日本薬理学雑誌
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99 巻 , 6 号
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  • 藤田 直, 藤本 陽子
    1992 年 99 巻 6 号 p. 381-389
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    The mechanisms of formation and removal of active oxygen species and lipid peroxides in biological systems have been briefly reviewed. Cytotoxic active oxygen species can be classified into two types: (a) radical species such as O2-· (superoxide) and HO·(hydroxyl radical) and (b) non-radical species such as H2O2 (hydrogen peroxide) and 1O2 (singlet oxygen). The direct or indirect attack of active oxygen species on polyunsaturated fatty acids, essential constituents of biological membranes, has been shown to result in the formation of a number of peroxidative lipid breakdown-products: LOOH (lipid hydroperoxide), LOO·(lipid peroxyl radical) and LO·(lipid alkoxyl radical). The lipid peroxide decomposition is probably dependent on the presence of ferric-ferrous ions. These processes are called lipid peroxidation reactions. In recent years, there has been a renewed interest in the role played by lipid peroxidation in many disease states. The multiple lines of defense against toxic oxygen intermediates consist of enzymatic systems, glutathione peroxidase, catalase and superoxide dismutase, and furthermore involves antioxidant capacities such as those of vitamin E and vitamin C. In biological systems, there are naturally occurring lipid-soluble (vitamin E and ubiquinone) and water-soluble (vitamin C, reduced glutathione and uric acid) antioxidants. Therefore, so long as homeostasis is maintained between the rate of radical generation and the rate of radical dissipation, the cellular generation of radicals may not be harmful. In contrast, this balance can be disturbed if cellular defenses are decreased or if there is a significant increase in the flux of radical generation. Once lipid peroxidation is initiated, the reactive intermediate formed induces cell damage. However, the mechanism of initiation of the lipid peroxidation process in biological systems is still uncertain.
  • 服部 智久, 山田 論子, 古田 和也, 永松 正, 伊藤 幹雄, 鈴木 良雄
    1992 年 99 巻 6 号 p. 391-399
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    黄柏成分7エロデンドリン(OB-5)のオリジナルならびに半月体タイプ抗糸球体(GBM)腎炎に対する効果について検討した.オリジナルタイプ抗GBM腎炎ラットの尿中タンパク排泄量に対してOB-5は50mg/kg/day,i.p.投与で有意に抑制した.また,OB-5は,腎炎に伴う血清コレステロールならびにクレアチニン含量の上昇を著明に抑制し,糸球体における富核や癒着などの病理組織を改善した.一方,半月体タイプ抗GBM腎炎に対しては腎炎発症とほぼ同時に投与した場合,OB-5の50mg/kg/day,i.p.において尿中タンパク排泄量の有意な抑制が認められた.また,腎炎で上昇した血清クレアチニン,尿素窒素ならびにコレステロール含量は,OB-5の50mg/kg/day,i.p.によって有意に抑制された.半月体,癒着ならびにフィブリノイド壊死などの糸球体の病理組織学的な変化に対してOB-5は,用量依存的に抑制した.また,腎炎発症後20日目から投与した場合でも血清ならびに病理組織変化を改善した.糸球体における白血球サブセット数に対するOB-5の効果をサイクロスポリンAと比較検討した結果,OB-5の50mg/kg/day,i.p.投与により白血球共通抗原,ED-1,CD8陽性細胞数の糸球体における数の減少が認められた.この作用はサイクロスポリンAの20mg/k:g/day,p.o.とほぼ同程度の効果であることが認められた.以上の結果からOB-5は,抗GBM抗体腎炎モデルに対して有効であり,作用機序のひとつとして糸球体における細胞性免疫機構に対する抑制効果が示唆された.
  • 山浦 哲明, 柴田 昌裕, 稲葉 二朗, 小野寺 禎良, 千田 有里子, 大西 治夫
    1992 年 99 巻 6 号 p. 401-410
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    新しいタイプのヒスタミンH2受容体拮抗薬FRG・8813の抗潰瘍作用を数種急性実験的胃・十二指腸損傷モデルを用いて,ファモチジンおよびシメチジンと比較検討した.FRG-8813の抗潰瘍作用の効力は,7アモチジンの1/3~1/7,シメチジンの4~10倍であったが,FRG-8813は,胃酸分泌抑制用量よりも低用量で抗潰瘍作用を発現し,従来のヒスタミンH2受容体拮抗薬と異なり,胃酸分泌抑制作用以外の機作もその抗潰瘍作用に関与している可能性が示唆された.
  • 山浦 哲明, 柴田 昌裕, 千田 有里子, 稲葉 二朗, 小野寺 禎良, 大西 治夫
    1992 年 99 巻 6 号 p. 411-420
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    新しいタイプのヒスタミンH2受容体拮抗薬FRG-8813の抗潰瘍作用を慢性潰瘍モデルを用いて検討した.酢酸胃および十二指腸潰瘍モデルにおいてFRG・8813(0.3~3mg/kg,p.o.)は,7アモチジン(1mg/kg)およびシメチジン(30mg/kg)よりも潰蕩の治癒を促進する傾向を示した.胃粘液保持作用はFRG-8813投与群において強い傾向がみられた,W/Wvマウスにおいて自然発症した胃潰瘍の遷延をFRG-8813は,シメチジンよりも強く抑制する傾向を示した.FRG-8813の有効量は,ファモチジンおよびシメチジンと異なり胃酸分泌抑制用量以下であった事から,防御因子系の作用が相乗効果を発揮した可能性が示唆された.
  • 大原 秀人, 澤田 光平, 小川 利明, 竹田 三喜夫, 五十嵐 俊二
    1992 年 99 巻 6 号 p. 421-433
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    新規強心薬塩酸loprinone(LP)の麻酔犬における左室内径,収縮末期圧-内径関係及び実験的心不全に対する作用並びにモルモット心室筋及び洞房結節の活動電位に及ぼす影響について検討した.また,麻酔犬における心血管作用を各種強心薬と比較した.麻酔犬において,LP(10~100μg/kg,i.v.)は用量依存的な左室圧最大立ち上がり速度(LV dP/dt max,心収縮力指標)及び心係数の増加,全末梢血管抵抗の減少を示し,心拍数増加及び血圧低下は軽度であった.この時,左室内径の縮小と内径短縮率の増大が低用量から認められた.収縮末期圧一内径関係はほぼ直線を示し,その勾配はLPにより用量依存的に急峻化し左方ヘシフトした.プロプラノロール大量投与による心不全病態,即ち,LV dP/dt max低下,左室拡張末期圧上昇,左室内径拡大及び内径短縮率低下はLP投与により速やかに改善した.また,心収縮力増強,心拍数増加及び降圧の作用バランスについて数種の強心薬と比較した成績では,LPの心拍数及び血圧への影響は相対的に軽度であった.更に,モルモット摘出右室乳頭筋標本において,LP(10-6~10-4M)は収縮力及びCa2+-活動電位の最大立ち上がり速度を濃度依存的に増加し,高濃度では活動電位持続時間を軽度短縮した.モルモット摘出洞房結節では,濃度依存的な活動電位持続時間の短縮と緩徐拡張期脱分極速度の増加を示し,これらに伴って拍動数が増加した.この洞房結節へのLPの影響はmilrinoneに比し軽度であった.以上の成績より,LPは強心作用と血管拡張作用に基づく左室サイズの縮小と内径短縮率の増大を示し,実験的心不全に対しても速やかな改善効果をもたらすこと,他剤に比べ血圧及び心拍数への影響が少ないことが明らかとなった.更に,洞房結節活動電位への影響が軽度であることが判明し,心拍数への影響が少ないことの一因であると推測された.
  • 黒川 昌子, 森 明久, 塩崎 静男, 神田 知之, 吉崎 里香, 石井 昭男
    1992 年 99 巻 6 号 p. 435-443
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    抗健忘作用を有するKW-6055〔α-(p-butyrylamino-o-nitrobenzy1)pyridine〕のラット大脳皮質前頭葉コリン作動性神経系に及ぼす影響をin vivo脳内微量透析法を用いて検討し,以下の成績を得た.1)KW-6055(40,160mg/kg経口投与)はラット大脳皮質前頭葉アセチルコリン(ACh)遊離量を増加(257±23%,202±24%)させた.このACh遊離量増加作用はテトロドトキシンにより消失したことから神経発火を介したものと考えられた.また,KIW-6055によるACh遊離量増加作用がレセルピン前処置で減弱したことから一部モノアミン作動性神経系の賦活を介していると考えられた.2)KW・6055(40mg/kg経口投与)は前脳基底核(BF)破壊ラットにおいても,有意に大脳皮質前頭葉ACh遊離量を増加(251±22%)させた.BF破壊ラットにおけるACh遊離作用の持続は正常ラットより長く,投与後2時間においても有意な増加が認められた.以上,KW-6055はラット大脳皮質前頭葉ACh遊離量を増加させ,この作用が本薬物の抗健忘作用等の薬効発現の機序に関与している可能性が示唆された.
  • 芋川 英紀, 安藤 和正, 久保田 賢子, 礒野 恵美子, 井上 肇, 石田 寛友
    1992 年 99 巻 6 号 p. 445-450
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    マウスの耳介熱傷モデルを用いて,熱傷創面の血管透過性に及ぼすブラジキニンの役割を,ブラジキニン産生阻害薬を用いて検討した.同時に,熱傷時の熱傷創面ブラジキニン動態も経時的に測定した.熱傷作製30分以降,創面のブラジキニンは著明に上昇し6時間後までほぼ一定の値を維持し,以後漸減したが24時間後も有意に高値を示した.熱傷時の血管透過性の指標とした熱傷時耳介タンパク質漏出は,3時間で最大となり以後漸減したが,24時間後も有意に増加していた.熱傷作製による熱傷創面のブラジキニン産生量は,タンパク質分解酵素阻害薬の予防投与によって用量依存的に減少した.しかしながら,タンパク質分解酵素阻害薬の予防処置によっても,熱傷時の血管透過性は抑制されなかった.以上のことから,ブラジキニンは熱傷時の血管透過性反応への関与は低く,むしろ疹痛反応に関与している可能性が示唆された.
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