日本薬理学雑誌
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97 巻 , 4 号
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  • 緒方 宣邦, 楯林 英晴
    1991 年 97 巻 4 号 p. 179-189
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    Baclofen, a β-chlorophenyl derivative of γ-aminobutyric acid (GABA), depresses neuronal excitability in various parts of the central nervous system. The site of action for this drug had once been considered to be distinct from GABA recognition sites. In addition to the classical GABA recognition site (GABAA site), a new class of GABA receptor (GABAB site) has been characterized. GABAB sites are mainly present on nerve terminals and, when activated, result in diminished transmitter release, probably through a reduction in Ca2+ influx. Baclofen was shown to be a selective agonist for this novel GABAB recognition. Baclofen also directly hyperpolarizes the membrane of mammalian brain neurons, in addition to its pretynaptic action. This postsynaptic action of baclofen was shown to result from an increase in K+ conductance when studied in hippocampal pyramidal neurons through postsynaptic GABAB receptors. Thus, the inhibitory neurotransmitter GABA activates two receptor subtypes that can be distinguished by their physiological and pharmacological properties. GABAA receptors mediate rapid alterations in the distribution of Cl- across the membrane. GABAA receptors are linked directly to an ion channel, thus contributing to the prompt inhibition of cellular excitability. On the contrary, the GABAB receptor does not contain an integral ion channel and is thus responsible for slower responses through receptor-G-protein-effector complexes. G-protein may be directly coupled to K+ or Ca2+ channels. In addition, G-protein may modulate a variety of regulatory proteins or second messengers, thus contributing to the slower alteration of cellular excitability or to the modulation of neurotransmitter release.
  • 田中 美保子, 中田 勝彦, 高瀬 謙二, 三田 四郎
    1991 年 97 巻 4 号 p. 191-198
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    (4R)-hexahydro-7,7-dimethyl-6-oxa-1,2,5-dithiazocine-4-carboxylic acid(SA3443)のacetaminophen誘発肝障害に対する作用をBALB/cマウスを用いて検討した.SA3443(30~300mg/kg,p.o.)はacetaminophen(150mg/kg)投与により上昇した血清GOT,GPT活性と共に肝の病理組織学的変化を用量依存的に抑制し,また,acetaminophen(350mg/kg)による急性肝不全死に対しても同用量で抑制した.このBALB/cマウスの急性肝不全死モデルに対して,他の肝疾患治療薬であるcianidanol(500mg/kg),malotilate(100mg/kg),glycyrrhizine(10mg/kg)およびcystein(300mg/kg)も同様に抑制した.一方,SA3443は正常マウスの肝GSH量に対して何等影響を与えなかったが,acetaminophen投与による肝GSH量の低下を用量依存的に抑制した.以上の結果より,新規環状ジスルフィド化合物SA3443はacetaminophen誘発肝障害に対して明らかな防御作用を有することが示され,その作用機序の1つに肝のGSH低下の抑制が示唆された.
  • 山田 利光, 富岡 健一, 岡宮 英明
    1991 年 97 巻 4 号 p. 199-207
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    ラットの免疫複合体型腎炎モデルおよびNZB/W F1マウスのループス腎炎自然発症モデルに対する2-(m-carboxyacetoxyphenyl)imidazo〔2,1-b〕benzothiazole(YM-13650)の効果を検討した.ラットの免疫複合体型腎炎においてYM-13650は予防的に投与した場合10~100mg/kg,p.o.の用量で尿中蛋白量,血清中の総コレステロールおよび尿素窒素の増加を用量依存的に抑制した.病理組織学的所見では,腎炎対照群で糸球体の腫大や,メサンギウム細胞:および基質の著明な増加が認められたが,YM-13650投与群ではその程度は軽度であった.また,既に腎炎を発症したラットに対し治療的に5週間経口投与した場合,腎炎対照群では高度の蛋白尿が持続し,血清中の総コレステロールおよび尿素窒素も高値を維持したが,YM-13650の10~100mg/kg,p.o.投与群では尿中蛋白量は徐々に低下し,血清中の総コレステロール値および尿素窒素値も腎炎対照群に比べ低値を示した.特に,尿素窒素値は5週間の薬物投与によりほぼ正常値にまで回復した.ループス腎炎自然発症モデルにおいて,YM-13650を8週齢から経口投与した場合,3~30mg/kg,p.o.の用量で尿中蛋白量は薬物投与の全期間を通じて腎炎対照群と比ぺ低値を示し,平均生存期間も腎炎対照群33.1±0.9週に対しYM-13650投与群では36.1~41.7週と有意に延長あるいは延長する傾向を示した.また,ループス腎炎の発症後(20週齢)からYM-13650を経口投与した場合も尿蛋白の増加を抑制し,生存期間を延長する傾向を示した.YM-13650はラットおよびマウスの異なる腎炎モデルにおいて,予防的あるいは治療的投与により腎炎抑制作用を有することが明らかとなり,腎炎治療薬としての可能性が示唆された.
  • 赤井 哲夫, 高橋 昌哉, 仲田 行恵, 大西 玲子, 生駒 幸弘, 山口 基徳
    1991 年 97 巻 4 号 p. 209-220
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    麦角アルカロイド誘導体lisurideの中枢セロトニン5-HT1A受容体への作用をラット及びウサギを用いて,生化学的,行動薬理学的,脳波学的に検討した.また,ラットのwater-lickコンフリクト試験を用いてhsurideの抗コンフリクト作用を検討した.lisurideはラットの縫線核,海馬,皮質,扁桃体,視床下部の5-HT1A受容体への〔3H〕8-OH-DPATの結合を濃度依存的に強く阻害した.海馬5-HT1A受容体への〔3H〕8-OH-DPAT結合のhsurideによる阻害の強さは,5-HTとほぼ同等であり(Ki=0.5nM),5-HT作動薬5-MeO-DMT(Ki=2.1nM),並びに,他の麦角アルカロイド誘導体bromocriptineやpergoHde(Ki=3.0nM)よりも強かった.Hsuride(0.1~0.5mg/kg,i.p.)は8-OH-DPAT(0.25~2.5mg/kg,i.p.)同様,用量依存的にラットに5-HT症候群を誘発した.Hsurideは5-HT症候群誘発と共に自発運動量の増加を引き起こしたが,8-OH-DPATは自発運動量に影響しなかった.音刺激覚醒時,ウサギ脳波は海馬において4-7Hz(θ波)の高振幅の周期波(RSA)を,皮質において低振幅速波を呈する.hsuride(0.01~0.03mg/kg,i.v.)は8-OH-DPAT(0.1mg/kg,i.v.)及びdiazepam(1.0mg/kg,i.v.)同様海馬脳波RSAを用量依存的に減少させた.また,皮質脳波に対して,lisurideは8-OH-DPAT同様低振幅速波成分を増加させ,diazepamは高振幅徐波成分を増加させた.さらに,lisurideは不安惹起物質FG7142投与(1.0mg/kg,i.v.)により増強されたRSAを8-OH-DPATやdiazepam同様,抑制した.water-lickコソフリクト試験において,lisuride(0.05及び0.1mg/kg,i.p.)はdiazzepam(2.5mg/kg,i.p.)同様被ショック数を増加させ,抗コンフリクト作用を示した,以上の結果は,lisurideが脳内5-HT1A受容体に対して,強力なアゴニストとして作用すること,及び,抗不安薬様の薬理効果を発揮しうることを示唆している.
  • 川崎 博己, 高崎 浩一朗
    1991 年 97 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    選択的cychc3',5'-monophosphate (cAMP) phosphodiesterase抑制薬rolipram(ME3167)の脳波作用を,慢性電極を植込んだ無麻酔ウサギを用いて,行動の観察と同時に調べた.rolipram 1~3μg/kgの静脈内投与では自発脳波に変化はみられなかった.10~100μg/kgの静脈内投与により,自発脳波は,皮質および扁桃体では低電圧速波となり覚醒波が持続した.海馬では,投与後から規則正しいθ波の同期波が持続し,海馬脳波の電圧が増加した.rolipram(100μg/kg)投与後は,動物は行動上興奮状態となり,しぼしぼ体動を示した.rolipram投与後,音刺激(2000Hz,5秒間)あるいは中脳網様体および視床下部後部の電気刺激(100Hz,0.1msec,3~5V,5秒間)によって誘発される脳波覚醒反応に変化は観察されなかった.rolipramは,閃光刺激(2Hz,10秒間)によって後頭葉皮質上に誘発される光誘起反応,視床内側中心核の低頻度刺激(7Hz,0.1msec,5~iov,10秒間)による漸増反応にも著明な影響を与えなかった.大脳辺縁系の海馬電気刺激(50Hz,0.5msec,5~10V,5秒間)による後発射は,rolipramによって軽度増強された.以上,rolipramは,低用量で脳波の覚醒パターン化を起こすが,脳波覚醒反応や光誘起反応に対する作用を有しない薬物である。
  • 畑 衛, 藤井 濤子
    1991 年 97 巻 4 号 p. 231-239
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    カイニン酸(kainic acid)をラットに間敏的に2回全身投与し,scratching,wet-dog shakes(WDS):および痙攣発作についてその発現の変化を検討した.雄ラット25日令にカイニン酸9mg/kgおよび対照群として蒸溜水を1回腹腔内投与し,3日,7日,14日あるいは21日後に両群にカイニン酸9mg/kgを再度投与した.いずれの群においてもscratchingの初発時間と頻度に差を認めなかったが,60分間のWDS頻度はカイニン酸を間歇的に2回投与したいずれの群も有意な減少を示し,特に14日間隔群における減少が大であった.痙攣の初発時間は短縮傾向にあり,とくに7日後の2回目投与群では有意に早まった.カイニン酸単回投与後60分間のWDS総数およびscratching初発時間が,加令に伴い増加,遅延する事を認めた.3日後,14日後群について1回カイニン酸および蒸溜水を投与後の脳の海馬領域の組織学的所見を比較したところ,3日後群では両者に差はなく,14日後群では錐体細胞樹状突起の形成が劣悪である事を認めた.以上,カイニン酸の間歇的2回投与後のWDS頻度:および痙攣発現の変化から,カイニン酸によるscratching,WDSおよび痙攣の発現に関与する神経系には違いがある事が示唆された.
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