日本薬理学雑誌
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73 巻 , 3 号
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  • 藤本 征五
    1977 年 73 巻 3 号 p. 257-266
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Production, transport, storage and release of antidiuretic hormone (ADH) in the hypothalamo-neurohypophysial system were investigated. ADH produced by nerve cells in the paraventricular and supraoptic nuclei of the hypothalamus is present in a form bound to the speicfic protein neurophysin, in the neurosecretary granula. Electric and chemical stimulation of these nuclei results in evoked release of ADH in ionic association with neurophysin from the neural lobes. Acetylcholine, norepinephrine, histamine, angiotensin II, gammaaminobutyric acid and L-glutamic acid have been regarded as candidates of chemical transmitters for the release of ADH in the hypothalamus. Prostaglandin (PG) E2 may be another important compound for central regulation of water metabolism. The possibility that PGE2 may be the transmitter or a modulator in the nuclei has to be considered. Serotonin, dopamine and taurine, however, may not be involved in the ADH releasing mechanisms in the hypothalamus. It appears that norepinephrine, histamine, angiotensin II, PGE2 and bradykinin stimulate directly the neural lobe to release ADH. The ADH release is regulated by intracellular Ca++. The existence of a “readily-releasable pool” of ADH can be ruled out and any limitation in the amount of ADH released under experimental conditions may be due to insufficient activation of the neural lobe. A physiological significance other than a carrier was proposed for neurophysin.
  • 東海林 徹, 米川 恵三, 只野 武, 木皿 憲佐
    1977 年 73 巻 3 号 p. 267-273
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Metaraminol脳内投与によるマウス脳内monoamineの変動について検討を加え,次の成績を得た.1)脳内Metaraminol(MA), dopamine(DA), noradrenaline(NA)およびserotonin(5-HT)は,Phosphorylated-cellulose column(P-cellulose column: Lot No.2809)を使用し,リン酸緩衝液(PH6.2)の濃度を変化させることによって分離された.2)MA脳内投与後,脳内MAの蛍光量を30分,3,6および12時間に測定したが,時間の経過と共にMAの蛍光量は減少し,投与12時間後でも認められた.3)MA40,80および160μg脳内投与30分後の脳内DA濃度は,40および80μg投与によっては,saline群に比べ有意に減少することが認められたが,160μg投与群では,有意な減少は認められなかった.一方脳内NAおよび5-HT濃度はMA投与によりsaline群に比べ有意に減少した.4)MA160μg脳内投与時の脳内monoamine含量の経時変化について検討を加えた結果脳内DA含量は3時間後から減少を始め,6時間後で最小値を示し,48時間後迄著明に減少しており168時間後にsaline群のそれまで回復することが認められた.5)またNAおよび5-HTはMA投与30分後から著明に減少し,5-HTは48時間後に,NAは168時間後にそれぞれ回復することが認められた.
  • 仙田 博美
    1977 年 73 巻 3 号 p. 275-286
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    マウスの背部皮下にmorphine含有pelletを埋込み,急速に本剤に対する耐性ならびに依存性を形成させたときの副腎皮質束状帯細胞Mitochondria (Mit)の微細構造を電子顕微鏡的に観察した.Morphine pelletの埋込み12時間後において該細胞のMitは腫大すると共に,同心円状ないしtubular状内膜で一部中空化したいわゆる変形Mitが明らかに増加したが,本変化は2日後最高に達し,爾後急速に減退し,4日後にはほぼ正常形態に復した.4日後該pelletを除去すると明らかな禁断症状が発現すると共に変形Mitの増加像が再び惹起され,禁断症状の寛解と概ね軌を一にして本変形も消退した.またpellet除去を施さなくとも本マウスにLevallorphan投与処置を行なえば,同様のMit変形の経過推移が発現した.またmorphine pellet除去の際にmorphineの注射を行なえば,除去に伴う変形Mitの出現は阻止された.以上の変形Mitの出現とmorphine依存との因果関係,意義について考察を加えた.
  • 長谷川 和雄, 石橋 智恵子
    1977 年 73 巻 3 号 p. 287-295
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    無麻酔,無拘束ネコの扁桃核刺激による扁桃核脳波の後発射およびそれに伴う顔面畜搦や唾液分泌,強直性間代性痙攣等の行動に対し,新minort ranquilizerである10-chloro-3-methyl-11b-(2-chlorophenyl)-2, 3, 5, 6, 7, 11b-hexahydrobenzo[6,7]-1, 4-diazepino[5, 4-b]-oxazol-6-one (CS-386)の効果を他の代表的向精神薬と比較し検討した.後発射については,後発射を惹起する刺激閾値と持続時間の2つを指標にした.CS-386は.cloxazolamおよびoxazolamと同様に後発射ならびに行動をすべて抑制した.とりわけCS-386は最も強い抑制効果を示した.Diazepamは後発射の閾値に対しては作用がなかったが,持続時間を短縮し,行動を抑制した.Chlordiazepoxideは後発射の閾値と持続時間および顔面播搦に明らかな作用がみられず,唾液分泌は高用量で抑制した.Phenobarbitalは後発射と唾液分泌を抑制したが,後発射の閾値の上昇ならびに他の行動抑制に高用量を要した.Chlorpromazineは後発射を増強し,行動に対しては全く抑制しなかった.以上の結果から,次のことが示唆された.CS-386は,cloxazolamおよびoxazolamと相似し,chlorpromazineとは作用のパターンを異にする.またCS-386は,扁桃核刺激による後発射ならびに行動に対し,調べた薬物のうち最も抑制効果が強く,扁桃核自身に対して,chlordiazepoxideやdiazepamならびにphenobarbitalに比しより強力な作用を有する.
  • 中川 克也
    1977 年 73 巻 3 号 p. 297-305
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラット脳および肝mitochondria標品を酵素材料とし,tyramineおよびserotoninを基質とした場合のそれぞれのpS曲線およびpargyline,pheniprazine,harmalineの阻害作用に対する酸素濃度の影響を検討した.脳MAOの場合tyramineを基質とするとそのpS曲線は酸素濃度に強く影響され,気相が100%酸素のときの活性は20%のそれに比して3倍以上であった.Serotoninを基質に用いた場合はそれ程影響されなかった,肝MAOの場合にもほとんど同様の結果が得られた.肝MAO活性に対し,基質をtyramineとし気相を100%酸素とした場合は,pargylineが最も高い阻害を示し,他の阻害剤の阻害は極く軽微であった.これに対しserotoninを基質とした場合はharmalineが最も高い阻害を示し,他の阻害剤の阻害は極く軽微であった.気相を20%酸素とした場合には,これらの三阻害剤による阻害度の相違は極く軽微であった.脳MAOの場合はtyramineを基質とし,気相を100%酸素とした場合pargylineが他の阻害剤に比して高い阻害度を示したが,その阻害度の差は肝MAOの場合に比し軽微であった.Serotoninを基質として使用した場合は,肝MAOの場合とほとんど同様の阻害が認められた.また,気相を20%酸素とした場合はtyramine基質の場合には三阻害剤の阻害度にはほとんど相違が認められなかったが,serotonin基質の場合にはharmalineによる阻害が他の阻害剤に比し特に著明に認められた.これら阻害剤の阻害様式をLineweaver-Burkの方法により検討した結果,pargylineの脳および肝M-MAOに対する阻害は総てnoncompetitiveであったのに対しpheniprazineの阻害は脳MAOの場合両基質でcompetitiveで,肝MAOの場合はnoncompedtiveであった.これに対し,harmalineの阻害はtyramineを基質とした場合competitiveで,serotonil1基質の場合noncompetitiveであった.すなわち,脳および肝MAOは酸素濃度およびこれらの阻害により全く相違した酵素化学的態度を示した.
  • 樋口 洋一郎, 深町 道子
    1977 年 73 巻 3 号 p. 307-319
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    高濃度の硫化水素は激烈な毒性を示すことが知られている.しかし即死的濃度(1500~2000ppm)以下の硫化水素に暴露された場合の生体反応については系統的な検討がほとんどされていない.本研究は行動変化を指標として本問題の解析を試みたものである.すなわち充分習熟したラットの条件回避反応に対する各種濃度の硫化水素の影響をしらべ,次のような結果を得た.弁別条件回避反応では最低200ppm暴露によって比較的速やかな有意の抑制が検出されたが,Sidman型条件回避反応の有意の抑制は約300ppm暴露時に観察された.変化の発現と行動基線における反応率の高低とは無関係であった.また本条件づけの消去過程に対して500ppm以上暴露の場合にのみ促進が観察された.300~500PPmの硫化水素暴露により,濃度にほぼ比例して速やか,かつ強度の両反応の抑制が生じ,強制換気1時間後には暴露前の反応値に回復したが,高濃度の場合にはしばしば反応の抑制が翌日まで残存する例が認められた.別のラットを用いほぼ同条件下で測定した血圧,呼吸および心拍数に対し,100~500ppmの硫化水素は暴露直後数分間一過性の乱れを生じたにすぎず,その後1時間は比較的安定していた.すなわち,これらの変化が生ずる濃度より低い硫化水素ですでに行動には変化が生ずることが確認された.つまり硫化水素による条件回避反応の抑制は中枢抑制効果に起因するのではないかと考えられた.
  • 鈴木 良雄, 浜口 恭子, 山上 一香
    1977 年 73 巻 3 号 p. 321-335
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    新降圧利尿剤SE-1520の利尿作用とその作用点についてサイアザイド系利尿剤のHydrochlorothiazide(HCT)およびTrichlormethiazide(TCM)と比較検討した.1)正常ラットにおいてSE-1520は,尿量では0.1mg/kg p.o.投与から,尿中Na+排泄では0.05mg/kg投与から有意な増加を示し,用量依存的に著明な増加作用を示した.しかし尿中K+排泄作用は,比較的軽度であった.尿中Cl-排泄作用は,尿中Na+排泄に対する作用とほぼ同程度であった.利尿作用の強さは,SE-1520≥TCM≥HCTの順であった.2)実験的acidotic,alkalotic,nephritic ratおよびSHRに対してもSE-1520は著明な利尿作用を示した.作用の強さは,TCM>SE-1520>HCTの順で,実験的nephritic ratでは,正常ラットの時より強いNa+利尿を示し,SHRでは,尿量,Na+,Cl-排泄量とも増加が著しかった.3)犬腎クリアランス実験により,SE-1520は腎血漿流量(RPF)や糸球体濾過量(GFR)に影響を与えず,主として尿細管水再吸収率および尿細管Na+再吸収率の減少により著明な利尿作用を現すことを示した.また,4)犬腎ストップフロー実験により,SE-1520の作用点は,主として遠位尿細管にあると思われた.
  • 本間 健資, 北川 純男
    1977 年 73 巻 3 号 p. 337-345
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Open-field testにおけるラットの行動に対するminor tranquilizerおよびneuroleptics(major tranquilizer)の効果を調べた.Meprobamateとdiazepamを含む6つのbenzodia-zepine系minor tranquilizerは,いずれも少量でラットのambulationを増加させ,高い投与量でambulationを抑制した.臨床的に少量で有効な薬物は,open-field testでは少量でambulationの増加をもたらした.Minor tranquilizerはいずれもラットのdefecationを抑制したが,臨床的に抗不安作用の強い薬物は少量でdefecationを抑制した.Haloperidol, trifluperidol, ID-4708(新規butyrophenone系化合物),chlorpromazineは,少量でambulationを抑制したが,defbcationの抑制には高い投与量を要した.Floropipamide,thioridazine,clozapincは,ambulationを抑制するのとほぼ同じ投与量でdefecationを抑制した.Metham-phctamine投与によりambulationが増加し,defecationが消失したラットに対し,haloperidol,trifluperidol, ID-4708, ch1orpromazincは,ambulationを抑制し,defecationを出現させた.Floropipamide,thioridazine,clozapineは,ambulationを抑制したが,defecationをほとんど出現させなかった.Methamphetamine処置したラットを用いたopen-field testでは,haloperido1のambulation抑制作用は,chlorpromazineの31倍であり,臨床における効力比に近かった.
  • 笹島 道忠, 相原 弘和, 秋山 二三雄, 土田 勝晴, 小友 進, 樋口 昭平, 樽本 保男, 田中 一郎
    1977 年 73 巻 3 号 p. 347-358
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Chlorphencsin carbamate(CPC)を1~4週間連続投与し,その耐薬性の発現について薬効と血清内の遊離CPC濃度,肝のUDP-glucronyltransferase活性,cytochrome P-450含量の変化から検討し,つぎの結果を得た.マウスではhexobarbital睡眠時間および筋弛緩効果ともにCPCの7日間連続投与で減少し,14日目には回復する傾向を示したが,血清内の遊離CPC濃度の経日変化も薬効と同様のパターンで推移し,またこの期間薬効と血清内の遊離CPC濃度との間に有意の相関が得られた.ラットでは,薬効はマウスとほぼ同様の経日変化を示したが,肝の薬物代謝酵素活性は14日間の連続投与期間中いずれも対照値より高値を示し,それは血清内の遊離CPC濃度とよく一致した経日変化を示した.すなわちマウスにおける14日目の薬効の回復傾向は肝の薬物代謝酵素活性が回復過程にあたるためと考えられ,ラットにおいては回転棒へのhabituationによると考えられる.以上のようにCPCの薬効発現は血清内の遊離CPC濃度,薬物代謝酵素の活性に強く依存しており,CPCの連続投与では肝薬物代謝酵素の誘導により耐薬性が生じたと考えられる.
  • 永田 充宏, 古路 あつ子, 嶋元 純夫, 森田 雅夫
    1977 年 73 巻 3 号 p. 359-369
    発行日: 1977年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラット摘出自動心房標本,心房筋標本および乳頭筋標本を用いて,carteolol, propranololおよびalprenololの作用を比較した.1)自動心房の律動数と収縮力,電気刺激による不整収縮および電気駆動心房筋,乳頭筋の収縮力はともに,propranolol 10-6~10-5g/ml,alprenolol 1O-6~10-5g/ml, cartcolol 1O-4g/mlによって抑制された.2)心房筋および乳頭筋の収縮力はcarteolol 1O-7~10-6g/mlにより増大した.3)心房筋および乳頭筋の不応期はalprenolol 10-7~10-6g/ml, carteolol 10-6~10-5g/mlによって処長した.Propranolol 10-7~10-6g/mlの作用下には乳頭筋の不応期は延長した.4)心房筋の最大駆動頻度はcartcolol 5×10-8~10-7g/ml, alprenolol 5×10-8g/mlにより,乳頭筋の最大駆動頻度はpropranolol 2×10-7~5×10-7g/mlにより減少した.また高濃度のcarteolol, propranolol, alprenololはともに心房筋,乳頭筋の最大駆動頻度の著しい減少を示した.5)心筋における不応期延長作用あるいは交感神経興奮様作用について,alprenololは心房筋に,carteololは心房筋,心室筋に興味ある結果が得られ,またpropranololでは心室筋の不応期延長作用が注目されると考える.
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