日本薬理学雑誌
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108 巻 , 5 号
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  • 南 勝, 遠藤 泰, 平藤 雅彦
    1996 年 108 巻 5 号 p. 233-242
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    There are now abundant evidence to confirm the role of serotonin (5-HT) and in particular, 5-HT3 receptors in the control of cisplatin-induced emesis. Emesis caused by cisplatin is associated with an increase in the concentration of 5-HT in the intestinal mucosa and in the area postrema. The intestinal mucosa contains enterochromaffin (EC) cells that synthesize and secrete approximately 80% of all 5-HT produced in the body. A selective 5-HT3 agonist, 2-methyl-5-HT, induced a dose-dependent increase in 5-HT level from the ileum. Furthermore, a selective 5-HT4-receptor agonist, 5-methoxytryptamine also induced a concentration-dependent increase of 5-HT level. Both 5-HT3 and 5-HT4 receptors may be involved in intestinal 5-HT release. It is proposed that anticancer drugs cause 5-HT release from the EC cells and that the released 5-HT stimulates the 5-HT3 receptors on the afferent vagal fibers, resulting in their deporalization. Electrical stimulation of the abdominal vagal afferents is capable of inducing emesis, and abdominal vagotomy suppresses cisplatin-induced emesis. These results indicate that the vagus is the major afferent pathway involved in the detection of emetic stimuli.
  • 舩戸 秀幸, 甲木 由紀夫, 矢野 崇, 河野 浩之, 赤田 安繁, 佐藤 正巳, 植村 昭夫
    1996 年 108 巻 5 号 p. 243-257
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    脳血管選択性を示す新規ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬ラシジピンの脳虚血障害に対する有効性を検討する目的で,病態の異なる3種の代表的脳虚血モデルを用い検討し,その効果をニカルジピンと相対比較した.(1)両総頚動脈閉塞および脱血による―過性前脳虚血ラットを用いた検討において,ラシジピン0.3あるいは1mg/kg,p.o.を虚血前投与すると,虚血7日後の酸好性神経細胞数の増加が抑制されて遅発性神経細胞障害抑制作用が示された.この時のラシジピン1mg/kgの効果は,二力ルジピン3mg/kgとほぼ同等であった.(2)左中大脳動脈閉塞ラットの検討において,ラシジピン1あるいは3mg/kg,p.o.を虚血前あるいは虚血後投与すると閉塞24時間後の脳梗塞重量は有意に減少した.二力ルジピンにも,30mg/kg,p.o.の虚血後投与で脳梗塞重量の有意な減少が認められたものの,この時の効果は,ラシジピンlmg/kg,p.o.より弱かった.(3)イヌの実験的クモ膜下出血後の遅発性脳動脈攣縮において,ラシジピンは,1,3および10μg/kgの椎骨動脈内投与により用量に依存して脳底動脈径を増加させ,動脈攣縮を改善した.この時のラシジピン10μg/kgの効果は,ニカルジピン10μg/kgと同程度であった.一方,無麻酔・無拘束の正常ラットを用いて水素クリアランス法により脳血流量を測定したところ,ラシジピンには1あるいは3mg/kg,p.o.により,ニカルジピンにも30mg/kg,p.o.により持続的な脳血流量の増大が認められた.しかし,同一の血圧低下作用を示す用量での脳血流増大効果はラシジピンがより大きかった.以上の結果から,ラシジピンはニカルジピンに比し優位な脳虚血時の脳組織障害改善作用とクモ膜下出血後の脳動脈攣縮改善作用を有しており,こうした脳虚血モデルにおける病態に対して改善作用を示す可能性が示唆された.
  • 木村 伊佐美, 永濱 忍, 川崎 真規, 片岡 美紀子, 佐藤 誠
    1996 年 108 巻 5 号 p. 259-266
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    われわれはこれまで,ラットに3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を自由飲水させることにより,体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんの形成,さらに小腸病変を欠くことなどの点でヒト潰瘍性大腸炎(UC)に類似した実験的UCモデルが作製できることを確認した.またUC発症動物のホルマリン固定大腸標本は,1%アルシアンブルーにより濃淡のある特徴的な青色に染色され,その濃青色領域は組織学的にびらんであることを明らかにした.今回,本モデルにおける炎症性メディエーターの関与を明らかにする目的でスーパーオキシドジスムターゼ(SOD),5-アミノサリチル酸(5-ASA),AA-861,ロイコトリエンB4受容体拮抗剤(LTB4-ra),インドメタシン(Ind)およびOKY-046の直腸内投与による影響を検討した.活性酸素消去剤のSODあるいは強い活性酸素種消去作用を有する5-ASAは,大腸粘膜のびらん形成の抑制あるいは大腸短縮に対する改善を示した.またリポキシゲナーゼ阻害剤のAA-861は,大腸粘膜のびらん形成を抑制し,さらにロイコトリエンB4受容体拮抗剤のLTB4-raは大腸粘膜びらん形成および大腸短縮に対して改善を示した.一方,シクロオキシゲナーゼ阻害作用を有するIndおよびトロンボキサン合成酵素阻害剤のOKY-046は,大腸粘膜のびらん形成および大腸短縮のいずれに対しても改善作用を示さなかった.以上の結果より,ラットのDSS誘発UCモデルの病態における活性酸素種並びにアラキドン酸のリポキシゲナーゼ代謝産物の重要性が示唆された.
  • 藤倉 直樹, 横山 達朗, 増田 幸則, 鹿田 謙一, 田中 作彌
    1996 年 108 巻 5 号 p. 267-274
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    麻酔開胸イヌにおけるジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬,塩酸エホニジピン(NZ-105)の心筋組織内酸素分圧に対する作用を検討し,その作用をニフェジピンおよびニソルジピンと比較した.心筋組織内酸素分圧は酸素電極を心筋に刺入することにより測定した.塩酸エホニジピン(10および30μg/kg)の静脈内投与はニフェジピン(1および3μg/kg)およびニソルジピン(1および3μg/kg)の静脈内投与と同程度に平均血圧を低下させた.塩酸エホニジピンは冠血流量を用量依存的に増加させ,ダブルプロダクトを用量依存的に減少させた.これと同様な効果がニフェジピンおよびニソルジピンにも認められたが,ニフェジピンのこれらに対する効果は一過性であった.塩酸エホニジピンによる冠血流量の増加作用はニフェジピンおよびニソルジピンよりも持続的であった.塩酸エホニジピンは用量依存的に心筋組織内酸素分圧を増加し,その作用は心筋外層側に比較し心筋内層側でより顕著であった.一方,ニフェジピンは心筋組織内酸素分圧に対しては有意な増加作用を示さず,ニソルジピンは心筋内層側の酸素分圧を有意に増加させた.塩酸エホニジピンによる心筋組織内酸素分圧の増加作用はニソルジピンよりも強く持続的であった.以上の成績から,塩酸エホニジピンは麻酔開胸イヌにおいて心筋外層側よりも内層側の酸素分圧を増加させ,この増加作用には持続的な酸素供給の増加および酸素需要の減少が関与していることが示唆された.
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