞夫, 三澤 美和, 柳浦 才三
    1983 年 81 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    brovanexineの去疾効果およびその作用機序を検索する目的で,犬気管分泌細胞に含有される糖蛋白の動態を含めた分泌活性に及ぼす影響について,組織学,組織化学的面から検討を行なった.1)杯細胞に及ぼす影響 : alcian blue(pH2.5)-periodic acid Schiff [AB(pH2.5)/PAS]染色陽性総杯細胞数は,brovanexine(10-7~10-4M),あるいはbromhexine(10-6~10-4M)の30分間in vitro処置に於いて,何ら変化が認められなかった.また,AB (pH2.5)/PAS染色標本に於いて,stain index Blue(B)およびPurple(P)を示す杯細胞数は,両薬物処置群とも濃度依存的な減少を示し,それに伴いstain index Red(R)を示す杯細胞数の増加が認められた.そして,その変化は,bromhexine処置群の方が著明であった.さらに,alcian blue(pH1.0)-periodic acid Schiff [AB(pH1.0)/PAS]染色標本に於いても,stain index BおよびPを示す杯細胞数の著明な減少が両薬物処置群共に認められた.2)気管腺に及ぼす影響 : 固有層の厚さに対する気管腺腺房内径の比率は,両薬物処置群とも濃度に依存した同程度の増加を示した.一方,腺房の厚きは,brovanexiおよびbromhexine共に10-5M処置から減少が認められた.また,両薬物処置により,AB(pH2.5)/PAS染色標本で,stain index BおよびPを示す腺房細胞数の減少,stain index Rを示す細胞数の増加が認められた.さらに,AB (pH1.0)/PAS標本に於いても,stain index BおよびPを示す細胞数が減少を示した.これらの組織化学的変化は,杯細胞同様,bromhexine処置群がより著明であった.3)インキュベーション液中の2,3高分子成分濃度の変化 : 両薬物処置共に,総糖質および蛋白質濃度の増加,N-acetylhexosamine濃度の軽度な減少を誘発した.以上から,brovanexineは,bromhexineとほぼ同程度の気管腺分泌機能亢進作用を有する事が明らかとなった.また,本薬物は,bromhexineより弱いが,気管分泌細胞に含有される酸性糖蛋自に対して溶解作用を示す事が示唆された.
  • 北条 雅一, 吉田 洋一, 長坂 保則, 町田 幸一, 辰巳 煕
    1983 年 81 巻 1 号 p. 39-58
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    新規抗高血圧薬guanabenzの心臓血管系に対する作用を種々の実験動物を用い,clonidineおよびguanethidineとの比較下に検討した.guanabenzは静注により麻酔イヌで一過性の昇圧と持続的な降圧の二相性作用,徐脈作用,呼吸抑制作用ならびにT波の増大,PQとTP間隔の延長などの心電図変化を示した.持続性降圧および徐脈作用は,ネコ,ウサギおよびラットにおいても観察された.同様の心臓血管系の反応は,clonidineにおいても認められたが,guanethidineは若干作用を異にした.guanabenzの降圧および徐脈作用の強さは,clonidineの約1/10,guanethidineの約10倍であった.guanabenzの初期昇圧反応は脊髄切断ネコにおいても認められた.しかし,guanabenzをラット脳室内あるいは延髄孤東核に投与した時には,昇圧反応は消失し,持続性の降圧および徐脈反応のみが観察された.また,guanabenz静脈内あるいは動脈内投与により,イヌ心機能は抑制され,総頸動脈および大腿動脈血流量は減少し,後肢灌流圧は著しく増加した.これらの結果より,guanabenzの初期昇圧作用は末梢性であり,その後に続いてみられる持続性降圧および徐脈作用は中枢性であることが明らかとなった.摘出心房筋標本および大動脈標本において,guanabenzはclonidineおよびguanethidineの1/10以下の濃度で,律動数の減少,収縮力の減弱をひき起こした.また,guanabenzは,心房筋活動電位の立上り速度を減少させた.以上の結果より,guanabenzは低用量で申枢性の降圧作用をひき起こすが,高用量では末梢組織にも直接作用して非特異的機能抑制を惹起することが示唆された.
  • 大幡 勝也, 村田 保, 坂本 博彦, 河野 茂勝, 北条 雅一, 吉田 洋一, 長坂 保則, 秋本 吉信, 嶋田 亮男, 寺本 昇, 辰巳 ...
    1983 年 81 巻 1 号 p. 59-78
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    新規の抗高血圧薬,guanabeRZ(GUB)の末梢神経系ならびにその他の一般薬理作用をclonidine(CLD)およびguanethidine(GUD)と比較検討を加え,以下の成績を収めた.GUBの静脈または経口投与により,ネコ瞬膜の収縮,マウス瞳孔の散大,イヌ胃腸自動運動の抑制と緊張低下,ラット炭末輸送能の抑制,ラット唾液分泌およびラット胃酸分泌の抑制などの諸作用を認めた.また,摘出ウサギ回腸自動運動に対しても同様の抑制作用が認められた.GUBは,瞬膜,ウサギ膀胱および摘出輸精管の交感神経および膀胱の副交感神経電気刺激による収縮反応にほとんど影響をおよぼきないか軽度の抑制作用を示したが,輸精管のnorepinephrine収縮反応に対しては特異的に拮抗した.しかし,epinephrineおよびtyramineによる瞬膜収縮反応と交感神経刺激による輸精管収縮反応に対し,GUBでは増強作用が認められた.GUBは,摘出モルモット回腸とラット胃底条片において,serotonin収縮反応のみ輸精管のnorcpinephrine収縮反応に対すると同濃度で抑制を示し,acetylcholine,histamineおよびBa2+収縮反応に対しては高濃度でのみ抑制を認めた.さらに,GUBは局所麻酔作用,利尿と電解質排泄作用を示したが,神経一筋伝達,子宮自動運動,気管筋および血液系に対し特記すべき作用を示さなかった.GUBに見られるこれらの諸作用はCLDでも同様に認められたが,胃酸分泌に対してはGUBと逆に充進作用を示した.そして,CLDのそれらの作用は一般にGUBより強かった.GUDでは,GUBの作用に比しtyramineや交感神経刺激による収縮反応に対する著明な抑制作用のほかは軽度であった.以上の諸成績から,GUBは一般薬理作用においてほぼCLDと類似した作用態度を示したが,GUDとは異なることが明らかにされた.
  • 大森 健守, 石井 秀衛, 周藤 勝一, 中溝 喜博
    1983 年 81 巻 1 号 p. 79-104
    発行日: 1983年
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    抗アレルギー薬oxatomideの呼吸・循環系,消化器系,自律神経系,生殖・泌尿器系などの末梢レベルにおける薬理作用を検討するとともに,抗原性の有無についても検討した.1)麻酔下のイヌ,ウサギにoxatomideを静脈内投与した場合,1mg/kg以上で軽度の血圧低下,呼吸数増加,1回あたりの呼吸量の減少,心拍数の減少,大腿動脈血流量の増加がみられたが,心電図には異常はみられなかった.2)無麻酔ラットに経口投与した場合,300mg/kgで軽度の血圧低下がみられたが,30~100mglkgでは無影響であった.3)histamine降圧反応に対して,低用量(0.1mg/kg)から抑制作用を示したが,angiotensin II,noradrenaline,acetylcholine,isoproterenolなどの血管作動薬の血圧反応や頸動脈あるいは呼吸閉塞による血圧反射には影響しなかった.4)oxatomideは溶血作用,血液凝固阻止作用,ADP誘発血小板凝集抑制作用などを示さず,ラット血糖値にも無影響であった.5)oxatomide静脈内投与時,2mg/kg以上で胃腸自動運動(イヌ),子宮自動運動(ラット),瞬膜収縮反応(ネコ)の抑制が認められた.6)摘出モルモット回腸標本において,抗histamine作用(pA2=8.02±0.26)が認められた.また,それとほぼ同濃度で抗serotonin作用,抗bradykinin作用が認められたが,抗acetylcholine作用および抗BaCl2作用の発現には高濃度を必要とした.7)経口投与時,300mg/kgで軽度の抗炎症作用が認められた.8)感作モルモットを用いたactive systemic anaphylaxis誘発試験,その抗血清を用いた4時間PCA,受身赤血球凝集反応において,oxatomideの作用はいずれも陰性であった.感作ラットおよびマウスより得た抗血清を用いた48時間PCAも陰性であった.以上の成績から,oxatomideは抗アレルギー作用発現用量においては,末梢レベルにおける薬理作用を示さない薬物であると考えられた.また,本薬物は抗原性を有さないと考えられた.
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