日本薬理学雑誌
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76 巻 , 3 号
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  • 竹内 久米司, 向後 博司, 相澤 義雄
    1980 年 76 巻 3 号 p. 179-184
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラット尿中PGの生物学的測定について検討を行った。ラット胃平滑筋を用いた生物学的測定法においてPGE2として0.05ng,PGFとして0.25ng以上が測定できることを確認した.生物検定法による正常ラットの24時間尿中PG量は,PGEで29.8±1.79ng/24hr,PGFで1.9±0.27ng/24hrであり,ラット尿中のPGの大部分はPGEであることが分った.
  • 竹田 正明, 高木 徳一
    1980 年 76 巻 3 号 p. 185-191
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    新しいアドレナリンβ2受容体刺激薬,BD40Aの胃酸分泌および胃腸管運動に対する作用を,isoproterenol,hexoprenalineあるいはcimetidineの作用と比較検討した.pentobarbitalで麻酔したイヌにおいて,BD40A(0.3,1μg/kg i.v.)はtetragastrinの持続的な静脈内注入(8μg/kg-hr)による胃酸分泌を用量に依存して抑制した.しかし,histamineの持続注入(160μg/kg-hr)による胃酸分泌はBD40Aの1μg/kg i.v.によって抑制されなかった.cimetidine(0.3,1mg/kg,i.v.)はtetragastrin刺激による胃酸分泌に対しても,またhistamine刺激時の胃酸分泌に対しても用量依存性の抑制作用を示し,BD40Aとは異なった作用態度を示した.BD40Aあるいはhexoprenalineの1mg/kgを幽門結紮ラットの十二指腸内に投与した場合に,酸排出量の減少がみられた.麻酔したイヌの静脈内にBD40Aあるいはhcxoprenalineの1μg/kgを投与すると,バルーン法で測定した胃,十二指腸および回腸運動の収縮巾は,各部位ともほぼ一様に減少した.上述したtetragastrin刺激時の胃酸分泌および胃腸管の自動運動に対するBD40Aの抑制作用はpropranolol(1mg/kg i.v.)によって拮抗された.これらBD40Aの薬理学的性質は,定性的にisoproterenolと良く類似し,胃腸管組織におけるアドレナリンβ受容体の刺激作用に起因すると考えられる.
  • 田頭 栄治郎, 浦野 知子, 柳浦 才三, 今枝 一男, 大沢 敬子
    1980 年 76 巻 3 号 p. 193-200
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    塩化メチル水銀混入飼料により低用量(16ppm),中等量(30ppm)および高用量(50ppm)をマウスに連続適用し,急性および慢性発症時の血液(血球と血漿を分離)中ならびに諸臓器内水銀量を著者らの開発した分析装置で定量し,分布比について検討した.雌マウスにみられる塩化メチル水銀中毒発現の時期が早く,またその程度が強いのは血液のみならず脳をはじめとした臓器内水銀蓄積量の性差に主因があり,いずれの臓器においても雌に高い水銀量を認めた.血球内水銀量は経日的に漸増し,諸臓器内水銀蓄積パターンとよく一致した.血漿中含量は初期からplateau状態となり発症にともなう特異性はみられなかった.発症時点の血球および脳内水銀量はchronic stageになるに従いcritical concentrationは低下する傾向にあり,16ppmでは50ppmのほぼ半分の水銀レベルで発症した.発症時点の脳内水銀量に対する血液ならびに諸臓器内水銀量の分布比をみると,脳/血液比に変化がみられ,慢性発症になるに従い比の上昇傾向があった.結論的に塩化メチル水銀中毒の発現は適用期間と血球内含量から脳内含量を予測し,発症を予知することが可能である.
  • 石井 久一, 山下 明, 平川 公昭, 浜田 陽一郎, 能勢 尚志
    1980 年 76 巻 3 号 p. 201-212
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    dehydroepiandrosterone sulfate(DHAS)のホルモン作用を明らかにするため副腎摘出(ADX)幼若雌性ラット内分泌系におよぼす影響を調べた.20日令のSD系雌性ラットを両側副腎摘出あるいはsham-operation(SHAM)し,DHASを50あるいは100mg/kg7日間連続投与して24時間後に,血清中estrone,estradiol,estriol,testosterone(T),progesterone(P),aldosterone,11-OH-corticosteroid(11-OH-CS),dehydroepiandrosterone(DHA),DHAS濃度を測定し,さらに体重,子宮,卵巣,下垂体,甲状腺,胸腺,肝,腎の各重量におよぼす影響をしらべ,組織学的検討を加えた.SHAMラットにDHASを投与した際の変化として子宮重量およびDHASの増加が認められたが,他の内分泌臓器,血清中ステロイドホルモン濃度には影響を与えなかった.副腎摘出によりT,P,aldosterone,11-OH-CS,DHA,DHASがいずれも有意に減少し,また胸腺重量の増加,肝,腎重量の減少が認められた.これらの変化に対してDHASの投与は血清申DHAS,Tおよび子宮重量を増加させ,また胸腺重量の増加を抑制した.
  • 酒井 豊, 出口 健彦
    1980 年 76 巻 3 号 p. 213-225
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    マウス,ラットを用い,薬物の抗うつ作用の検索と評価,考査する為の実験方法の確立を目論み,上行性をらびに下行性のmonoamine作動性作用の中から次の様な実験モデルを選び,既知の三環性抗うつ薬の作用との対応性の中で,mianserin(1,2,3,4,10,14b-hexahydro-2-methyldibenzo[c,f]pyrazino[1,2-a]azepine monohydrochloride)の抗うつ作用を比較し,次の結果を得た.1)ラットの後部視床下部性ならびに黒質性のself-stimulationにおいて,mianserin,imipramineとも有意な作用なくchlorpromazineは少量で抑制した.methamphetamineによるself-stimulationの促通は,mianserin,chlorpromazineで抑制し,imipramineは増強させた.2)一側黒質内に6-hydroxydopamineを注入し,nigrostriatal dopaminergic system破壊ラットのmethamphetamine誘発の回転運動はmianserinで軽度に増強された.imipramine,amitriptylineも同様であった.3)isocarboxazid前処置,l-dopaによるマウスの興奮作用は,mianserinはimipramine,amitriptylineと同様に自発運動量を数倍に増大させた.4)carbidopa(MK-486)前処置,L-5HTPによるマウスの興奮作用ならびに頭部攣縮は,mianserinの少量で完全に抑制した.amitriptylineの抑制はmianserinの1/5以下であった.5)reserpinizeした脊髄ラットの後肢屈曲反射は,isocarboxazidの前処置,l-dopa 4mg/kg(i.p.)により増強され,mianserin,amitriptylineはこの増強を著明に抑制,imipramine,chlorimipramineは無影響,抗ヒスタミン薬は逆に増強させた.6)reserpinizeした脊髄ラットの後肢伸展反射は,isocarboxazid前処置,5-HTPで増強され,mianserinは0.5mg/kgで著しい抑制を示した.amitriptylineの抑制は弱かった.chlorimipramineは増強させた.7)以上の結果,mianserinの作用は,三環性抗うつ薬と必ずしも同一ではなく,2級アミンと3級アミンのそれぞれに類似性もあり,相違性もあった.結局,mianserinの抗うつ作用の機序は,monoamine作動性機構の中で,三環性抗うつ薬のそれぞれと同じではないと判断され新たなuniqueな抗うつ薬として評価した.
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