日本薬理学雑誌
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104 巻 , 2 号
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  • 安原 一
    1994 年 104 巻 2 号 p. 67-78
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    Ethnic difference is considered to be a major barrier in world-wide drug development. There seem to be many ethnic factors, genetic, environmental and cultural differences. There exists genetic polymorphism in drug metabolism especially for N-acetylation, debrisoquine hydroxylation and S-mephenytoin hydroxylation. The frequency of slow acetylator, poor metabolizer of debrisoquine and S-mephenytoin are 10 %, less than 1 % and 20 % in Japanese and 50 %, 10 % and 5 % in Caucasians respectively. Clinical responses and adverse effect of drugs are associated with these phenotypes. A retrospective study was conducted to determine whether inter-ethnic pharmacokinetic difference is larger than intra-ethnic variability. Individual pharmacokinetic parameters for most drugs were found to be extremely variable, but similarities of pharmacokinetic parameters were observed for Cmax, and AUC between Japanese and other races. The results suggest that intra-ethnic variability is larger than inter-ethnic difference. The knowledge of genetic polymorphisms must find its way into clinical practice in order to achieve rational drug therapy that is more effective and safer for the benefit of the patient.
  • 鈴木 操
    1994 年 104 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    Transgenic mice are very useful for analyzing the functions of a gene either at the tissue level or at the whole body level. Here we describe the production of transgenic mice by the microinjection of DNA into the pronuclei of fertilized mouse eggs.
  • 後藤 正子, 林 幹男, 瀬山 義幸, 山下 三郎
    1994 年 104 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    漢方方剤である大柴胡湯の石灰沈着抑制作用を調べるため,若年(7週齢)雌SD系ラットにVit.D2(1.75×105単位/kg 体重/day)を実験開始4日間経口投与すると共に普通飼料で6週間飼育して,実験的石灰化症を誘発した.これと共に大柴胡湯のエキスはヒトの常用量の10倍量を普通飼料に添加して投与した.さらに,受精能の低下したリタイヤー(約6カ月齢)雌性SD系ラットを用い,上記と同様に実験すると共にエストラジオールベンゾエートのヒトの臨床量(8.3μg/kg体重)を隔日腹腔内投与し,大柴胡湯の作用と比較した.1)大柴胡湯には若年雌ラット誘発実験的石灰化症におけるカルシウムとリン酸代謝改善作用が認められない.2)リタイヤー雌ラット誘発実験的石灰化症における心臓の無機リン酸の増加と骨のCa/Pの増加に対して,大柴胡湯とエストラジオールは共に低下した.このことから,リタイヤー雌ラットの実験的石灰化症に対して大柴胡湯はエストラジオールと類似のカルシウムとリン酸代謝改善作用をもつと考えられる.
  • 松倉 均, 増田 誠, 内田 あおい, 神代 敏郎
    1994 年 104 巻 2 号 p. 91-100
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    レミノプラゾールのラット胃粘膜H+,K+-ATPaseに対する抑制作用をin vitroおよびex vivoで検討した.レミノプラゾールおよびオメプラゾールはH+,K+-ATPase活性を濃度依存的に抑制し,pH7.4の緩衝液中での検討で,IC50値はそれぞれ31μMおよび24μMであった.ex vivoでの検討では,レミノプラゾールの10~100mg/kgの経口投与3および6時間後において,用量依存的なH+,K+-ATPase阻害作用が認められた.また,レミノプラゾールの60mg/kgを経口投与して経時的にH+,K+-ATPaseに対する阻害作用を検討したところ,持続的なH+,K+-ATPase阻害作用が見られ,その抑制効果は投与後少なくとも48時間は持続した.オメプラゾールの30mg/kgの経口投与でも持続的なH+,K+-ATPase阻害作用が見られたが,その回復はレミノプラゾール投与時よりも早いものであった.幽門結紮法を用いて,レミノプラゾールの胃酸分泌抑制作用とH+,K+-ATPase阻害作用を同時に検討した結果においては,両者の抑制率に良好な相関性が認められた.これらの結果より,レミノプラゾールはオメプラゾールと同様に胃粘膜H+,K+-ATPaseを阻害することによりラットでの胃酸分泌を抑制することが示唆された.また,幽門結紮後の胃内投与においても,レミノプラゾール(100mg/kg)は胃酸分泌抑制作用とH+,K+-ATPase阻害作用を示し,胃内腔側からの直接的な作用を発揮し得る可能性が示唆された.さらに,レミノプラゾール(100mg/kg)は長期反復経口投与しても単回経口投与時と同程度のH+,K+-ATPase阻害作用を示した.
  • 原 久仁子, 秋山 康博, 富宇賀 孝, 小林 正敏, 中村 哲也, 田島 鉄弥
    1994 年 104 巻 2 号 p. 101-109
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    卵巣摘除による骨量減少とそれに対するビタミンK2の効果が血中ビタミンD3濃度により影響をうけるかどうかについて検討した.フィッシャー系16週齢雌性ラットを卵巣摘除後,ビタミンD3添加飼料(D(+))または非添加飼料(D(-))で飼育し,ビタミンK2(メナテトレノン約25mg/kg体重)を混餌で投与し12週後の血漿中成分および大腿骨の変化を観察した.D(-)偽手術群ではD(+)偽手術群に比して血漿中25-OH-ビタミンD3濃度は約1/3の値を示し,血漿中力ルシウム値および,アルカリホスファターゼ(Al-p)活性は有意に低い値を示した.またD(+)ビタミンK2投与群の血漿中25-OH-ビタミンD3濃度はD(+)卵巣摘除対照群に比して約1.5倍に増加した.大腿骨に関しては,乾燥骨重量と体積から算出した骨密度,およびDual energy X-ray absorptiometry(DEXA)で測定したBone mineral content(BMC)とBone mineral density(BMD)は,卵巣摘除によりD(+)群,D(-)群ともに偽手術群に比して有意に減少した.これらの卵巣摘除による変化に対しD(-)群ではビタミンK2の投与による有意な改善は認められなかった.一方D(+)群ではビタミンK2の投与は卵巣摘除による骨密度および骨幹部BMDの低下を有意に改善した.以上の成績よりビタミンK2は血中でのビタミンD3量が高い場合に骨に対する効果をより発揮しやすいことが示唆された.
  • 小嶋 純, 山名 研司郎
    1994 年 104 巻 2 号 p. 111-120
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    正常ラットおよびイボテン酸を用いて基底核を破壊したラットの脳波に対するNIK-247の作用をTHA,フィゾスチグミンと比較した.正常ラットの脳波に対してNIK-247の1および3mg/kg経口投与は影響をおよぼさなかったが,10mg/kg投与により皮質脳波の低振幅化が認められた.THA3および10mg/kg経口投与でも同様に皮質脳波の低振幅化が認められた.一方基底核破壊ラットでは,NIK-247,THAともに3mg/kg以上の用量で皮質脳波の低振幅化および低周波数成分(δ波)の減少を示した.代表的なコリンエステラーゼ阻害剤のフィゾスチグミンは0.1mg/kgの腹腔内投与で正常ラットの皮質脳波を低振幅化させる傾向を示し,また基底核破壊ラット皮質脳波の低振幅化および低周波数成分の減少作用を示した.NIK-247およびTHAの脳波に対する作用は,フィゾスチグミンの作用と同様であったことから両薬物の中枢コリン様作用によるものであることが示唆された.また3薬物ともに今回用いた用量では特に異常な脳波は惹起されなかった.
  • 田中 浩和, 鬼頭 康彦, 北林 範子, 松村 由美, 岡谷内 博, 中辻 陽子, 田中 耕二, 久保田 勝明, 難波 和彦, 竹村 公延
    1994 年 104 巻 2 号 p. 121-131
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    食餌制限による栄養不良状態のラットを作製し,皮膚全層欠損創の治癒遅延モデルの開発を試みた.次いで,このモデルを用いて塩化リゾチーム軟膏ガーゼ(M-1011G)の創傷治癒促進効果について検討した.市販固形飼料を自由摂取させた対照動物に比べて,1日当たり6gに制限した2週間の給餌は,栄養不良状態と考えられる体重減少および血清中総タンパク質量の有意(P<0.01)な低下と,血清中アルブミン量の低下を引き起こした.さらに,肝臓重量の減少や,組織学的に肝内グリコーゲン顆粒および脂肪滴の減少が認められたものの,血清中トランスアミナーゼ活性(GOTおよびGPT)には変化は認められず,著明な肝機能障害は認められなかった.また,2週間の制限給餌以降,1日当たり12gの給餌を行うことにより,肝障害のない栄養不良状態を維持することができた.次いで,この栄養不良状態の動物の創傷治癒過程を検討した結果,創傷部面積の縮小は対照群に比べて緩徐であり,治癒日数は対照群に比べて有意(P<0.05)に遅延した.このような新しい創傷治癒遅延モデルに対して,滅菌ガーゼ処置のみの対照群,ガーゼに油脂性軟膏を塗布して処置したプラセボ群,塩化リゾチームを5%含有する油脂性軟膏をガーゼに塗布して処置したM-1011G群および乳剤性基剤に塩化リゾチームを5%含有するR軟膏をガーゼに塗布して処置したR-G群について,多重比較検定により検討した.M-1011Gは,これら4群の中で最も有効であり,対照群に対し受傷7および10日後において,それぞれ有意(P<0.01およびP<0.05)に創傷部面積は縮小し,治癒日数も有意(P<0.05)に短縮した.また,組織学的にも肉芽形成は良好であった.以上の成績より,本研究で開発した6g/日に制限して2週間だけ給餌し,以降12g/日に制限給餌することにより作製した栄養不良状態ラットの全層欠損創モデルは,短期間で作製することができ,肝障害がなく,創傷治癒が遅延するモデルであった.このモデルに対してM-1011Gは,肉芽形成および上皮形成を促進することにより創傷治癒を促進したと考えられた.
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