本実験において,ストレス負荷時および非負荷時のPSB量におよぼす数種薬物の影響,およびストレス潰瘍形成とPSB量との関連性につき検討し,以下の結果を得た.
1. ストレス負荷3
hのPSB量は,ストレス非負荷時に比し, 43.8%の減少,また,ストレス負荷7
hでは,61.7%の減少を示した.
2. reserpine投与30
m後にストレスを負荷した場合,そのPSB量減少は増強し, reserpine投与14
h後のストレス負荷は, PSB減少の抑制をみた、これらの結果と, reserpineとストレスの組合わせによる潰瘍発生との関連性をみると, PSB量と潰瘍発生とに相関性があると考えられる.
3. α-methyl dopaは,ストレス負荷時のPSB量減少を抑制し, p-CPAは,ストレス負荷時のPSB量減少を増強した.これら薬物の潰瘍発生との関連性については,ストレス時のPSB量減少の抑制は潰瘍を抑制し,増強は潰瘍を悪化すると考えられる.また, iproniazidおよびpyrogallolについても同様の関係がみられた.
以上より,ストレス潰瘍形成に胃粘膜の血行障害が関与するものと急われる.
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